

第91回都市対抗野球大会中国地区二次予選最終日、第二代表決定戦の日を迎えました。予選リーグから計5試合を、勝ち負けありながらも戦い抜き、抗いなから喘ぎながら迎えた最終決戦。心身共に疲労の度合いは想像を絶するモノがあると思います。しかし、この試合を勝てばすこし休めます。フェンスのこちら側から観ている人間はただただ、健闘を祈る事しか出来ません。


もちろん私は、JR西日本の人間でも、三菱自動車工業の関係者でもありません。正直、どちらが勝とうが負けようが、何ら関係ないかも知れません。しかしながら、社会人野球には、長らく観てきた人には負けるかも知れませんが、それなりの強い思い入れはあります。だから、勝負は決しなければいけませんが、悔いのないよう、全力でプレイをしていただきたい。これだけです。

そして、中国地区二次予選最後の試合は「岡山県対広島県」2年ぶり5回目の本選出場を目論むJR西日本と、16年ぶり8回目の東京ドームを目指す三菱自動車倉敷オーシャンズの「今予選二度目」の対戦。どちらが火事場のナントカを発揮する事が出来るか。10月に入ったばかりながらも、8月の陽射しのような暑さの中でのまさしく「熱闘」の火蓋が切られます。


まずは三菱自動車倉敷オーシャンズ。









予選リーグ含め、ここまで4試合で4得点と言う、失礼ながら申せば「超極貧打線」で勝ち進み、そして三菱重工広島に敗れながらも、現福岡ソフトバンクホークスの森唯斗投手を擁した2013年以来の、代表決定トーナメントに残りました。そこには、矢部佑歩投手、そして廣畑敦也投手の正しく「奮投」抜きには語る事は出来ません。野球はピッチャー、を体現した戦いを繰り広げてきました。









しかしながらそろそろ、打線の奮起があっても良い頃。ピッチャーがゼロに抑えていても、勝負は決しません。ここまで予選リーグ含め4試合4得点の「超極貧打線」の大いなる奮起なるかどうか。相手は広島県の横綱・JR西日本硬式野球部。そして下記にもありますが、先発投手は第一代表決定トーナメントで完封勝利をあげた廣畑敦也投手。果たして「二匹目のナントカ」なるか。


そしてJR西日本。


















一度敗れたチームと再度対戦する、と言うのはダブルイリミネーション方式トーナメントではよくある話ですが、同じピッチャーと中一日で再び対戦、と言うのはそうそうない事と思います。ただ、これから先、いろんな所で何試合も戦って行かねばならない相手。以前は河野竜生投手をやや苦手としていましたが、そんなピッチャーを作らない為にも、この大舞台で叩いておかないと。


















それ以前にJR西日本硬式野球部は、事ある毎に岡山県のチーム、と言うかシティライト岡山に苦戦を強いられてきました。これもまた運命かとは思いますが、オカヤマと言う強大な「やま」を崩さないといけないのは、もはや宿命だとすら思っています。どこぞのチームの歌にもありますが「ここが男の見せどころ」。2年ぶりの東京ドームにコマを進める事が出来るかどうか。
スターティングオーダー
先攻:倉敷市・三菱自動車倉敷オーシャンズ
1(遊)竹井 陸 (関西高校)
2(ニ)平山大海 (鹿児島実業高校)
3(左)平井孝治 (尽誠学園高校~筑波大学)
4(指)田島一志 (北九州市立高校)
5(中)高見良太 (岡山東商業高校~中部学院大学)
6(捕)森 祐大 (海部高校)
7(一)寺田陽光 (神戸国際大学付属高校~立教大学)
8(三)宮崎 新 (履正社高校~明治大学)
9(右)沖 成樹 (南陽工業高校~MSH医療専門学校)








