2020年になりましたが、取り立てておめでたいわけでもなく、日々穏やかに過ごしております。もっとも、変化のない粛々とした日々が一番いいんではないかと思う今日この頃、思い切ってとある「行」に出てきました。とは言うものの、昨年から地味に準備をしておったんではありますが。

名神高速道路の開通で夜明けを迎えた「長距離路線バス」。現在では昼夜を問わず、日本中の高速道路を走り回り、路線によっては2台、3台と連なって走る便もごく当たり前になりつつあります。

私も、大阪~東京はもとより、大阪を起点に色々な方面に向かうバスに多数乗車して来ましたが、どうしても(と言うかなかなか難しい)乗れない、東京発の長距離路線バスに乗車してきました。

はかた号

※以下、北海道テレビ「水曜どうでしょう」の内容をご存じの方は、ここからしばらくの文言を、番組のナレーション担当・藤村忠寿ディレクターの声で脳内再生していただければこれ幸いです。



特別企画「大阪→東京→博多→大阪 二泊三日 高速バスだけの旅」

己を犠牲にし、フォロワーの皆さんがもっとも見たがっているであろう(そんな事はないな)、中の人のやられっぷりを、ストレートにお見せしようと言う、小細工なしのやられ自慢な企画である。

では、そのルートを説明しよう。

記念式典(何の)終了後の07:40、まずは1本目、湊町バスターミナル発東京駅日本橋口行の「グラン昼特急6号」に乗車。9時間15分後の夕刻16:55に東京駅日本橋口着。その後、夕食を摂った後、2本目、新宿発21:00のキングオブ深夜バス「はかた号」で一路九州へ向かう。

14時間17分後の翌木曜日、午前11時17分に博多駅交通センター着。その後、福岡市内で昼食を摂った後、いよいよ3本目、15:00発の「広福ライナー」で広島バスセンターに向かう。4時間32分後の19時32分、広島市内到着。夕食を摂った後「グランドリーム大阪号」で大阪へ。

全てのルートに於いて、ディレクター陣(どこの誰)は、別に用意したドライバー付きの車でバスを追走。各サービスエリアで、つぶさに中の人のやられ度合いを皆様にご報告する(していらん)。

移動距離は4本トータルで約2320km、乗車時間はなんと、35時間12分。前人未到の高速バス地獄で、果たして中の人はどうなってしまうのか。今、もっともフォロワーさんの好奇心をくすぐる企画が、スタートする。



北海道テレビ放送(HTB)の深夜番組「水曜どうでしょう」にて、その存在がクローズアップされた、東京~博多間の夜行バス(番組内では「深夜バス」の表記)。東京・新宿「バスタ新宿」より「博多駅交通センター」に向かう路線。走行距離は約1097km、所要時間は14時間17分。

現在では、ほぼ同一区間にツアーバスがあり、また頻繁に「どうでしょう」に登場していた頃とは経由地も変わり(放送当時は新宿より中央自動車道経由、現在は新東名高速道路他経由)、車種も変わりましたが、やはり「キング・オブ・深夜バス」と言えばこの「はかた号」ではないでしょうか。

で、関西在住の人間がこの「はかた号」に乗ろうと思ったら、必然的に東京・新宿もしくは福岡・博多まで出ねばいかんのですが、新幹線でちゃっちゃと行ってしまったんではあまりにもつまらないし、ネタにすらならぬわ、と言う事で、東京まで高速バス「東海道昼特急」を使用しました。

以下、本日より三部に分けて、丸2日ほぼ48時間、乗車するバス4本、時刻表上の乗車時間の合計35時間12分、インターネット地図上の総移動距離約2320kmの全記録をお送りします。




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おはようございます毎度お馴染み南海高野線初芝駅。雨が降ってました。行程としてはほぼ屋根の下なのであまり関係ないですが、強かったので傘持参。果たしてこの後活躍の場はあるのかどうか。

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南海電鉄難波駅。ここからはいつも通りの徒歩で「湊町バスターミナル(OCAT)」へ。

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湊町バスターミナル、俗に言う「大阪シティエアターミナル(OCAT)」。その名の通り、開業当初は空港でやってる搭乗手続きもやってたそうですが、利用者が少ない為に廃止。地下にあるJR難波駅から発車していた関空快速も廃止となり、空港はあまり関係なくなったような気もします。

そして乗車する「先頭バッター」は、07:40発。

グラン昼特急 6号

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何種類かある「東海道昼特急」系列のうち、夜行バス「グランドリーム号」の車両を使用した便はこの名前が付いています。終点の東京駅日本橋口到着予定時刻は夕刻16:55。走行距離はインターネット上の経路検索その他でおおよそ510km。これだけでもたいがいの距離ではあります。

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車内は夜行便に使用される車両ゆえ、当然3列シートです。クレイドル(ゆりかご、の意)シートと言う名前が付いています。リクライニングは138度まで倒せるそうですが、昼行便ではあまり関係ないかな。そしてこれも、最近では当たり前になりつつありますが「コンセント」もあります。

