

中一日おいて、みたび東京ドームにやってきました。合間に勤務を挟んでいるので、さすがにきつくなりつつありましたが、それでもやはり、試合ともなると多少睡眠時間が少なくても動けます。これもある種の「都市対抗野球大会の魔力」だったりするんでしょうか。不思議なものです。


そして、観戦するのは第一試合、三菱重工広島硬式野球部の二回戦。トーナメント戦は「負けたら終わり」とはよく言いますが、三菱重工広島の場合は「負けたらチームの歴史が終わる」大会。



























ではありますが試合開始前、選手の皆さんは、ダッグアウト前付近で、とてもリラックスした表情をされてました。苦戦しましたが一回戦を突破した、と言う安堵感、そして、ここにたどり着くまでに「出来る事、やるべき事は全てやってきた」と言う、自信に満ち溢れた表情にも見えました。



























中国地区二次予選の際にも記しましたが、就業前の朝5時からのバッティング練習やその他、新型コロナウイルス感染症の影響で、練習やオープン戦もままならなかった時期を乗り越え、二度目にして最後の頂点へ、心技体全てに於いて、最高の状態にある、とすら思いますが如何でしょう。
























グラウンドには「本社の意向」も「再編」もありません。あるのは、三菱重工広島硬式野球部の、ただひたすら前を向く、上を狙う選手の心意気と確固たる決意、そして執念と熱いプレイ。最後の頂点への2歩目の階段。難敵居並ぶ都市対抗野球大会。道半ばで倒れるわけにはいきません。


そして対するは、37回の出場を誇る日本新薬硬式野球部。









7年連続出場、と言うのもおいそれと達成出来る数字ではありません。近畿地区予選も、激戦と言われる東海地区に負けず劣らずの強豪ひしめき合う地区。京都府野球連盟唯一の企業登録チーム、と言うプライド、その他色々な思いを秘めての都市対抗野球大会本選二戦目。









どちらにとっても「負けられない戦い」である事に代わりはありません。トーナメント戦と言うのはそう言うもの。但し「後はないけど先はあるチーム」と「後もない先もないチーム」ともなると、技術云々よりも「精神の戦い」。都市対抗野球大会と言うのはそう言うものだ、と認識しています。




試合前に「10年連続出場選手」の表彰がありました。日本新薬硬式野球部・榎田宏樹投手。言わずと知れた、埼玉西武ライオンズ・榎田大樹投手の実弟。社会人野球の世界で、投手と言うデリケートなポジションで、10年間現役で居続けるだけでも大変だと思います。おめでとうございます。
スターティングオーダー
先攻:広島市・三菱重工広島
1(遊)岡 将吾(西日本短期大学付属高校~駒澤大学/JFE西日本からの補強選手)
2(三)田中友博 (享栄高校~愛知学院大学)
3(右)実政太一 (如水館高校)
4(一)松永弘樹 (広陵高校~早稲田大学)
5(指)松原匡志 (天理高校~同志社大学)
6(左)古川卓人 (明徳義塾高校~横浜商科大学)
7(二)櫻井 涼 (広島商業高校~近畿大学工学部)
8(中)青木拓己 (関西大学北陽高校~関西大学)
9(捕)佐々木駿 (桐光学園高校~國學院大學)












投:本間大暉(埼玉栄高校~専修大学)
後攻:京都市・日本新薬
1(中)舩曳 海 (天理高校~法政大学)
2(三)古川 陸 (東大阪大学柏原高校~関西大学)
3(指)北川倫太郎(明徳義塾高校~東北福祉大学~東北楽天ゴールデンイーグルス/カナフレックスからの補強選手)
4(二)福永裕基 (天理高校~専修大学)
5(左)藤原隆蒔 (近江高校~京都産業大学/三菱重工神戸・高砂からの補強選手)
6(一)正木健太郎(履正社高校~創価大学)
7(右)井澤凌一朗(龍谷大学平安高校~東北福祉大学)
8(捕)鎌田将吾 (鈴鹿高校~朝日大学)
9(遊)板倉健人 (静岡高校~立正大学)








投:岩本喜照 (常葉学園菊川高校~九州共立大学)
審判員




球審:富澤 一塁:須藤 二塁:緒方 三塁:菅谷
成績
1回表




岡 フルカウントから球目を打ってセカンドフライ




田中 フルカウントから球目を打ってセカンドゴロ








実政 フルカウントから球目を打ってライトオーバーソロホームラン



日本新薬0―1三菱重工広島








松永 初球を打ってレフト線ツーベースヒット




松原 初球を打ってセンターフライ
1回裏




舩曳 2―2から5球目を空振り三振




古川 0―2から3球目を空振り三振




北川 フルカウントから7球目を空振り三振






2回表




古川 2―1から4球目を打ってピッチャーゴロ




櫻井 0―1から2球目を打ってライトフライ




青木 2―2から5球目を打ってライトフライ
2回裏




福永 1―2から4球目を空振り三振




藤原 2―1から4球目を打ってショートゴロ




正木 2―2から5球目を空振り三振









3回表




佐々木 1―2から4球目を打ってキャッチャーファウルフライ




岡 フルカウントから球目を空振り三振




田中 フルカウントから球目を打ってショートゴロ






3回裏








井澤 フルカウントから球目を打ってサードゴロ




鎌田 1―0から2球目を打ってセンターフライ




板倉 0―1から2球目がデッドボール




舩曳 3―1から5球目を打ってファーストライナー






4回表




実政 2―2から5球目を打ってレフトフライ




松永 フルカウントから6球目を空振り三振




松原 ストレートのフォアボール












古川 初球デッドボール




櫻井 0―1から2球目を打ってセカンドゴロ
4回裏




古川 初球を打ってセンター前ヒット




北川 初球をファースト前送りバント失敗セカンドフォースアウト



次打者福永の初球がワイルドピッチ




福永 1―0から球目を打ってサードゴロ








藤原 1―1から3球目を打ってライトフライ
5回表




青木 初球を打ってセカンドゴロ




佐々木 2―2から8球目を打ってショートゴロ




岡 0―1から2球目を打ってセカンドライナー



5回裏




正木 2―0から3球目を打ってライトオーバーソロホームラン



日本新薬1―1三菱重工広島




井澤 フルカウントから7球目を打ってショートファウルフライ






三菱重工広島選手交代








ピッチャー本間に代えて長島彰(中部大学第一高校~中京学院大学)