投:廣畑敦也 (玉野光南高校~帝京大学)
後攻:広島市・JR西日本
1(中)春原直登 (佐久長聖高校~関東学院大学)
2(右)田中勇次 (鳴門工業高校~明治大学)
3(三)藤澤拓斗 (柳ヶ浦高校~西濃運輸~中日ドラゴンズ)
4(一)田村 強 (玉野高校~大阪体育大学)
5(二)大倉卓也 (智辯学園和歌山高校~関西学院大学)
6(左)蔵桝孝宏 (広陵高校~法政大学)
7(指)鳥居丈寛 (愛知工業大学名電高校~東洋大学)
8(捕)岩崎魁人 (九州国際大学付属高校~東北福祉大学)
9(遊)石嵜健人 (如水館高校~近畿大学工学部)








投:齋藤祐太 (智弁学園和歌山高校)
審判員




球審:古川裕 一塁:橘 二塁:前田 三塁:丸山
成績
1回表




竹井 0―2から球目を打ってファーストゴロ
平山 1―1か3球目を打ってサードゴロ




平井 0―2から4球目を打ってセンターフライ
1回裏




春原 3―1から5球目を選んでフォアボール




田中 2―1から4球目をピッチャー前送りバント




藤澤 フルカウントから6球目を打ってレフトフライ




田村 0―1から球目を打ってショートゴロ
2回表




田島 フルカウントから7球目を打ってライトフライ




高見 1―2から4球目を空振り三振




森 2―2から球目を打ってセンターフライ
2回裏




大倉 初球を打ってセンター前ヒット




蔵桝 初球を打ってライト前ヒット




鳥居 2―1から4球目を打ってキャッチャーファウルフライ




岩崎 0―1から2球目を打ってレフトフライ




石嵜 初球を打ってピッチャーゴロ
3回表
寺田 1―1から3球目を打ってショートゴロ




宮崎 ストレートのフォアボール




沖 3―1から5球目を選んでフォアボール




竹井 2―2から7球目を空振り三振




平山 0―1から2球目を打ってファーストゴロ
3回裏




春原 1―0から球目を打ってファーストゴロ




田中 0―1から球目を打ってセンターフライ




藤澤 初球を打って右中間へソロホームラン



JR西日本1-0三菱自動車倉敷オーシャンズ
田村 初球を打ってレフト前ヒット




大倉 2―1から4球目を打ってレフト前ヒット




蔵桝 初球を打ってファーストゴロ
4回表




平井 初球を打ってレフトオーバーツーベースヒット




田島 初球を打ってセンターフライ




高見 1―2から4球目を打ってファースト内野安打




森 2―2から6球目を打ってライトへ犠牲フライ
JR西日本1-1三菱自動車倉敷オーシャンズ
次打者寺田の3球目(ストライク)にファーストランナー高見セカンド盗塁失敗
4回裏




鳥居 1―1から3球目を打ってファーストファウルフライ
岩崎 初球を打ってセカンドゴロ




石嵜 2―2から6球目を空振り三振
5回表




寺田 初球を打ってライトフライ




宮崎 2―2から6球目をレフトオーバーヒット




沖 1―0から2球目をキャッチャー前送りバント




竹井 初球を打ってショートゴロ
5回裏




春原 3―1から5球目を打ってレフトフライ
田中 0―1から2球目を打ってセンター前ヒット
藤澤 1―2から5球目を空振り三振



次打者田村の3球目(ボール)にファーストランナー田中セカンド盗塁失敗
6回表




平山 フルカウントから6球目を打ってセンター前ヒット




平井 0―1から2球目をピッチャー前送りバント




田島 1―1から3球目を打ってセンター前タイムリーヒット バックホームの間にセカンドへ



JR西日本1-2三菱自動車倉敷オーシャンズ




高見 0―2から3球目を打ってセカンドゴロ



JR西日本選手交代








ピッチャー齋藤に代えて加賀美希昇(桐蔭学園高校~法政大学~横浜DeNAベイスターズ)
森 初球を打ってライト前タイムリーヒット






JR西日本1-3三菱自動車倉敷オーシャンズ




寺田 1―2から4球目を空振り三振



6回裏




田村 初球を打ってレフト前ヒット




大倉 0―1から2球目を打ってライトオーバーホームラン









JR西日本3-3三菱自動車倉敷オーシャンズ




蔵桝 1―0から2球目を打ってセカンドゴロ




鳥居 0―1から2球目を打ってセンターフライ




岩崎 初球を打ってセンターフライ
7回表
宮崎 2―1から4球目を打ってセンターフライ
沖 1―0から2球目を打ってレフトフライ
竹井 2―2から5球目を打ってセカンドゴロ
7回裏




