



第93回都市対抗野球大会3日目第一試合。登場するのは、中国地区第一代表、福山市/倉敷市・JFE西日本です。















広島県一次予選では、JR西日本に県第一代表の座を奪われはしましたが、中国地区二次予選では3連勝。投手陣の柱であり、最優秀選手賞を受賞した津山投手が2試合で完投勝利を挙げ、全予選を5勝1敗の好成績で通過。3年ぶり11回目の代表の座を勝ち取りました。















特に今年、目覚ましい活躍を見せたのが、ようやく4番に鎮座した綿屋樹選手(鹿児島実業高校)。そこに今大会は、シティライト岡山から小竹一樹選手(青森山田高校~日本橋学館大学)を補強選手に迎え、これまでにない、どこにも負けない超重量打線を組めると思います。


そんな「横綱」に挑むのは、富山県上市町・ロキテクノ富山。












株式会社ロキグループが運営する硬式野球部。2012年にクラブチームとして発足、2016年には都市対抗野球大会北信越二次予選進出。2018年には全日本クラブ野球選手権に北信越地区代表として初出場。そして昨年からは企業登録に変更されて現在に至ります。












2015年には、阪神タイガース等で活躍した藤田太陽・現監督、2019年に埼玉西武ライオンズ等で活躍した水田圭介・現コーチが、さらに今年からは、福岡ソフトバンクホークス等で活躍された細川亨氏がコーチとして加入、悲願の都市対抗野球大会出場となりました。
元NPB出身者のエキスを十二分に吸い込んだ、言わば新進気鋭のロキテクノ富山が勝つのか、日本鋼管時代から受け継がれた地力を発揮してJFE西日本が制するのか、都市対抗野球大会云々以前に、楽しみかつ興味深い顔合わせとなりました。


そして試合前には、JFE西日本・田中友博内野手と、ロキテクノ富山の補強選手・西納敦史投手(伏木海陸運送)の「10年連続出場」の表彰がありました。









お二方は当然同学年。そして田中選手は三菱重工広島、西納当主は三菱重工名児耶を経ての表彰、かんがいぶかいものもあるかと思います。業務と野球を両立しつつ、常に第一線で活躍していないと達成出来ない偉業。ご苦労も多々あるかと思いますが、本当におめでとうございます。
スターティングオーダー
先攻:富山県上市町・ロキテクノ富山
1(中)横田勝大 (横浜商業高校~新潟医療福祉大学)
2(遊)横山圭佑 (名古屋国際高校~福井工業学)
3(二)櫻吉宏樹 (金沢高校~國學院大學)
4(一)中井雄輝 (柳井学園高校~愛知工業大学)
5(左)神藤廉大 (明徳義塾高校~福井工業学)
6(指)豊田航平 (東海大付属望高校~東海大学/千曲川硬式野球クラブからの補強選手)
7(三)岡田淳芳 (おかやま山陽高校~金沢学院大学)
8(右)福本勁信 (北陸高校~愛知学院大学)
9(捕)黒田 翼 (熊谷商業高校~金沢学院大学)




















投:飯塚亜希彦(上越高校~新潟医療福祉大学)
後攻:福山市/倉敷市・JFE西日本
1(左)鳥井 凌 (尽誠学園高校~仙台大学)
2(右)上西嵐満 (宇部鴻城高校~日本体育大学)
3(二)田中友博 (享栄高校~愛知学院大学~三菱重工広島)
4(指)綿屋 樹 (鹿児島実業高校)
5(一)古田 塁 (天理高校~東洋大学)
6(遊)岡 将吾 (西日本短期大学付属高校~駒澤大学)
7(三)新田旬希 (市立呉高校~駒澤大学)
8(捕)後藤将太 (奈良大学付属高校~帝京大学)
9(中)永山裕真 (報徳学園高校~青山学院大学)






















投:津山裕希 (明秀学園日立高校~中部学院大学)
審判員






球審:高島俊一 一塁:山脇一也 二塁:鈴木孝則 三塁:竹田康彦
成績
1回表








横田 2―2から6球目を打ってセカンド内野安打








横山 1―0から2球目をピッチャー前送りバント








櫻吉 1―2から4球目を打ってライト前タイムリーヒット






JFE西日本0―1ロキテクノ富山
次打者中井の4球目(ボール)にファーストランナーセカンド盗塁失敗




中井 3―1から5球目を選んでフォアボール








神藤 1―1から3球目を打ってセンター前ヒット








豊田 フルカウントから6球目を打ってサードファウルフライ
1回裏








鳥井 フルカウントから7球目を打ってサードゴロ








上西 2―2から5球目を打ってレフトフライ




田中 フルカウントから8球目を選んでフォアボール
次打者綿屋の初球がワイルドピッチ








綿屋 1―2から4球目を空振り三振
2回表
岡田 1―1から3球目を打ってピッチャーゴロ




福本 2―1から4球目を打ってセカンドフライ








黒田 フルカウントから6球目を打ってレフト前ヒット








横田 初球を打ってレフト前ヒット




横山 2―2から球目を打ってセンターフライ
2回裏








古田 初球を打ってショートゴロ捕球エラー




岡 2―1から4球目を空振り三振








新田 0―2から3球目を空振り三振








後藤 1―2から4球目を空振り三振
3回表




櫻吉 0―1から2球目を打ってセカンドフライ




中井 2―1から4球目を打ってファーストゴロ




神藤 1―2から4球目を打ってライト前ヒット




豊田 2―2から5球目を空振り三振
3回裏








永山 初球を打ってセカンドゴロ




鳥井 フルカウントから8球目を選んでフォアボール




上西 1―0から2球目を打ってライトフライ




田中 1―1から3球目を打ってセンター前ヒット



ファーストランナー鳥井はサードへ







綿屋 フルカウントから7球目を空振り三振
4回表
岡田 0―1から2球目を打ってセカンドゴロ
福本 2―1から4球目を打ってセカンドゴロ
黒田 2―2から5球目を見逃し三振
4回裏
古田 1―2から4球目を空振り三振








