

第94回都市対抗野球大会準決勝戦第2試合は、東海地区代表チーム同士の戦いとなりました。もっとも、地区代表6チームのうち5チームがベスト8進出、そのうち3チームが準決勝進出となると、どこかでこう言う組み合わせに「ならざるを得ない」んですが。








で、この顔合わせ。当然東海地区二次予選で対戦がありました。6月5日の第2代表決定戦。この時は、延長10回タイブレークの末に、ヤマハがサヨナラ勝ちをおさめ、東京ドーム行を決めました。












以前には、2019年の第45回社会人野球日本選手権でも対戦がありまして(二回戦)。この時は7対3でヤマハが勝利しました。過去の対戦を見る限り、王子はヤマハ相手に分がよくないようです。












もっとも、それらは「単独チーム」での試合。そこに補強選手が入るとなると、チームの色も若干変わってくる、かとは思いますが、両チームともに、Honda鈴鹿からの補強選手を加えての本選出場。都市対抗野球大会ともなると、補強選手の活躍が多く影響する事もしばしばあります。












補強選手加入で、ベンチ入りを外れざるを得ない選手が出てきます。そんな選手の想いも背負って、違うユニフォームに袖を通す。これもまた、自チームでの出場とは違うプレッシャーもあろうと思います。今回の東海地区代表には、Honda鈴鹿から総勢8人の選手が、各チームに選ばれています。












それらの選手が、どんな活躍を見せるか、そこに現有選手がどれだけ絡んでくるか。。これもまた都市対抗野球大会の醍醐味かと思います。この辺りもまた、都市対抗野球大会の趣かな、とも。
スターティングオーダー
先攻:春日井市/王子
1(二)山口乃義 (天理高校~立命館大学)
2(左)長野勇斗 (三重高校~青山学院大学/Honda鈴鹿からの補強選手)
3(三)平野陽大 (熊本工業高校~東北福祉大学)
4(指)吉岡郁哉 (智辯学園高校~法政大学)
5(一)宝島史貴 (東邦高校~愛知学院大学)
6(右)亀山一平 (近畿大学付属高校~近畿大学)
7(中)大杉諒暢 (光星学院高校~中部学院大学)
8(捕)細川勝平 (愛知商業高校~中部大学)
9(遊)前田滉平 (京都外国大学西高校~駒澤大学)















投:井村勇介 (高蔵寺高校~至學館大学/Honda鈴鹿からの補強選手)
後攻:浜松市/YAMAHA
1(一)秋利雄佑 (常葉学園菊川高校~スカジットバレー短期大学~カリフォルニア州立大学~三菱重工名古屋)
2(捕)舟久保秀稔(甲府工業高校~東京国際大学)
3(左)矢幡勇人 (相洋高校~専修大学)
4(右)網谷圭将 (千葉英和高校~横浜DeNAベイスターズ)
5(三)貞光広登 (天理高校~國學院大学/Honda鈴鹿からの補強選手)
6(捕)大本拓海 (掛川西高校~立命館大学)
7(遊)永濱晃汰 (明秀学園日立高校~東北福祉大学)
8(二)吉田有輝 (履正社高校~明治大学/JR東海からの補強選手)
9(中)前野幹博 (PL学園高校)















