



第92回都市対抗野球大会中国地区二次予選4日目を迎えました。この日の2試合はよく言われる「敗者復活戦」となりますが、個人的にはこの表記は大嫌いです。


















都市対抗野球大会本選出場枠、中国地区は2チームの権利が与えられています。ゆえに、第一代表決定トーナメントで一度敗れても、まだ第二代表決定トーナメントが残されています。
もちろん、第一代表よりも条件は厳しく、4連勝するのみ、と言う条件とはなっていますが、勝ち上がれば東京ドームへの途が拓けます。まだまだへこたれるわけにはいきません。


















特に中国地区各県の場合、相対的にチーム数が少ない為、各県予選は企業チーム・クラブチーム分け隔てなく予選が行われます。ゆえに、トーナメントその他の組み合わせ如何によっては、どこが出てきてもおかしくないし、どんな試合が繰り広げられるか解りません。現に一昨年の二次予選には、岡山県からはショウワコーポレーションが二次予選に進出してきました。
クラブチームとは言うものの、同じ条件で戦っている以上、何が起こるか分かりません。あっと驚く結果が出る可能性もなきにしもあらず。この日の第一試合、福山市・福山ローズファイターズと、倉敷市・三菱自動車倉敷オーシャンズの試合も然り。ここ数試合の試合結果を見ても、決してオーシャンズが楽勝だったとは言い難い結果。これもまた野球の醍醐味ではないでしょうか。
スターティングオーダー
先攻:倉敷市・三菱自動車倉敷オーシャンズ
1(中)小柳周太 (北九州高校~MSH医療専門学校)
2(二)平山大海 (鹿児島実業高校)
3(一)平井孝治 (尽誠学園高校~筑波大学~三菱自動車岡崎)
4(指)渕上大地 (球磨工業高校~日本福祉大学~三菱重工広島)
5(三)宮崎 新 (履正社高校~明治大学)
6(左)高見良太 (岡山東商業高校~中部学院大学)
7(捕)本木駿也 (上尾高校~履正社医療スポーツ専門学校)
8(遊)杉村彰哉 (京都外国語大学西高校)
9(右)垣内丈二 (鳥取城北高校)
















投:守屋泰輔 (玉島商業高校~関西国際大学)
後攻:福山市・福山ローズファイターズ
1(左)立花海都 (岡山理科大学付属高校~法政大学)
2(中)伊藤陽介 (開星高校~桃山学院大学)
3(三)北吉慶行 (瀬戸内高校~上武大学)
4(指)中村 憲 (京都すばる高校~広島東洋カープ)
5(二)丸山太志郎(ルーテル学院高校~徳山大学)
6(一)甲斐健聖 (広陵高校~愛知大学)
7(捕)松永大輝 (筑陽学園高校~西日本工業大学)
8(右)柘植巧哉 (矢上高校)
9(遊)高橋 歩 (金光学園高校~専修大学)


















投:足立和矢 (華陵高校~広島経済大学)
審判員








球審:井上孝則 一塁:楠誠之 二塁:初田幸廣 三塁:藤田芳博
成績
1回表




小柳 フルカウントから6球目を打ってレフトフライ




平山 フルカウントから7球目を選んでフォアボール




平井 0―1から2球目を打ってサードゴロセカンドフォースアウト
次打者渕上の3球目がワイルドピッチ




渕上 3―1から5球目を選んでフォアボール




宮崎 3―1から5球目を選んでフォアボール




高見 フルカウントから6球目を選んでフォアボール押し出し



福山市0―1倉敷市




本木 1―2から5球目を打ってショートゴロ
1回裏




立花 1―1から3球目を打ってショートゴロ








伊藤 1―0から2球目を打ってサードファウルフライ




北吉 0―1から2球目を打ってセンターフライ
2回表




杉村 2―1から4球目を打ってファーストゴロ




垣内 2―0から3球目を打ってセンターフライ




小柳 3―1から5球目を打ってレフトフライ
2回裏




中村 1―1から3球目を打ってファーストゴロ








丸山 2―2から6球目を打ってセカンドライナー




甲斐 0―2から3球目を空振り三振
3回表




平山 3―1から5球目を選んでフォアボール




平井 初球を打ってライト前ヒット




渕上 初球をキャッチャー前送りバントサードへ送球もセーフ フィルダースチョイス
宮崎 初球を打ってセカンドフライ
高見 初球を打ってライト前タイムリーヒット



福山市0―3倉敷市








本木 初球を打ってキャッチャーファウルフライ




杉村 初球を打ってライトフライ
3回裏




松永 フルカウントから6球目を打ってレフト前ヒット




柘植 2―2から5球目を空振り三振




高橋 1―2から4球目を打ってセカンドゴロダブルプレイ



4回表




垣内 1―2から5球目を打って空振り三振




小柳 1―1から3球目を打ってレフトオーバーツーベースヒット




平山 0―2から3球目を打って見逃し三振




平井 1―0から2球目を打ってレフトフライ
4回裏




立花 2―2から5球目を打ってサードゴロ




伊藤 2―1から4球目を打ってライト前ヒット




北吉 2―2から6球目を打ってセカンドライナー



次打者中村の2球目(ストライク)にファーストランナー伊藤セカンド盗塁失敗
5回表




渕上 0―2から3球目を空振り三振
宮崎 3―1から5球目を選んでフォアボール




高見 初球を打ってライト前ヒット




本木 0―1から2球目を打って左中間へヒット




杉村 1―0から2球目を打ってセンターへ犠牲フライ






福山市0―4倉敷市
しかしセカンドランナー高見はサードタッチアウト
5回裏




中村 0―1から2球目を打ってセカンドゴロ




丸山 初球を打ってセカンドフライ




甲斐 1―1から3球目を打ってショートゴロ




6回表
福山ローズファイターズ選手交代














ピッチャー足立に代えて大恵勇貴(広島商業高校~広島経済大学)