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参加者全員での番組オープニング曲の斉唱もなく、ましてやテープカットや植樹もなく、ヒゲを生やしたディレクターの詳細説明もないまま(この辺は「水曜どうでしょう 5周年記念特別企画」で検索)定刻07:40発車。過去色んな所へ出掛けてますが「雨のスタート」は記憶にありません。

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約22分かけて、最初の乗車のみの停留所「大阪駅JR高速バスターミナル」到着。ほとんどの昼特急はここが起点、終点となっています。発車は08:10。ここで座席は7割ほど埋まりました。

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名神吹田入口を通過する頃、ようやく雨も上がり、雲の切れ間から青空が見えるようになりました。

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昼特急京都府下唯一の停留所でもある京都深草(正式名称は深草バスストップ)。京阪電鉄本線藤森駅の西方徒歩約10分の所にあります。京都駅を経由しない昼行・夜行高速バスが多数停車します。

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途中、草津ジャンクションから「新名神高速道路」に入ります。

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09:45。最初の休憩は、滋賀県甲賀市街地が見下ろせる甲南パーキングエリア。ここで20分間の下車休憩。普通ならこう言う所で地元名産の食べ物を買ったりするんですが、私の場合、色々目移りして、結局はトイレに行ってちょっと一服しておしまい、になってしまう事が多々あります。

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バスの旅って、高速道路に乗ってしまえば、最前列席に座らん限りは、ほとんどが防音壁とのにらめっこになりがちですが、たまに追い抜く大型トラックのナンバープレートを眺めるのも一興。北九州や宮崎ナンバーだと「えらい遠くからご苦労様です」などと思ったりもします。ある種の醍醐味。

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新名神高速道路四日市ジャンクションより、伊勢湾岸自動車道へ。10:52、揖斐川・木曽川を渡っていよいよ愛知県へ。これでもまだ行程の半分も行ってません。

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11:58。一旦、三ヶ日インターチェンジを出て、JRバス関東東京支店三ヶ日営業所、ならびに西日本ジェイアールバス三ヶ日宿泊所のある、JA三ヶ日特産センターに向かいます。ここで西日本ジェイアールバスの乗務員からJRバス関東東京支店の乗務員に交代となります。

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12:10、二回目の解放休憩は静岡県浜松市にある、浜名湖サービスエリアにて15分間。浜名湖の景観を考慮してか、上下線共同のサービスエリアになっています。雨上がりですが、さほど風も冷たくなく、快適そのもの。次の停留所・東名浜松北は下車する方はゼロの為通過となりました。

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さらには東名静岡、東名富士、東名御殿場の各停留所も通過となりました。普段は利用者があるんですかね。で、この辺りまで来ると、朝の豪雨が一体何だったのかと思うような快晴になりました。

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14:19、三回目の休憩は、ドリーム号の休憩でお馴染みの、静岡県御殿場市足柄サービスエリアで15分。下りのドリーム号で、真夜中にしか来たことがないので、この時間に降り立つのは新鮮。しかしながら期待した富士山は、足柄の前後を含め、まともに撮れずじまいに終わりました。

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そして、東名厚木・東名大和・東名江田・東名向ヶ丘、更に池尻大橋でも降車客がないと言うことで「ルート変更」。いきなり地下の首都高速道路を走り、トンネルを抜けるとそこは初台交差点。

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かなりの安全運転(是本当)だったにもかかわらず、たいした渋滞にも引っ掛からぬまま、30分早着のジャスト16:00、バスタ新宿(新宿駅新南口)到着。以外にも降りる人は少なめでした。

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東京の夕刻

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16:28。到着予定時刻よりも27分早く、東京駅日本橋口到着。下車する人ばかりなんで、多少早く着いた所で何ら問題はないかと思われます。ここからしばし山手線を3/4周して時間潰し。

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出発をグラン昼特急6号にしたお陰で、はかた号出発までわりと時間がある、夕食だけはしっかり取っておきたいと言う事で、年に一回は必ずお邪魔させていただいてる、五反田なる「本格お好み焼きと広島地酒の店 ほじゃひ」へ。東京くんだりまで来てここだけは絶対にに外してはいけません。

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以前は東京まで来ても「さて、何を食うたらええもんかいね」と思案したもんですが、「ほじゃひ」が出来てからはそんな心配はなくなりました。広島・地蔵通りの「貴家。」直伝のお好み焼きはやはり絶品。店主・疋田多賀志氏自ら足を運んで買い付けてくる広島地酒もたまりません。

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ひとしきり飲み食いして、がっつりと腹ごしらえをした所で、山手線五反田駅より新宿駅、そして新宿高速バスターミナル「バスタ新宿」へ向かいます。待ち受けるは「キングオブキングス」です。

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バスタ新宿へ続く・・・・・!
2020.01.11 / Top↑
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