

いよいよ、第46回社会人野球日本選手権も、最終日、優勝決定戦の日を迎えました。


東京オリンピックの影響で、晩秋から初夏に振り替え、さらには一回戦をほっともっとフィールド神戸、二回戦以降は京セラドーム大阪と言う変則日程。そして京セラドーム大阪ラウンドは開幕ギリギリまで観客の有無が不透明な状態ではありましたが、無事予備日を使用する事なく、最終日、優勝決定戦まで滞りなく進行しました。関係者の皆さまにはこの場を借りて熱く御礼を申し上げます。


優勝決定戦に勝ち進んできたのは、前回優勝チームの大阪ガス硬式野球部、そして今年、グループ内のチーム再編で誕生した、、三菱重工横浜の流れを汲む三菱重工East。どのチームがどう、と言うのはありませんが、優勝決定戦に相応しい組み合わせとなりました。



昨年から今年と、オープン戦すら満足に観戦出来ていない大阪ガス。ベテラン選手が一歩退いた形ではありますが、それでもここまで勝ち上がってくるのはさすがとしか言いようがありません。これは準々決勝の記事でも記しましたが、チームとしてのスカウティングの賜物かと思います。



毎年毎年力のある選手を獲得し、NPBにも立て続けに選手を送り込みつつ、企業のシンボルチームとして「勝つこと」を至上命題にされているチームはやはり強いな、という印象。一年空いたとは言え、そのチーム力が全く落ちていないのは、むしろ異例のことかと思いますが如何でしょう。






相対する三菱重工East。三菱重工グループ内では、2014年に三原、2016年に長崎、そして昨年限りで広島と名古屋が廃部。ここまで激変の歴史を歩んだチームもそうそうないとは思います。






その中で、ユニフォームを脱がざるを得なかった選手の方も少なからずおられるはず。そんな中での「初の」優勝決定戦進出。企業内だけでなく、いろんな人の思いを背負った試合が始まります。
スターティングオーダー
先攻:大阪ガス
1(三)吉澤一翔(大阪桐蔭高校~早稲田大学)
2(遊)児玉亮涼 (文徳高校~九州産業大学)
3(二)峰下智弘 (佐賀学園高校~近畿大学)
4(右)末包昇大 (高松商業高校~東洋大学)
5(指)三井健右 (大阪桐蔭高校~立教大学)
6(中)清水聖也 (智辯学園高校~東北福祉大学)
7(左)古川昂樹 (立命館大学宇治高校~立命館大学)
8(一)公家 響 (横浜高校~明治大学)
9(捕)鳥飼力斗 (鳥取城北高校)












投:秋山遼太郎(田川高校~福岡大学)
後攻:三菱重工East
1(指)久保皓史 (佐賀商業高校~富士大学)
2(中)八戸勝登 (清峰高校~西南学院大学)
3(二)中山遙斗 (大阪桐蔭高校~國學院大學)
4(左)小栁卓也 (春日部共栄高校~日本体育大学)
5(遊)江越啓太 (川崎工科高校~神奈川大学)
6(一)久木田雄介(れいめい高校~第一工業大学)
7(三)矢野幸耶 (福岡第一高校~北陸大学)
8(捕)対馬和樹 (駒澤大学苫小牧高校~九州共立大学)
9(右)江越海地 (長崎海星高校)
