投:フェリペ・ナテル (カントリーキッズ高校)
審判員







球審:堀井 一塁:溝内 二塁:太田 三塁:緒方
成績
1回表




山口 フルカウントから6球目を打ってサードゴロ








長野 1―1から3球目を打ってサードファウルフライ




平野 0―2から3球目を空振り三振
1回裏




秋利 2―2から5球目を空振り三振




舟久保 初球を打ってセカンドゴロ




矢幡 初球を打ってショート内野安打






次打者の3本球目(ボール)にファーストランナー矢幡セカンド盗塁成功




網谷 2―2から5球目を打ってサード内野安打




貞光 1―1から3球目を打ってセンターフライ
2回表










吉岡 2―2から5球目を打ってレフト線ヒット しかしセカンドタッチアウト




宝島 1―1から3球目を打ってサードゴロ




亀山 0―1から2球目を打ってピッチャーゴロ






2回裏




大本 フルカウントから7球目を打ってセカンドゴロ
永濱 1―2から4球目を打ってセカンドゴロ
吉田 1―1から3球目を打ってセカンドゴロ
3回表




大杉 1―2から5球目を打ってレフトフライ




細川 2―2から6球目を空振り三振




前田 フルカウントから球目を打ってレフト前ヒット



次打者山口の4球目(ボール)にファーストランナー前田セカンド盗塁成功




山口 フルカウントから6球目を空振り三振



3回裏













前野 初球を打ってライト線ツーベースヒット




秋利 1―2から4球目を打ってファーストゴロ
舟久保 初球を打ってセカンドゴロ サードランナーホームイン



YAMAHA1―0王子




矢幡 1―0から2球目を打ってショートゴロ ファーストランナーはセカンドへ




網谷 1―0から2球目がデッドボール




貞光 初球を打ってファーストゴロ



4回表







長野 2―1から4球目を打ってセンターフライ




平野 1―2から7球目を空振り三振




吉岡 1―2から4球目を打ってセカンドゴロ



4回裏




大本 2―2から6球目を見逃し三振
永濱 初球を打ってファーストゴロ
吉田 0―2から3球目を打ってショートゴロ
5回表







宝島 初球を打ってセンターオーバーツーベースヒット








亀山 1―0から2球目をピッチャー前送りバント




大杉 1―2から4球目を見逃し三振




細川 初球デッドボール




前田 1―1から3球目を打ってセンターフライ
5回裏




前野 1―2から4球目を打ってセンターフライ







秋利 初球を打ってレフト前ヒット







舟久保 初球を打ってレフトフライ
矢幡 初球を打ってサードゴロ
6回表
YAMAHA選手交代















ピッチャーナテルに代えて近藤卓也(秋田商業高校~青山学院大学)
山口 初球を打ってサードゴロ







長野 初球を打ってセンターフライ




平野の代打横川駿(神港学園高校~立命館大学) 2―1から4球目を打ってセンターフライ



6回裏
王子選手交代
代打横川がそのまま入りセカンド




網谷 初球を打ってセカンドゴロ







貞光 0―2から3球目を打ってサードゴロ














大本 初球を打ってレフト線ヒット しかしセカンドタッチアウト
7回表
YAMAHA選手交代
キャッチャー大本に代えて川邉健司(日本大学藤沢高校~明治大学)







吉岡 2―1から4球目を打ってライト前ヒット







宝島 初球を打ってライトフライ







亀山 初球を打ってライトフライ




大杉の代打神鳥猛流(享栄高校~中部大学) 1―2から4球目を空振り三振



7回裏
永濱 初球を打ってセカンドライナー







吉田 初球を打ってセカンド内野安打




前野 1―1から3球目を打って左中間へタイムリーツーベースヒット



YAMAHA2―0王子



王子選手交代











ピッチャー井村に代えて若林優斗(三重高校~中京大学)




秋利 2―1から6球目を見逃し三振



王子選手交代











ピッチャー若林に代えて髙橋佑輔(豊田西高校~同志社大学/東邦ガスからの補強選手)







舟久保の代打笠松悠哉(大阪桐蔭高校~立教大学) 2―2から7球目を空振り三振
8回表
YAMAHA選手交代















ピッチャー近藤に代えて水野匡貴(静岡高校~明治大学)




細川 0―1から2球目を打ってライトフライ
前田 1―1から3球目を打ってレフトフライ
山口 3―1から5球目を選んでフォアボール



YAMAHA選手交代















ピッチャー水野に代えて佐藤廉(修徳高校~共栄大学)










長野 3―1から5球目を打ってセカンドゴロ






8回裏
矢幡 初球を打ってサードゴロ




網谷 1―1から3球目を打ってライトフライ







貞光 1―0から2球目を打ってセンター前ヒット




川邊 2―1から4球目を打ってセンターフライ



9回表
YAMAHA選手交代















ピッチャー佐藤廉に代えて波多野陽介(日本文理高校~東北福祉大学)














横川 1―1から3球目を打ってショートフライ
吉岡 0―2から3球目を打ってショートゴロ











宝島 3―1から5球目を打ってセカンドフライ












春日井市/王子
000 000 000 0 H4 E1
001 000 10X 2 H8 E0
浜松市/YAMAHA
試合開始18:06 試合終了20:11








王子硬式野球部の皆様、3位なので決して「おめでとうございます」ではないかも知れません。が、4年ぶりの本大会での3位。ここまでたどり着くには相当のご苦労ご尽力があったでしょう。無念だとは思いますが、十分、胸を張っていいと思っています。まだどこかで、試合を観る事が出来れば。

過去に全国大会で、どれだけの対戦があったかまでは存じませんが、今大会もまた、ヤマハが勝ちました。



その原動力となったのが、来日(入社)17年目を迎え今シーズンから兼任コーチのフェリペ・ナテル投手。準々決勝の後のミーティングで、ご自身で「今年の公式戦初先発」を決められたとか。これぞまさに「率先垂範」って奴じゃないですかね。そして、5回72球無失点の快投。これで士気が上がらないわけがないヤマハナイン。苦戦はしたものの、優勝決定戦進出。ただただ素晴らしいとしか。



まだ社会人野球を本格的に観戦し出して10年かそこらなので、ナテルさんが来日した経緯、ヤマハ入社の経緯その他は存じ上げません。しかしながら、17年も同じチームで、ずっと活躍されているってのは、それだけチーム、そして会社からの信頼も厚いものがあるんじゃないですかね。



ところどころに、ダッグアウトに戻ってくる際の画像を挟んでみましたが、いかにナテルさんがチームから愛されているかが伝わってきました。流暢な日本語pでの、試合後のヒーローインタビューが終わった後、ほんの僅かながら、応援席から「ナテルコール」も発生しました。愛されてるんだなぁ。



そして思ったのが、過去にどこかで記したかも知れませんが、会社のシンボルチームってのは、ある程度「活き」を求められる事もあるかと思います。そこに「勝利」が付いて回れば一番いいんですがそうもいきません。そんな中に一人でも、実績のある選手がおれば強さは増してくると考えています。



30歳前後で「勇退」される選手の多い社会人野球。ナテルさん(どうしてもさん付けになります)には、末永く日本で、そして社会人野球で、現役選手を続けてもらいたい、とひそかに思っています。
2023.07.26 / Top↑
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