石嵜 0―2から3球目を打ってサードゴロ
春原 2―2から5球目を打ってピッチャーゴロ




田中 0―1から2球目を打ってライトフライ
8回表
平山 1―2から4球目を打ってレフトフライ
平井 フルカウントから6球目を選んでフォアボール
田島 1―2から4球目を空振り三振




高見 1―2から4球目を空振り三振
8回裏




藤澤 1―2から4球目を打ってセンターフライ




田村 0―2から3球目を打ってセンターフライ




大倉 ストレートのフォアボール






次打者蔵桝の初球(ボール)にファーストランナー大倉セカンド盗塁成功 キャッチャーからの悪送球でサードへ




蔵桝 2―2から5球目を空振り三振
9回表




森 0―1から2球目2を打ってサードゴロ




寺田の代打岡崎崇(市立船橋高校) フルカウントから8球目を選んでフォアボール
三菱自動車倉敷オーシャンズ選手交代



ファーストランナー岡崎に代えて牛尾諒汰(瀬戸内高校~MSH医療専門学校)




宮崎 1―2から4球目を打ってライトフライ




沖 初球を打ってセンターフライ
9回裏
三菱自動車倉敷オーシャンズシート変更
代走牛尾がそのまま入りファースト




鳥居 3―1から5球目を選んでフォアボール
JR西日本選手交代



ファーストランナー鳥居に代えて奥谷行宏(名張桔梗が丘高校~皇學館大學)




岩崎 初球をキャッチャー前送りバント
三菱自動車倉敷オーシャンズ選手交代とシート変更
代打岡崎に代えてライトに垣内丈二(鳥取城北高校) ライト沖がセンターへ
センター高見がレフトへ レフト平井がファーストへ




石嵜 0―1から2球目を打ってショートゴロ



セカンドランナー奥谷が挟まれタッチアウト






次打者春原の2球目(ボール)にファーストランナー石嵜セカンド盗塁成功




春原 1―2から4球目を打ってレフト前ヒット



セカンドランナー石嵜ホームタッチアウト
10回表
竹井 2―2から6球目を見逃し三振








平井 初球を打ってサードファウルフライ




平山 2―1から4球目を打ってライトフライ
10回裏




田中 1―0から2球目を打ってレフト前ヒット




藤澤 0―2から3球目を送りバント失敗 記録三振




田村 フルカウントから球目を空振り三振



ファーストランナー田中はセカンド盗塁失敗
11回表




田島 3―1から5球目を選んでフォアボール
三菱自動車倉敷オーシャンズ選手交代



ファーストランナー田島に代えて橋本拓実(鹿児島実業高校)




高見 0―2から3球目をピッチャー前送りバント




森 3―1から5球目を選んでフォアボール




垣内 1―2から4球目を打ってサードゴロ




宮崎 フルカウントから7球目を選んでフォアボール




沖 0―1から2球目を打ってセンター前タイムリーヒット



JR西日本3-4三菱自動車倉敷オーシャンズ




竹井 0―1から2球目を打って左中間へタイムリースリーベースヒット






JR西日本3-7三菱自動車倉敷オーシャンズ
平山 フルカウントから7球目を選んでフォアボール
JR西日本選手交代
ピッチャー加賀美に代えて佃勇典(広島商業高校~拓殖大学)
次打者平井の2球目(ストライク)にファーストランナー平山 セカンド盗塁成功
平井 2―1から4球目を打ってセカンドタイムリー内野安打
JR西日本3-9三菱自動車倉敷オーシャンズ
橋本 1―2から4球目を空振り三振
11回裏
大倉 0―1から2球目を打ってレフトオーバーツーベースヒット