投:大野亨輔(星陵高校~専修大学)
審判員







球審:文殊弘富 一塁:南谷宏治 二塁:左海資士 三塁:太田和宏
成績
1回表
吉澤 1―2から4球目を空振り三振
児玉 1―0から2球目を打ってセカンドゴロ




峰下 初球を打ってショートゴロ捕球エラー




末包 初球を打ってレフトフライ
1回裏




久保 1―2から4球目を空振り三振








八戸 0-1から2球目をサード前バントヒット






次打者中山の初球(ストライク)にファーストランナー八戸セカンド盗塁失敗




中山 フルカウントから6球目を見逃し三振
2回表








三井 1―1から3球目を打ってレフト前ヒット








清水 初球を打ってショートフライ



次打者古川の2球目前にピッチャー大野のファーストへの牽制悪送球で三井はセカンドへ




古川 1―1から3球目がデッドボール








公家 フルカウントから6球目を打ってライトフライ




鳥飼 3―0から4球目を打って左中間へタイムリーツーベースヒット



三菱重工East0-1大阪ガス








吉澤 初球を打ってショートフライ
2回裏








小栁 1―2から4球目を打ってセンターフライ




江越啓 1―2から4球目を空振り三振








久木田 フルカウントから9球目を打ってショートゴロ
3回表








児玉 0―1から2球目を打ってレフト前ヒット




峰下 1―2から7球目を打ってセカンドゴロ








末包 初球を打ってレフト前タイムリーヒット









三菱重工East0-2大阪ガス




三井 初球を打ってレフトフライ






次打者の2球目(ボール)にファーストランナー末包セカンド盗塁失敗
3回裏








矢野 1―2から4球目を打ってショートゴロ








対馬 フルカウントから8球目を打ってセンター前ヒット








江越海 初球を打ってセンター前ヒット







久保 2―1から4球目を打ってライトフライ セカンドランナー対馬はサードへ








八戸 初球を打ってライトオーバータイムリーツーベースヒット






三菱重工East2-2大阪ガス




中山 1―2から4球目を見逃し三振




4回表




清水 1―0から2球目を打ってショートライナー




古川 1―1から2球目を打ってセカンドゴロ




公家 2―2から5球目を空振り三振



4回裏
大阪ガス選手交代












ピッチャー秋山に代えて阪本大樹(履正社高校~関西大学)




小栁 2―2から6球目を空振り三振




江越啓 1―0から2球目を打ってショートフライ




久木田 フルカウントから6球目を選んでフォアボール






次打者矢野の6球目(ボール)にファーストランナーセカンド盗塁成功




矢野 2―2から8球目を打ってショートゴロ
5回表
鳥飼 2―1から4球目を打って左中間へヒット




吉澤 0―1から2球目を打ってセンターフライ




児玉 2―1から4球目を打ってレフト前ヒット




峰下 初球を打って右中間へタイムリーツーベースヒット



三菱重工East2-3大阪ガス






しかしファーストランナー児玉はホームタッチアウト








末包 1―1から3球目を打ってライト前タイムリーヒット






三菱重工East2-4大阪ガス




三井 1―2から4球目を打ってショート内野安打




清水 初球を打ってセンターフライ



5回裏




対馬 0―1から2球目を打ってファーストゴロ




江越海 1―2から4球目を打ってレフトフライ




久保 フルカウントから6球目を見逃し三振



6回表
三菱重工East選手交代



キャッチャー対馬に代えて安田亮太(PL学園高校~明治大学~三菱重工名古屋)




古川 1―2から4球目を空振り三振




公家の代打松谷竜暉(報徳学園高校~筑波大学) フルカウントから6球目を選んでフォアボール




鳥飼 1―1から3球目を打ってセンター前ヒット ファーストランナー松谷はサードへ










吉澤 1―1から3球目を打ってサードゴロ サードランナー松谷がタッチアウト






三菱重工East選手交代








ピッチャー大野に代えて長島彰(中部大学第一高校~中京学院大学~三菱重工広島)




児玉 フルカウントから6球目を打ってレフトフライ
6回裏
大阪ガス選手交代
代打松谷に代えてファースト花本太紀(東大阪大学柏原高校~創価大学)




八戸 1―2から4球目を打ってセカンドゴロ








中山 初球を打ってファーストフライ




小栁 2―2から6球目を打ってセカンドゴロ
7回表
峰下 初球を打ってセンターフライ




末包 2―2から6球目がデッドボール




三井 1―0から2球目を打ってセカンドファウルフライ









次打者清水の2球目(ボール)にファーストランナー末包セカンド盗塁成功 キャッチャーからの悪送球でサードへ




清水 1―2から4球目を空振り三振
7回裏
江越啓の代打園田崇人(帝京高校~国際武道大学) 初球を打ってセカンドゴロ




久木田 フルカウントから8球目を打ってライト前ヒット




矢野 2―2から8球目を打ってセカンド内野安打








安田 2―2から6球目を打ってライト前ヒット




江越海 1―1から3球目を打ってショートフライ




久保 0―2から3球目を打ってショートゴロ
8回表
三菱重工East選手交代



代打園田に代えてショート堤裕貴(龍谷高校~オリックスバファローズ~三菱重工広島)




古川 ストレートのフォアボール
大阪ガス選手交代
ファーストランナー古川に代えて杉内洸貴(今治西高校~同志社大学)








花本 フルカウントから6球目を空振り三振 ファーストランナー杉内は盗塁失敗




鳥飼 フルカウントから6球目を選んでフォアボール








吉澤の代打室屋太郎(鹿児島実業高校) 2―2から球目を空振り三振
8回裏
大阪ガス選手交代とシート変更
代打室屋がそのまま入りレフト 代走杉内がそのまま入りサード