垣内 2―1から4球目を打ってセカンドゴロ








小柳 0―1から2球目を打ってサードフライエラー(落球) 小柳はセカンドへ




平山 初球を打って左中間へタイムリーヒット
福山市0―5倉敷市




平井 2―2から5球目を打ってレフトフライ



次打者渕上の初球(ストライク)にファーストランナー平山セカンド盗塁成功




渕上 2―2から5球目を打ってファーストフライ
6回裏
松永 フルカウントから6球目を打ってセカンドゴロ




柘植 2―2から5球目を打ってセカンドゴロ




高橋 0―1から2球目を打ってライトフライ
7回表




宮崎 3―1から5球目を選んでフォアボール




高見 0―2から3球目を空振り三振




本木 2―1から4球目を打ってセンターフライ




杉村 2―1から4球目を打ってセカンドゴロ
7回裏




立花 フルカウントから7球目を空振り三振




伊藤 1―0から2球目を打ってレフトフライ




北吉 1―2から6球目を打ってセンターフライ
8回表




垣内の代打沖成樹(南陽工業高校~MSH医療専門学校) 初球を打ってセカンドフライ




小柳 初球を打ってライトフライ




平山 1―1から3球目を打ってショートゴロ
8回裏
三菱自動車倉敷オーシャンズ選手交代
代打沖がそのまま入りライト














ピッチャー守屋に代えて廣畑敦也(玉野光南高校~帝京大学)




中村 1―1から3球目を打ってピッチャーゴロ




丸山 1―2から4球目を空振り三振




甲斐 2―2から5球目を空振り三振
9回表
福山ローズファイターズ選手交代
セカンド丸山に代えて岡野隼己(大竹高校~広島工業大学)








平井 初球を打ってレフトフライ




渕上の代打岡崎嵩(市立船橋高校) 1―2から4球目を打ってレフトオーバーツーベースヒット




宮崎 フルカウントから7球目を打ってレフトフライ








高見の代打竹井陸(関西高校) 1―0から2球目を打ってサードゴロ
9回裏
三菱自動車倉敷オーシャンズ選手交代とシート変更
代打竹井がそのままショート ショート杉村がセカンドへ








ピッチャー廣畑に代えて矢部佑歩(立教大学新座高校~立教大学~日立製作所~石川ミリオンスターズ)
松永 1―1から3球目を打ってセンターフライ
柘植 2―2から5球目を空振り三振




高橋 1―1から3球目を打ってサードファウルフライ


周南市野球場
第92回都市対抗野球大会中国地区二次予選第一代表決定戦 兼 第69回中国地区社会人野球選手権大会
倉敷市・三菱自動車倉敷オーシャンズ
102 011 000 5 H6 E0
000 000 000 0 H2 E2
福山市・福山ローズファイターズ
試合開始09:57 試合終了12:20

前述のように、試合としては、企業チーム対クラブチーム、ではありますが、同じ大会本選を目指すのに、企業もクラブも関係ありません。ましてや町の名前を冠して試合に臨む大会。特に福山ローズファイターズは、福山市全体を巻き込んで設立されたチーム。浸透の度合いはもしかしたら、ツネイシブルーパイレーツやJFE西日本よりも高いかも知れません。
数字的に見れば、0対5の完封負けではありますが、制球が定まらないながらも、1回表を1失点でしのぎ、なおかつ試合を壊さぬまま5回3失点でしのいだ、福山ローズファイターズ染髪の足立投手は立派だったと思います。もしこのイニングをゼロで切り抜けておれば、試合はまた違った展開になったかも、とすら考えます。発足から5年。着実に力は付いていると考えます。
そして勝利した三菱自動車倉敷オーシャンズ。先発マウンドを任された守屋投手が素晴らしいピッチング。7イニング2被安打ながらダブルプレイと盗塁失敗で切り抜けて打者21人斬り。これが、1回表に1点しか取れなかった野手陣に、リズムを作ったんだと思います。廣畑投手、彦坂投手、矢部投手に続いての、なかなか社会人野球では見られない「先発四本柱」になるかなぁ、とすら。
これもやはり、以前どこかに記しましたが、エース格でもあり、守屋投手と同級生の廣畑投手がピッチャー陣によい刺激になっているのかも。そしてやはり1点勝負になりがちなトーナメントを勝ち抜くには、スターターは何人いてもいい。昨年の都市対抗野球大会では「貧打」とも言われましたが、三菱自動車倉敷オーシャンズは、それを補って余りある「投手王国」に近付きつつある、決して大袈裟ではない、とも考えています。
2021.10.05 / Top↑
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