



第45回社会人野球日本選手権大会も無事、最終日の優勝決定戦を迎える事が出来ました。




個人的には、応援していた中国地区勢が3チームとも初戦敗退となってしまいましたが、出場する32チームどこも、野球の実力差はないと思っています。差があるとすれば「頂点への執念」かと。




社会人野球の選手の背中には、家族・部署の同僚・上司・先輩後輩、応援団やファン、色々な思いがのし掛かっていると考えてます。時にはそれが力になり、プレッシャーにもなるでしょう。




それらを力に変え、勝ち進んだ2チームのみが許される優勝決定戦の舞台。アホみたいに午前中から入場列に並びましたが、私以外にもアホな人はもっとたくさんおられました。もう11月なので、風は強く冷たかったですが、絶好の野球観戦日和になりました。




相対するのは、日本生命硬式野球部と、大阪ガス硬式野球部。


















近畿地区でしのぎを削り合い、切磋琢磨を繰り返し、時には都市対抗野球大会で選手を派遣しあった仲でもあり、過去の戦績を鑑みても、近畿地区のツートップと言っても過言ではないはず。互いに手の内も知り尽くしているでしょうし、選手同士どんな「人」かすら熟知しているでしょう。


















そしてここ京セラドーム大阪での、今年最後の日本野球連盟主催の大会が、近畿地区勢同士の試合と言うのもまた感慨深し。単独チームで争われる社会人野球日本選手権。両チームの充実度が伺えます。


















先にも記したように、中国地区勢3チームの敗退は残念でしたが、普段から色んな野球場、また公式戦、オープン戦で見慣れた、近畿地区のチーム同士の優勝決定戦と言うのもまた楽しみ。実に不思議なもんで、すごく穏やかな気持ちで観戦する事が出来ました。


















日本生命が勝てば、4年ぶり4回目の優勝、大阪ガスが勝てば悲願の初優勝。どちらの執念、どちらの気魄が上回るか。雰囲気的には京セラドーム大阪ゆえ、近畿地区第一代表決定戦ですが、この試合は紛れもなく、社会人野球日本選手権大会優勝決定戦です。



さすがに優勝決定戦。応援リハーサルにも力が入ります。








そしてエール交換。不適切な表現かも知れませんが、これは相手チームへのエールであるとともに、仁義であり、宣戦布告、とも思ってますが如何でしょうか。




スターティングオーダー
先攻:大阪ガス
1(三)青柳 匠 (金光学園高校~亜細亜大学)
2(遊)小深田大翔(神戸国際大学付属高校~近畿大学)
3(二)峰下智弘 (佐賀学園高校~近畿大学)
4(指)土井翔平 (智辧学園高校~法政大学)
5(左)古川昂樹 (立命館大学宇治高校~立命館大学)
6(一)花本太紀 (東大阪大学柏原高校~創価大学)
7(中)大谷幸宏 (大垣北高校~同志社大学)
8(捕)松谷竜暉 (報徳学園高校~筑波大学)
9(右)宮崎一斗 (帝京大学第三高校~亜細亜大学)












投:阪本大樹 (履正社高校~関西大学)
後攻:日本生命
1(二)多田桐吾 (明徳義塾高校~関西大学)
2(中)福冨 裕 (慶應義塾高校~慶應義塾大学)
3(三)原田拓実 (天理高校~立正大学)
4(左)越智達矢 (丹原高校~明治大学)
5(指)皆川 仁 (学校法人石川高校~立正大学)
6(右)上西主起 (県立和歌山商業高校~中部学院大学)
7(一)廣本拓也 (浪速高校~法政大学)
8(捕)古川昌平 (大阪産業大学付属高校~愛知学院大学)
9(遊)伊藤ヴィットル(本庄第一高校~共栄大学)








投:本田洋平 (愛知高校~愛知学院大学)
審判員




球審:野口敏行 一塁:和田拓也 二塁:中西良太 三塁:小林憲央
成績
1回表




青柳 フルカウントから6球目を空振り三振




小深田 2-2から5球目を打ってレフトフライ




峰下 1-2から4球目を打ってサードゴロ
1回裏








多田 2-1から4球目を打ってショートゴロ
福冨 初球を打ってライトフライ








原田 1-2から4球目を打ってセカンドゴロ
2回表




土井 フルカウントから6球目を選んでフォアボール



次打者古川の5球目(ボール)にファーストランナー土井セカンド盗塁成功




古川 フルカウントから6球目を見逃し三振




花本 1-0から2球目を打ってライト前ヒット




大谷 1-1から3球目を打ってライトフライ




松谷 2-2から6球目を打ってセカンドタイムリー内野安打



日本生命0‐1大阪ガス



※ここで日本生命ベンチは「三者面談」




宮崎 フルカウントから6球目を打ってレフト前タイムリーヒット


日本生命0‐2大阪ガス









セカンドランナーランナー松谷はホームタッチアウト
2回裏








越智 1-2から4球目を打ってショートゴロ








皆川 2-2から5球目を打ってショートファウルフライ




上西 1-2から4球目を打ってライトフライ




3回表
日本生命選手交代












ピッチャー本田に代えて高橋拓巳(前橋育英高校~桐蔭横浜大学)