蔵桝 初球を打ってショートゴロ




奥谷の代打黒野諒太郎(吉良高校~愛知産業大学) 1―0から2球目を打ってライト前ヒット




岩崎 1―1から3球目を打って左中間へタイムリーツーベースヒット



JR西日本5-9三菱自動車倉敷オーシャンズ




石嵜 0―2から3球目を打ってセンターフライ








春原 2―0から3球目を打ってサードライナー








倉敷市・三菱自動車倉敷オーシャンズ、16年ぶり8回目の都市対抗野球大会出場決定!おめでとうございます!!




倉敷市・三菱自動車倉敷オーシャンズ
000 000 000 6 9 H E
000 000 000 2 5 H E
広島市・JR西日本

先に「超極貧打線」と書きましたが、個人j的には伏線はあったと思っています。いずれも対JFE西日本とのオープン戦ではありますが、昨年はサヨナラ負けながらも11点、今年は20点取られながらも6得点をしました。その「突発的猛打」がここで炸裂しました。これが本当の「火事場のくそ力」と言う奴なんでしょう。11回表の連打連打には、鬼気迫るモノを感じ、そして「圧力」を感じました。


毎日新聞の記事にもありましたが、この辺は2年前に、激戦区東海地区を知る三菱自動車岡崎から移籍してきた平井孝治主将の「もっと点を入れないと危ない」と言う危機感が、チーム全体に浸透していたのではないでしょうか。負け癖、と言う言葉も記事中にありましたが、チームの意識改革には持ってこいの「人」だったんだと思います。これもまた勝因の一つではないでしょうか。


そして無念ですが、JR西日本の、東京ドームへの挑戦は潰えました。ただ選手の皆さんは最後まで全身全霊、戦って敗れました。決して、弱いチームではありません。絶望的な劣勢の中、3年目の大倉選手、2年目の黒野選手、1年目の岩崎選手で2点を返しました。これも来年への光明です。
これから先も広島県、そして中国地区の雄として輝き続けてくれるはず。ただ今年は三菱自動車倉敷オーシャンズがほんの少し強かっただけ。また来年も再来年も、強くあってくれると思います。
表彰式




ここ数年、尽くシティライト岡山に阻まれ、さらには昨年は、ショウワコーポレーションに敗れて岡山県すら勝ち抜けなかった事を考えると、喜びもひとしおかと思います。そして、苦しみ抜いて苦しみ抜いて勝ち取った「代表盾」。さぞや重かったろうと思います。本当におめでとうございます。


そして、三菱自動車倉敷オーシャンズから選出されるのは「敢闘賞」。当然といえば当然ですが、予選から登板3試合全て「完投」と言う離れ業を見せた廣畑敦也投手。ツネイシプルーパイレーツ戦では延長12回159球、第一代表決定トーナメントでは147球、この試合では137球の熱投。「鉄腕」以外の何者でもありません。これで今年新加入。どうか、しっかり休んで本選に臨んでください。




表彰式のあとは恒例の胴上げ。ひとつだけ難癖を付けさせてもられるなら、久しぶりの代表決定なんだから、スタンドに向いてやってあげても良かったんじゃないかなぁ、などと。


第91回都市対抗野球大会、中国地区からは「鋼の強脚(あし)」三菱自動車倉敷オーシャンズ、そして「理想の翼」三菱重工広島硬式野球部(航空機も作ってます)が東京ドームに挑みます。


中国地区代表チームからは1979年の三菱重工広島以来、優勝チームが出ていません。三菱重工広島が最後の栄冠に輝くか、倉敷オーシャンズが快進撃を「魅せる」か。他地区予選に負けない激戦を勝ち抜いた両チームの健闘をお祈りいたします。あわよくば、優勝決定戦で再戦を。
2020.10.09 / Top↑
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