



さて、プロアマ問わず、野球シーズンも熱を帯びてきまして、いよいよ、社会人野球三大大会のうちの一つ、第94回都市対抗野球大会・広島県一次予選が熱戦の火ぶたを切りました。


既に大都市近郊では、クラブチームレベルでの一次予選が3月から始まっています。地区によっては、企業大会で惨敗を喫したチームは、一次予選からの勝ち上がりを強いられる地区もあるようですが、広島県一次予選は、企業チーム・クラブチーム関係なしのトーナメント戦。ゆえに、昨年の福山ローズファイターズ対ツネイシブルーパイレーツのような試合が無きにしも非ず、なんですが。


広島県一次予選は土曜日スタートでの5日間の日程。この日程だと、クラブチームの選手は週末開催ゆえ、選手が集まりやすいであろう、と言う配慮でしょう。、もちろん、仕事の都合で参加出来ないと言う選手もおられますが、社会人野球の全てのチームが目指す事が出来る都市対抗野球大会。みなここに、全ての照準を合わせています。何が起こってもあかしくない、とも思っています。
で、トーナメント戦なんですが。
13日(初日)は、第一、第二代表決定トーナメント「1-1」は無事開催出来たんですが「1-2」「1-3」は悪天候の為、14日に順延。14日は「1-2」「1-3」と、第五代表決定トーナメント「2-1」を開催すると言う変則日程。ゆえに「1-2」で敗けた福山ローズファイターズは、即「2-1」に回ると言う過酷なスケジュール。そして私が観戦出来たこの日は「2-2」と「2-3」のみ行われました。


まずは、三原ヤッサベースボールクラブ。















一回戦は広島鯉城クラブをコールドで降しての勝ち上がり。しかしながら、この日は月曜日と言う事で、さすがに人数は揃わず、13人での戦い。下記のスターティングオーダーにもあるように、ピッチャーも打順に入れての厳しい戦い。本来なら前日の試合だった故、致し方ない所もあります。















とは言え、泣き言は言ってられません。日本野球連盟に登録しておれば、誰しもが目指す事の出来る、都市対抗野球大会の予選。何が起こってもおかしくありませんし、どんなチームが勝ち上がってくるかもわかりません。やってみなければ分からない。ぶち当たるだけぶち当たれ!と言う所か。


そして対するは、JFE西日本硬式野球部。















対して関係ないとは思いますが、ここまで私が観戦した試合は7戦全勝。投打ともに例年になく充実した戦力になっています。津山投手に加え、藤原投手、筒井投手がスターターとして完全に一本立ち。クローザーには尾田投手がデンと座り、盤石の投手リレーを見せています。















攻撃も、綿屋選手がまさに「不動の四番」となり、クリーンアップを十分に打てる上西選手が下位打線。どこからでも得点が出来る、破壊力満点の打線が完成しました。JABA岡山大会も制し、既に社会人野球日本選手権出場を決めています。一期に都市対抗野球大会出場も決めてしまいたい所。
スターティングオーダー
先攻:三原市・三原ヤッサベースボールクラブ
1(二)重村俊昭 (岩国総合高校~九州国際大学~ツネイシブルーパイレーツ)
2(中)村上大侑 (総合技術高校~福山大学在学中)
3(遊)黒崎大志 (尾道商業高校~倉敷ピーチジャックス)
4(右)開原 龍 (神辺旭高校~MSH医療専門学校~ミキハウス)
5(捕)河野旬輝 (岡山学芸館高校~大阪体育大学)
6(三)藤岡英亮 (呉宮原高校~愛媛大学)
7(左)佐々木勇羽(米子北高校)
8(一)中原俊成 (三原高校~高知大学)















9(投)比嘉幸宏 (具志川高校~日本ウェルネススポーツ専門学校北九州~ショウワコーポレーション)
後攻:福山市・JFE西日本
1(一)土井克也 (北条高校~神奈川大学)
2(右)上西嵐満 (宇部鴻城高校~日本体育大学)
3(左)鳥井 凌 (尽誠学園高校~仙台大学)
4(指)綿屋 樹 (鹿児島実業高校)
5(三)古田 塁 (天理高校~東洋大学)
6(二)新田旬希 (市立呉高校~駒澤大学)
7(捕)後藤将太 (奈良大学付属高校~帝京大学)
8(遊)岡 将吾 (西日本短期大学付属高校~駒澤大学)
9(中)永山裕真 (報徳学園高校~青山学院大学)



