青柳 1-2から4球目を空振り三振




小深田 1-2から4球目を打ってピッチャー内野安打




峰下 初球を打ってレフトへツーベースヒット








ファーストランナー小深田はサードへ




土井 1-0から2球目を打ってライトへ犠牲フライ



日本生命0‐3大阪ガス








古川 3-0から4球目を打ってセカンドゴロ
3回裏




廣本 0-1から2球目を打ってライトフライ




古川 2-1から4球目を打ってライトフライ




ヴィットル 0-2から3球目がデッドボール
多田 0-1から2球目を打ってセカンドゴロ



4回表




花本 1-1から3球目を打ってセンター前ヒット




大谷 1-2から4球目を見逃し三振




松谷 初球を打ってライトフライ






次打者宮崎の初球(ストライク)にファーストランナー花本セカンド盗塁成功




宮崎 1-2から4球目を打ってレフトファウルフライ
4回裏




福冨 フルカウントから8球目を選んでフォアボール








原田 2-2から7球目を打ってファーストゴロ ファーストランナー福冨はセカンドへ




越智 初球を打ってセンターフライ



セカンドランナー福冨はサードへ







皆川 初球を打ってライト前タイムリーヒット



日本生命1‐3大阪ガス
上西 1-0から2球目を打ってセンターフライ




5回表
日本生命選手交代












ピッチャー高橋拓巳に代えて阿部翔太(酒田南高校~成美大学)
青柳 初球を打ってショートゴロ




小深田 1-2から4球目を打ってショートゴロ




峰下 2-1から4球目を打ってショートファウルフライ
5回裏




廣本 1-0から2球目を打って左中間へヒット




古川 0-2から3球目を空振り三振




ヴィットル 0-1から2球目を打ってライト前ヒット
多田 2-2から6球目を打ってショートフライ
次打者福冨の6球目前にセカンドへ牽制悪送球でセカンドランナー廣本はサードへ




福冨 フルカウントから6球目を選んでフォアボール




原田 初球を打ってセカンドゴロ













6回表




土井 初球デッドボール




古川 初球をファースト前送りバント




花本 1-2から4球目を空振り三振










大谷 初球を打ってセンターオーバータイムリースリーベースヒット



日本生命1‐4大阪ガス




松谷 初球を打ってサードファウルフライ



6回裏




越智 1-2から4球目を打ってショートゴロ




皆川 1-2から4球目を打ってライト前ヒット
上西 2-2から5球目を空振り三振




廣本 初球を打ってセンター前ヒット




古川 初球を打ってセンターフライ








7回表




宮崎 1-2から4球目を空振り三振




青柳 1-2から5球目を打ってレフトフライ
小深田 1-2から5球目を打ってレフトフライ


7回裏




ヴィットル 1-1から3球目を打ってライトフライ






多田 1-2から4球目を打ってセカンドゴロ




福冨 0-1から2球目を打ってファーストファウルフライ






8回表




峰下 1-2から4球目を打ってセカンドゴロ




土井 2-0から3球目を打ってレフトフライ












古川 初球を打って左中間へツーベースヒット




花本 3-1から5球目を選んでフォアボール




大谷 1-2から4球目を空振り三振




8回裏
原田 初球を打ってセカンド内野安打




越智 初球を打ってセンターフライ








皆川 0-1から2球目を打ってセカンドゴロダブルプレイ






9回表




松谷 1-2から4球目を見逃し三振




宮崎 1-2から4球目を打ってセンターフライ




青柳 0-1から2球目を打ってセンター前ヒット
小深田 1-2から5球目を空振り三振
9回裏
上西 初球を打ってライトフライ








廣本 1-2から6球目を打ってライトフライ








古川 0-1から2球目を打って右中間へツーベースヒット








ヴィットル 1-1から3球目を打ってピッチャーゴロ











大阪ガス硬式野球部、社会人野球日本選手権、念願悲願の初優勝!おめでとうございます!