岡 初球を打ってサード後方ツーベースヒット(打球見失い)






次打者新田の3球目がワイルドピッチ




新田 2―2から5球目を空振り三振




後藤 0―2から3球目を打ってライトフライ
5回表




横田 2―2から6球目を打ってサードゴロ




横山 1―0から2球目を打ってファーストゴロ




櫻吉 2―2から5球目を打ってキャッチャーファウルフライ
5回裏




永山 0―2から3球目を打ってピッチャーゴロ








鳥井 1―2から4球目を打ってサード内野安打




上西 2―1から4球目を打ってセンターフライ




田中 1―0から2球目を打ってレフトオーバー2ランホームラン


















JFE西日本2―1ロキテクノ富山
綿屋 0―1から2球目を打ってライトフライ
6回表








中井 1―1から3球目を打ってセンターフライ




神藤 0―1から2球目を打ってセカンドゴロ




豊田の代打宮本一希(智辯学園高校~北陸大学) 1―2から4球目を見逃し三振



6回裏
古田 初球を打ってサードゴロ










岡 2―2から5球目を打ってレフトファウルフライ




新田 1―2から4球目を見逃し三振
7回表










岡田の代打金原瑶(クラーク記念国際高校~愛知東邦学) 2―1から4球目を打ってファーストフライ




福本 初球を打ってショートゴロ




黒田 フルカウントから6球目を選んでフォアボール




横田 初球を打ってセンターフライ
7回裏


ロキテクノ富山シート変更
代打宮本がそのまま入りレフト








後藤 初球を打ってレフトオーバースリーベースヒット




永山 2―2から5球目を空振り三振



次打者鳥井の2球目がワイルドピッチでサードランナー後藤ホームイン









JFE西日本3―1ロキテクノ富山




鳥井 2―0から3球目を打ってファーストゴロ




上西 1―1から3球目を打ってショートフライ
8回表
横山 1―0から2球目を打ってセカンドライナー




櫻吉 初球を打ってレフト前ヒット




中井 2―2から5球目を打ってショートゴロダブルプレイ






8回裏
ロキテクノ富山選手交代


















ピッチャー飯塚に代えて澤柳亮太郎(明治学院東村山高校~明治学院大学)








田中 1―2から4球目を打ってセンター前ヒット




綿屋 2―0から3球目を打ってライトフライ




古田 2―0から3球目をピッチャー前送りバント




岡 ストレートのフォアボール








新田の代打小竹一樹(青森山田高校~日本橋学館大学/シティライト岡山からの補強選手) 2―2から5球目を空振り三振
9回表
JFE西日本選手交代とシート変更
代打小竹に代えてセカンド河内愛哉(広島商業高校~富士大学) セカンド田中がサードへ




神藤 0―2から4球目を打ってレフト前ヒット




宮本 2―1から4球目を打ってセカンドフライ








金原の代打北村進太朗(福井工業大附属福井高校~福井工業学) 初球を打ってセカンドゴロダブルプレイ



上市町・ロキテクノ富山
100 000 000 1 H8 E1
000 020 01X 3 H6 E0
福山市/倉敷市・JFE西日本
試合開始10:06 試合終了12:32

三菱自動車倉敷オーシャンズから彦坂投手、伯和ビクトリーズから平岡投手。二人のエースを補強して臨んだJFE西日本ですが、やはり初戦の先発は、自チームのエース・津山投手。アンダースローでスタミナの配分も難しかったとは思います。序盤3イニングで6被安打なが、よく立ち直りました。



初見では打ち辛いものがあるとは思いますし、なかなか高めに浮かない津山投手のピッチングに、初出場のロキテクノ富山はよく付いていけたとおもいます。これもまた日頃の練習の成果でしょうし、初出場チームでも何を起こすか、何が起きるか分からない、のが都市対抗野球大会だと思います。



JFE西日本も、ロキテクノ富山先発・飯塚投手にかなり手こずったでしょう。連写の画像しかありませんが、二段モーションどころか四段モーションにすら思える超変則フォーム。案の定、投げた7イニングで9三振。JFE西日本は大きなチャンスをろくすっぽ作れぬまま終わるか、と思いました。


そんな、どことなく鬱蒼とした雰囲気を吹っ飛ばしたのは、10年連続出場表彰を受けた、主将・田中友博選手。大会前の壮行試合でもホームランを放ち、この試合でも3安打猛打賞。猛打豪打のJFE西日本打線を、自らのバットで「引っ張り回して」います。本当に頼もしく感じます。


3点目は、東京ドームの汚い天井に紛れてしまった打球を、ロキテクノ富山野手陣が見失ってのスリーベースヒットからのバッテリーミス。プロですら見失う事もあるんですから、初めて東京ドームで試合をするチームにミスが出ても致し方ない所。ただ、これがなければ結果はどう転んでいた。
JFE西日本にとっては、薄氷を踏むおもいだったと思いますが、とにもかくにも1回戦は突破しました。あとは、若い選手が奮起して、充実した投手陣が機能すれば、都市対抗野球大会初優勝も手が届くはず。次戦は中3日で24日の日曜日。生意気観戦は出来ませんが、楽しみにしたいです。
2022.07.21 / Top↑
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