ピッチャー阪本に代えて河野佳(広陵高校)








八戸 フルカウントから6球目を見逃し三振




中山 1―0から2球目を打ってショートファウルフライ








小栁 1―1から3球目を打ってショートゴロ送球エラー




堤の代打二橋大地(盛岡大学付属高校~東日本国際大学) 1―0から2球目を打ってサードゴロ
9回表
三菱重工East選手交代とシート変更



代打二橋に代えてサード南亮介(中京高校~中京学院大学~三菱重工広島)
サード矢野がショート




児玉 1―2から7球目を打ってレフトフライ








峰下 フルカウントから6球目を打って右中間へヒット








末包 0―1から2球目を打ってサードフライ




三井 1―2から4球目を打ってファーストライナー
9回裏




久木田 2―2から5球目を打ってショートゴロ




矢野 1―2から4球目を空振り三振




安田 初球を打ってライトフライ











大阪ガス硬式野球部、大会連覇おめでとうございます!




京セラドーム大阪
第46回社会人野球日本選手権優勝決定戦
大阪ガス
011 020 000 0 H11 E1
002 000 000 0 H 7 E3
三菱重工East
試合開始16:04 試合終了19:11

再編初年度の、三菱重工Eastの、最初の大きな戦いが終わりました。


再編とは申しますが、ともすれば「寄せ集め」とも取られかねないチーム編成、かも知れません。これまでやってきた野球、そして不慣れな職場や生活環境に戸惑った選手も少なからずおられたかも知れませんが、そんな中での、三菱重工横浜から通じて初めての優勝決定戦進出と準優勝。


試合後のスタンドへの挨拶の際、江越海地主将の目には涙が浮かんでいました。ご本人も三菱重工長崎からの移籍組。地元・長崎から、遠く離れた見知らぬ土地での苦労も数え切れぬくらいあったと思います。その経験を活かしての「主将」だったとは思いますが、チームをまとめて、よくここまで戦ったと思います。本当にお疲れ様でした。そして、素晴らしい戦いをありがとうございました。


そして、大阪ガス硬式野球部の皆様、改めて、大会連覇おめでとうございます。過去には住友金属とトヨタ自動車しか成し遂げていない偉業とか。しかも、中止を1年挟んで、と言うのは凄いです。その1年の間に、チーム力が落ちなかった、と言う証拠ですから、これは素晴らしい事。


繰り返しになりますが、1年目2年目の選手を主軸に据える事が出来たのはやはり、スカウティングと日頃の鍛錬の賜物かと思います。都市対抗野球大会しかなかった2020年。そして約7ヶ月後の日本選手権、連続しての出場と選手権優勝は、本当にお見事としか言いようがありません。


おそらく今年の都市対抗野球大会地区予選は、大阪ガスを中心に回ることと思います。しかしながら、その壁を打ち破れるだけのちからは十分に持っていると思います。観戦出来るか出来ないかは現状、不透明ではありますが、楽しみにしたいと思っています。



表彰式・閉会式


両チーム選手入場。この時に流れたのは当然「我街の誇り」。


表彰状




ダイヤモンド旗を受け取り、応援団席に向けて大きく掲げる峰下智弘主将


優勝杯は古川選手の手に。


大阪市長杯を受け取る花本選手。


次の大会まで、ユニフォームに縫い付ける事が出来る「優勝エンブレム」の授与。


ダイヤモンド旗とは別に、グラウンドに掲げる事の出来る「チャンピオンフラッグ」の授与。


優勝メダルの授与。


準優勝の三菱重工East」には、準優勝トロフィーをメダルの授与。



優勝決定戦に進出したチームには、勝ち負け問わず「大阪シティドーム賞」が贈られます。
ちなみに個人表彰。どういう訳か一枚も画像を撮ってませので、プレイ中の画像にて。


【最高殊勲選手賞】 河野佳投手(大阪ガス)


【敢闘賞】 小栁卓也内野手(三菱重工East)


【打撃賞】 末包昇大外野手(大阪ガス)


【首位打者賞】 小栁卓也内野手三菱重工East)
22打席 20打数 10安打 打率 0.500



いつもとは少しばかり勝手の違う、蒸し暑くもありながら、少し早めの熱い夏が終わりました。





ここから先社会人野球は、秋に行われる都市対抗野球大会の予選、そして11月末から始まる本選に向けて動き出します。それまで選手の皆様、どうかお怪我などなさらぬよう、ご安全に。
2021.07.17 / Top↑
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