

第92回都市対抗野球大会も残すところ2日。勝ち残ったチームは4つ。準決勝の日を迎えました。まずはその第一試合。相対するは、東京都・セガサミーと、熊本県菊池郡大津町・Honda熊本。東京都に囲まれて、肩入れする訳ではないですが「町」のチームがベスト4に勝ち進みました。












都市対抗野球大会で「町」の代表として出場するチームと言うのは、近年では熊本県大津町のHonda熊本くらい。Honda熊本以外で「町代表」での出場チームは、2007年の第78回大会に出場した、(岩手県紫波郡)矢巾町代表のクラブチーム、岩手21赤べこ野球軍団まで遡ります、












で、ここから先は個人的な考えなんですが。会社登録チームと言うのは、だいたい本社所在地の市町村を冠して都市対抗野球大会に出場者してきます。JR西日本硬式野球部は「広島鉄道局」が前身ゆえ、本社所在地の大阪市ではなく、広島市代表として出場しますが、これは特殊な例。












大阪市代表チームとして挙げられるのは、大阪ガス、日本生命、NTT西日本、パナソニックとありますが、活動拠点は大阪市内にはなく、大阪ガスは兵庫県西宮市、日本生命は大阪府貝塚市、NTT西日本は京都府久世郡久御山町、パナソニックは大阪府枚方市になります。












例えば大阪ガスが、大阪市代表ではなく「西宮市代表」として出場すれば、地元の宣伝にもなりましょうし、NTT西日本がそれこそ「久御山町代表」として東京ドームに来れば、これまた良いアピールにもなるでしょう。ここで当然「所属の都道府県連盟やはどうなる?」と言う話にもなるかとは思いますが、所属連盟はそのまま、と言う訳にはいかないものでしょうかね。難しい話になりますが。




大きなメディアに取り上げられる事はあまりありませんが、イベント参加やソフトボール大会主催、また少年野球教室など、地元への貢献度と言うのは少なからずあるはず。社会人野球をいち企業のモチモノ、で終わらさない為にも、手法はいくらでもあると思いますがどうでしょうか。
スターティングオーダー
先攻:東京都・セガサミー
1(右)植田匡哉 (汎愛高校~大阪商業大学)
2(二)北川智也 (福井工業大学福井高校)
3(指)平田 巧 (立正大学淞南高校~立正大学)
4(一)根岸晃太郎(樹徳高校~日本大学)
5(中)市根井隆成(前橋商業高校~上武大学)
6(左)森 龍馬 (日本大学第三高校~法政大学/明治安田生命からの補強選手)
7(遊)中川智裕 (近畿大学付属高校~近畿大学)
8(捕)須田凌平 (千葉黎明高校~立正大学)
9(三)砂川哲平 (明豊高校~駒澤大学)















投:草海光貴 (上田西高校)
後攻:大津町・Honda熊本
1(右)山本卓弥 (神村学園高等部~亜細亜大学)
2(指)江崎大輔 (佐賀商業高校~関東学院大学)
3(指)稲垣翔太 (明豊高校)
4(一)古寺宏輝 (大阪桐蔭高校~関東学院大学)
5(三)田場亮平 (前原高校/沖縄電力からの補強選手)
6(二)石井 元 (履正社高校~明治大学)
7(中)宮川海斗 (佐久長聖高校~上武大学)
8(捕)竹葉章人 (龍谷大学平安高校~立教大学)
9(左)中島準矢 (鹿島高校~筑波大学)