投:津山裕希 (明秀学園日立高校~中部学院大学)
審判員







球審:佐々木 一塁:野間 二塁:橘 三塁:品川
公式記録員:池田侑矢
場内アナウンス:原由希子
成績
1回表








重村 2―0から3球目を打ってセカンドライナー




村上 2―2から6球目を空振り三振




黒崎 初球を打ってライトフライ
1回裏








土井 1―1から3球目を打ってライト前ヒット




上西 0―2から3球目を打ってセカンドゴロセカンドフォースアウト



次打者鳥井の3球目(ボール)にファーストランナーセカンド盗塁失敗




鳥井 2―2から5球目を打ってライト前ヒット



次打者綿屋の初球(ストライク)にファーストランナー鳥井セカンド盗塁成功








綿屋 2―1から4球目を打ってライトオーバー2ランホームラン



JFE西日本2―0三原ヤッサ








古田 0―1から2球目を打ってレフトオーバーソロホームラン



JFE西日本3―0三原ヤッサ








新田 1―0から2球目を打ってファーストゴロ



2回表








開原 2―2から5球目を空振り三振








河野 0―1から2球目を打ってセカンドフライ








藤岡 2―2から5球目を打ってセンターフライ
2回裏




後藤 初球を打ってレフト前ヒット








岡 2―2から8球目を打ってライト前ヒット






次打者永山の5球目がワイルドピッチ




永山 フルカウントから6球目を打ってファーストゴロ
土井 初球デッドボール




上西 1―1から3球目を打ってライト前タイムリーヒットと処理エラー



JFE西日本5―0三原ヤッサ




鳥井 ストレートのフォアボール




綿屋 1―0から2球目を打ってセカンドゴロダブルプレイ



3回表




佐々木 1―2から4球目を打ってライトフライ




中原 0―2から3球目を空振り三振




比嘉 1―2から4球目を見逃し三振
3回裏




古田 初球を打ってセンターフライ








新田 初球を打ってライト線ツーベースヒット




後藤 フルカウントから8球目を選んでフォアボール








岡 2―0から3球目を打ってセカンドゴロセカンドフォースアウト




永山 1―1から3球目を打ってライト前タイムリーヒット



JFE西日本6―0三原ヤッサ








土井 3―0から4球目を打ってセンターオーバータイムリースリーベースヒット



JFE西日本8―0三原ヤッサ




上西 1―2から4球目を打ってファーストゴロ



4回表








重村 2―2から5球目を打ってショートゴロ








村上 0―2から3球目を打ってセンター前ヒット




黒崎 0―1から2球目を打ってレフトフライ




開原 フルカウントから6球目を打ってセンターフライ






4回裏




鳥井 フルカウントから6球目を打ってセンターフライ




綿屋 3―1から5球目を打ってセンターフライ








古田 1―1から3球目を打ってショートゴロ
5回表




河野 初球を打ってサードゴロ




藤岡 1―0から2球目を打ってセカンドフライ




佐々木 0―2から3球目を見逃し三振
5回裏




新田 2―1から4球目を打ってライト前ヒット



次打者後藤の2球目(ストライク)にファーストランナー新田セカンド盗塁成功
後藤 1―2から5球目を打ってライトフライ








岡 1―2から4球目を打ってファーストゴロ












永山 2―2から5球目を打ってライト線タイムリースリーベースヒット
JFE西日本9―0三原ヤッサ




土井 3―1から球目を選んでフォアボール




上西の代打高田桐利(広陵高校~法政大学) 0―1から2球目を打ってセカンドゴロ
6回表
JFE西日本選手交代とシート変更
代打高田がそのまま入りライト
サード古田に代えて柴田海斗(関東学園大学付属高校~帝京大学)




中原 0―2から4球目を空振り三振




比嘉 2―2から5球目を見逃し三振








重村 1―0から2球目を打ってファーストゴロ
6回裏
三原ヤッサベースボールクラブ選手交代














ピッチャー比嘉に代えて原田優斗(神辺旭高校)








鳥井 1―2から5球目を打ってショートフライ








綿屋の代打田中多聞(呉港高校) 2―0から3球目を打ってセンターフライ
柴田 0―1から2球目を打ってキャッチャーファウルフライ
7回表
JFE西日本選手交代















ピッチャー津山に代えて藤原拓実(今治西高校)




村上 2―2から5球目を見逃し三振








黒崎 3―1から5球目を打ってセンター前ヒット




開原 ストレートのフォアボール








河野 0―1から2球目を打ってサードゴロダブルプレイ






三原市・三原ヤッサベースボールクラブ
000 000 0 0 H2 E1
323 010 X 9 H12 E0
福山市・JFE西日本
試合開始11:53 試合終了13:34

三原ヤッサベースボールクラブ。やはりと言うか、13人では太刀打ちは出来ませんでした。2安打に封じ込められ、12被安打。投打共に、JFE西日本が貫禄を見せつけた試合になりました。昨年までは、送りバント等を適度に織り交ぜた攻撃でしたが、今シーズンは、昨年の片鱗は全く見えません。
4番打者も、日替わりの事もありましたが、綿屋選手が鎮座するようになり、明確な「打線の核」が出来ました。前説でも取り上げましたが、これで私が観戦した試合は8連勝。公式戦でもまだ1敗しかしていません。このまま、他を寄せ付けぬ勢いで、東京ドームの頂上まで走りそうな気もします。
ただ、三原ヤッサベースボールクラブも、何もないまま終わったわけではないと考えます。今シーズン、ツネイシブルーパイレーツから転籍の重村選手。第1打席のセカンドライナーは、火の出るような当たりでした。これがヒットになっておれば、試合展開は変わっていたかも、とも思いました。
ツネイシホールディングに在籍のままのチーム転籍。紆余曲折あったとは思いますが、三原ヤッサベースボールクラブにとっては、立派な核弾頭が確立出来た、とも考えています。今後の活躍を祈らずにはおれません。
そしてJFE西日本は、中国地区二次予選に向けて、広島県第4代表以上の座を獲得。悲願の全国制覇への序章は、始まったばかりです。
2023.05.15 / Top↑
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