鎌田 2―2から6球目を見逃し三振




板倉 初球を打ってサードゴロ






6回表




田中 2―2から5球目を打ってセンターフライ




実政 フルカウントから8球目を打ってショートゴロ




松永 2―2から5球目を空振り三振
6回裏




舩曳 初球を打って左中間へソロホームラン



日本新薬2―1三菱重工広島




古川 1―1から3球目を打ってライト前ヒット







北川 2―1から4球目を打ってセンター前ヒット








福永 1―0から2球目を打ってライトオーバー3ランホームラン



日本新薬5―1三菱重工広島
三菱重工広選手交代








ピッチャー長島に代えて児山祐斗(関西高校~東京ヤクルトスワローズ/シティライト岡山からの補強選手)




藤原 2―1から4球目を打って右中間へツーベースヒット
次打者正木の2球目がワイルドピッチ




正木 フルカウントから6球目を打ってショートゴロ
井澤 1―2から4球目を空振り三振




鎌田 1―2から4球目を空振り空振
7回表




松原 1―0から2球目を打ってショートゴロ




古川の代打汐月祐太郎(熊本高校~筑波大学) ストレートのフォアボール








櫻井の代打堤裕貴(龍谷高校~オリックスバファローズ) フルカウントから6球目を打ってセンターオーバーツーベースヒット




青木 2―2から5球目を打ってショートゴロ サードランナー汐月ホームイン
日本新薬5―2三菱重工広島




佐々木の代打國本剛志(近畿大学福山高校~近畿大学) 1―2から4球目を空振り三振
7回裏
三菱重工広島シート変更
代打汐月がそのまま入りレフト 代打堤がそのまま入りセカンド 代打國本がそのまま入りキャッチャー




板倉 1―1から3球目を打ってレフトフライ




舩曳 0―1から22球目を打ってサードファウルフライ






三菱重工広島選手交代












ピッチャー児山に代えて鮫島優樹(神村学園高等部~MSH医療専門学校)
古川 初球を打ってサードゴロ



8回表
日本新薬選手交代








ピッチャー岩本に代えて小松貴志(創価高校~創価大学)




岡 2―2から5球目を打ってサードゴロ




田中 フルカウントから6球目を選んでフォアボール




実政 フルカウントから6球目を空振り三振




松永 フルカウントから8球目を選んでフォアボール




松原 初球を打ってセカンドゴロ
8回裏




北川 フルカウントから7球目を選んでフォアボール
福永 0―2から3球目を見逃し三振
藤原 初球を打ってセカンドフライ



正木 3―1から5球目を打ってセンター前ヒット
井澤の代打鈴木一矢(刈谷高校~京都大学) フルカウントから6球目を選んでフォアボール
日本新薬選手交代
ファーストランナー鈴木に代えて松本丈志郎(関西創価高校~創価大学)
鎌田 初球を打ってレフトフライ
9回表
日本新薬シート変更
代走松本がそのまま入りライト








汐月 2―2から8球目を打ってショートフライ








堤 フルカウントから6球目を打ってショート内野安打








青木の代打鳥井凌(尽誠学園高校~仙台大学/JFE西日本からの補強選手) 1―2から4球目を打ってサード内野安打








國本 初球を打ってショートフライ








岡の代打菅力也(崇徳高校~駒澤大学) 2―2から6球目を打ってライトフライ






広島市・三菱重工広島
100 000 100 2 H5 E0
000 014 00X 5 H8 E0
京都市・日本新薬

三菱重工広島硬式野球部、75年の歴史が幕を閉じました。




自らの意志とは違うところで決まってしまったチームの消滅。なくなってしまうのは寂しいですし、残念でなりません。ただ、これもまた、アマチュア野球ゆえ、社会人野球ゆえの運命なのかも知れません。新しいチームが生まれていくその裏で、経営の事情その他の理由で歴史の幕を閉じるチームがある。これまで幾度となく繰り返されてきた事実。避けて通れぬ道だとも思います。




この試合を最後に「あがる」つまりは現役を引退さて、社業に専念される選手もおられるでしょう。そんな方には、ただただ「お疲れさまでした」としか言いようがありません。ユニフォームを脱いでも、これからの方が遥かに長いです。この先の人生に幸多かれとしか言いようがありません。あまり軽々しく使う言葉ではないと思ってますが、これが本来の「卒業」ではないでしょうか。




また、縁あって他チームに移籍される選手もおられるはず。そんな皆さんには、感染の機会があれば経歴の最後に忘れずに「~三菱重工広島」と書かせていただきます。私が出来る事と言えばこれくらいですが、現役を続行される皆さんは是非とも末長く「三菱重工広島」を語り継いで下さい。
そして皆さん、どれだけ年下であろうが、私にとっては「永遠のスーパースター」です。「本当に」を幾つ書いても足りません。そして、心から御礼申し上げます。ありがとうございました・・・・。
2020.11.30 / Top↑
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