投:片山雄貴 (福岡工業大学城東高校~駒澤大学)
審判員




球審:鈴木 一塁:小出嘉則(千葉県野球連盟) 二塁:須田 三塁:大都篤(大阪府野球連盟)
成績
1回表




植田 0―1から2球目を打ってセンターフライ




北川 初球を打ってライト前ヒット




平田 1―2から4球目を空振り三振












次打者根岸の初球(ボール)にファーストランナー北川セカンド盗塁成功 さらにキャッチャーからの悪送球でサードへ




根岸 1―1から3球目を打ってセンターフライ
1回裏




山本卓 フルカウントから6球目を選んでフォアボール




江崎 0―2から3球目をピッチャー前送りバント




稲垣 1―1から3球目がデッドボール




古寺 2―2から5球目を見逃し三振
次打者田場の初球前にピッチャーのセカンドへの牽制悪送球でランナーそれぞれ進塁




田場 2―0から3球目を打ってショートゴロ
2回表




市根井 初球を打ってレフト前ヒット




森 1―2から4球目を見逃し三振








中川 初球を打ってサードゴロダブルプレイ




須田 0―2から3球目を打ってレフト前ヒット








砂川 2―1から4球目を打ってファーストゴロ
2回裏




石井 2―2から7球目を打ってライトフライ




宮川 1―2から6球目を打ってセカンドゴロ




竹葉 1―2から4球目を見逃し三振
3回表




植田 0―2から3球目を空振り三振




北川 1―2から5球目を打ってセンター前ヒット




平田の代打高本康平(遊学館高校~國學院大學) 1―2から4球目を空振り三振




根岸 0―2から3球目を空振り三振
3回裏








中島 2―2から5球目を打ってセカンド内野安打




山本卓 初球を打ってライトフライ






次打者江崎の初球がワイルドピッチ




江崎 2―2から7球目を空振り三振




稲垣 1―0から2球目を打ってセカンドゴロ
4回表




市根井 1―1から3球目を打ってショートゴロ




森 0―1から2球目を打ってショート内野安打




中川 1―2から4球目を空振り三振



次打者須田の3球目(空振り)にファーストランナー森セカンド盗塁成功 さらに4球目がワイルドピッチてサードへ




須田 フルカウントから9球目を打ってセンターフライ



4回裏




古寺 フルカウントから6球目を打ってセカンドフライ








田場 0―1から2球目を打ってライトフライ




石井 1―2から4球目を打ってライトフライ
5回表




砂川 0―1から2球目を打ってセカンドゴロ




植田 2―1から4球目を打ってセンター前ヒット








北村 1―1から3球目を打ってセカンドゴロセカンドフォースアウト




高本 2―2から5球目を空振り三振






5回裏








宮川 1―1から3球目を打ってセンター横へツーベースヒット








竹葉 1―0から2球目をピッチャー前送りバント




中島 2―2から5球目を打ってセカンドゴロ サードランナーホームイン






Honda熊本1―0セガサミー



山本卓 1―2から4球目を空振り三振
6回表
根岸 3―1から5球目を打ってライトファウルフライ
市根井 初球を打ってセカンドライナー
森 2―1から4球目を打ってサードゴロ
6回裏




江崎 2―2から5球目を打ってピッチャーゴロ








稲垣 1―2から4球目がデッドボール







古寺 初球を打ってショートゴロ




田場 1―2から8球目を空振り三振

7回表








中川 1―1から3球目を打ってサードゴロ




須田 1―0から2球目を打ってピッチャーゴロ送球エラー




砂川 2―2から5球目を打ってサードフライ




植田 初球を打ってショートフライ

7回裏




石井 1―1から3球目を打ってセカンドライナー




宮川 0―2から3球目を空振り三振




竹葉 0―2から3球目を空振り三振
8回表
Honda熊本選手交代
センター宮川に代えて北村優(下関工業高校~北九州市立大学)




北川 0―1から2球目を打ってレフトフライ




高本の代打澤良木喬之(済美高校~日本文理大学) 1―2から4球目を打ってセカンドゴロ








根岸 1―1から3球目を打ってライトフライ



8回裏




中島 フルカウントから7球目を見逃し三振




山本卓 初球を打ってセンターフライ








江崎の代打和田裕生(福岡大学大濠高校~専修大学) 1―2から4球目を打ってセンター前ヒット
Honda熊本選手交代
ファーストランナー山本卓に代えて長池城磨(延岡学園高校~九州産業大学)








稲垣 初球を打ってセカンドゴロ
9回表




市根井 初球を打ってファーストゴロ








森 初球を打ってショートゴロ




中川 初球を打ってレフトオーバーホームラン






Honda熊本1―1セガサミー




須田 1―2から4球目を打ってライト前ヒット




砂川 3―1から4球目を選んでフォアボール




植田の代打宮川和人(PL学園高校~東洋大学) 0―2から3球目を空振り三振



9回裏
セガサミー選手交代とシート変更
代走宮川に代えてライト本間諒(関東第一高校~立正大学)
ピッチャー草海に代えて陶久亮太(帯広農業高校~東京農業大学北海道オホーツク)








古寺 1―1から3球目を打ってセンターオーバーサヨナラホームラン!






Honda熊本2―1セガサミー






東京都・セガサミー
000 000 001 1 H8 E2
000 010 001 2 H4 E2
大津町・Honda熊本
試合開始14:01 試合終了16:33



第三位チームに贈られる「黄獅子旗」。残念は配線ではありますが、準決勝まで勝ち進んだ証。


1点を争う、今大会屈指の好ゲーム。最後はソロホームランの応酬になりました。






2対1と言う僅差の試合ながら、4回までは1時間越えと、社会人野球の公式戦としては比較的スローテンポ。これはそのまま延長タイブレークか、とすら思いました。xそれと同時に、これが準決勝戦の緊張感でもあり、黒獅子旗への執念のせめぎ合いなんだな」、とも感じました。



土壇場の9回表ツーアウトから飛び出したセガサミー・中川選手の同点ホームラン、そしてその裏の先頭バッターで飛び出したHonda熊本・古寺選手のサヨナラホームラン。どちらも、個人のチカラだけではない、マモノでもない今大会で復活した「応援席のチカラ」だとすら思いました。



応援団に関する知識もなく、当然ウンチクも垂れる事は出来ませんが、昨年の都市対抗野球大会は、応援団もチーム応援席もなく、どことなく粛々と進行した感もありました。しかしながら今年は、入場人数や声出しその他、制限がありながらも「いつもの都市対抗野球大会に戻りつつありました。そして「勝ち進むのは選手の力だけではないんだ」と言うのをひしひしと感じました。



その応援団の力も相まったHonda熊本、19年ぶりの優勝決定戦進出です。
2021.12.09 / Top↑
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