大阪ガス
021 001 000 4
000 100 000 1
日本生命




昨年は都市対抗野球大会で、そして今年は社会人野球日本選手権で、言わば「二年連続日本一」。日本生命がなし得た「夏秋連覇」も難しいとは思いますが、これもまたある種の偉業かと思います。




今大会は残念ながらこの試合しか観戦出来ませんでしたが、日頃からのオープン戦等を見てても、投打共に戦力の充実っぷりは半端なかったです。どんなスタメンを組んでも同じような試合展開。誰が出場しようが安定した戦いっぷり。これはどのチームもなかなか真似は出来ないでしょう。




4番にどっかり座る土井翔平選手の圧倒的な存在感。それは前後を打つ選手に安心感を与え、そして相手ピッチャーに過剰なるプレッシャーを与え、それがチーム力の底上げに繋がったんだと思います。




ピッチャー陣も、大黒柱になった阪本投手に任せる試合は任せ、他の試合は登板出来るピッチャー陣全員でつなぐ。完投能力のあるピッチャーってのはどのチームも1人、よくて2人しかいないでしょう。それでも全国の頂点に立てる、と言うのを知らしめた。本当に強いチームだと思います。




そして今年も、NPBに選手を送り出す事となり、これで4年連続になりました。素晴らしい事ですよ。それだけスカウト活動に力を入れ、短い時間で選手を鍛え上げ、戦力にしつつ全国大会で勝ち上がる。おいそれと真似出来ない、長きに渡って築き上げた土壌みたいなモノをひしひしと感じます。




思い返せば2年前の、第88回都市対抗野球大会近畿地区二次予選第五代表決定戦。三菱重工神戸・高砂に僅差で敗れ、本選出場を逃し、試合終了後の応援スタンドへの挨拶で、最後まで頭を上げなかった青柳匠主将(当時)の姿が忘れられません。社会人野球の楽しみを教えてくれたのがJR西日本なら、厳しさを教えてくれたのが大阪ガスでした。




ゆえにこの初優勝は、本当に嬉しいです。今後とも「強い大阪ガス」でいて欲しいと思っています。




また来年も、幾度となく足を運ぶことになるであろう、大阪ガス今津グラウンド。大好きな野球場です。来年もよい年でありますように。そして今後とも、よろしくお願いいたします。
表彰式・と言うか閉会式




選手整列の際に流されていたのが、日本野球連盟70周年、都市対抗野球大会90回を記念して制作された「我街の誇り」。良いタイミングで、いい歌ができたものです。



表彰状を受け取る大阪ガス・橋口博一監督。




日本選手権優勝の証・ダイヤモンド旗を受け取る峰下智弘主将。


佐伯達夫杯を受け取る古川昂樹選手。


大阪市長杯を受け取る土居翔平選手。


ユニフォームの袖に付ける事が出来る「エンブレム」を受け取るのは、浅田泰斗選手。


ダイヤモンド旗を模した「チャンピオンフラッグ」うを受け取るのは緒方悠投手。


準優勝の日本生命には「準優勝杯」が贈られます。この他、両チームには「大阪シティドーム賞」が贈られます。中身は何なのか気になるところです。








さらに、両チームにはメダルが贈られます。もちろんチームマスコットの方にも。


どうも「かけられ方」がお気に召さない方が多かったらしく、自分でかけ直す選手の姿も。


そして個人表彰。最高殊勲選手はこの人しかないでしょう。大阪ガス・阪本大樹投手。




準優勝チームから選ばれる「敢闘賞」は、日本生命・廣本拓也選手。同時に首位打者賞(成績は15打数10安打)も受賞。


勝利に大きく貢献したバッティングを見せた選手に贈られる「打撃賞」は大阪ガス・古川昂樹選手。




大会実行委員長・古市健氏の「閉会挨拶」、続いて日本野球連盟・清野智氏の「シーズン終了のお礼」。プロ野球とは違い「一番偉い人」が、シーズン最後にこうやって出てきて挨拶をするのも、社会人野球の良いところ。そして、事前に用意されたものとは言え、ナマの声を聞けるのが、社会人野球日本選手権大会閉会式の楽しみでもあります。プロ野球のコミッショナーは何してるのかな。






選手退場。


応援団とともに「記念撮影」。






解散後はダッグアウトにて、お偉いさんの言葉を。そろそろ各種カップが重くなってきた頃か。








最後はいつものように、全選手で円陣。ちょっとだけ違うのはチームマスコットも「加わってる所。














円陣が解けた後は各自(?)ダイヤモンド旗を手に取って記念撮影。どう考えてもインスタグラム用、てのが丸分かり。などと言うことを言ってはダメなのです。




第45回社会人野球日本選手権大会は無事幕を閉じました。どこに座るか思案し、結局一塁側にしましたが、近畿勢同士の試合と言う事で、ものすごく穏やかに観戦する事が出来ました。
そして、大阪ガス硬式野球部の初優勝。何となく、ほっこりとした終わり方になりました。来年の日本選手権は、東京オリンピックの影響で変則日程。(おそらく一回戦が全試合)ほっともっとフィールド神戸と京セラドーム大阪での開催になります。8か月もすると、また熱い戦いがここに帰ってきます。
2019.11.05 / Top↑
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