

第90回都市対抗野球大会中国地区二次予選最後の戦い。第二代表決定戦です。いわゆる「負け残り敗者復活戦」ではありますが、代表切符が残っている以上、この試合はあくまでも代表決定戦です。


まずは一塁側、シティライト岡山。












過去には幾度となく広島県勢と激闘を繰り広げ、乗り越えるべき強大なる「壁」として君臨してきた過去の11年間。特にJR西日本硬式野球部にとっては毎年の関門とも言えるチームになりました。












創部12年目の今年は、チームの目標を、全国大会出場からさらに高く「ベスト8」に掲げて臨み、この試合が通算13回目の、勝利の女神へのプロポーズ。大願成就の日は果たして訪れるのか。


そして三塁側・三菱重工広島。












崖っぷち、と言う表現はもしかしたら不釣り合いかも知れませんがあとのない第二代表決定戦、そして対戦相手が相手だけに、試合前のベンチ周辺ははどことなく重苦しい空気すら漂っていました。












プロ野球選手の年齢で言えば、中堅付近の選手、そしてチームの過去の実績を鑑みても恐れるに足らず、のはずなんですが、これが都市対抗野球大会に漂うプレッシャーなんだ、とも思います。
スターティングオーダー
先攻:広島市・三菱重工広島
1(左)汐月祐太郎(熊本高校~筑波大学)
2(遊)田中友博 (享栄高校~愛知学院大学)
3(右)実政太一 (如水館高校)
4(一)國本剛志 (近畿大学福山高校~近畿大学)
5(二)松永弘樹 (広陵高校~早稲田大学)
6(指)山本祐大 (松山商業高校~駒澤大学)
7(中)青木拓巳 (関西大学北陽高校~関西大学)
8(三)田ノ窪泰基(呉豊栄高校~近畿大学工学部)
9(捕)佐々木駿 (桐光学園高校~國學院大学)
投:本間大暉 (埼玉栄高校~専修大学)
後攻:岡山市・シティライト岡山
1(右)谷 雄太 (大阪産業大学付属高校~関西学院大学)
2(中)丸山高明 (玉野光南高校~亜細亜大学)
3(左)岩重章仁 (延岡学園高校)
4(指)小竹一樹 (青森山田高校~日本橋学館大学)
5(一)瀬戸口麗 (市立和歌山高校)
6(捕)妹尾 蓮 (興譲館高校~中央大学)
7(遊)岩城祥太 (瀬戸内高校)
8(三)五十嵐一朗(静岡学園高校~上武大学)
9(二)北川平剛 (甲南高校~関西大学)












投:児山祐斗 (関西高校~東京ヤクルトスワローズ)
審判員
球審:橘 一塁:井上 二塁:初田 三塁:品川
成績
1回表~5回裏終了まで動画です。
1回表




汐月 1-1から3球目を打ってライトフライ




田中 初球デッドボール




実政 フルカウントから7球目を打ってファーストゴロ




國本 1-0から2球目を打ってショートゴロ
1回裏




谷 フルカウントから9球目を選んでフォアボール




丸山 1-1から3球目をピッチャー前送りバント




岩重 1-2から4球目を空振り三振




小竹 ストレートのフォアボール




瀬戸口 2-2から6球目を空振り三振






2回表




松永 フルカウントから6球目を選んでフォアボール




山本 2-2から5球目を空振り三振




青木 0-1から2球目を打ってセカンドゴロダブルプレイ



2回裏




妹尾 2-1から4球目を打ってピッチャーゴロ




岩城 0-1から2球目を打ってセンターフライ




五十嵐 2-2から5球目を見逃し三振



3回表




田ノ窪 1-2から4球目を打ってセンター前ヒット




佐々木 1-0から2球目をピッチャー前送りバント




汐月 2-0から3球目を打ってセンター前ヒット




田中 フルカウントから6球目を打ってショートゴロ






サードランナー田ノ窪ホームタッチアウト




実政 初球を打ってセカンドタイムリー内野安打









シティライト岡山0-1三菱重工広島



次打者國本の6球目前にダブルスチール敢行もサードランナー挟まれタッチアウト
3回裏




北川 2-2から6球目を打ってセンターフライ




谷 2-2から7球目を打ってサードファウルフライ




丸山 フルカウントから7球目を空振り三振






4回表




國本 1-1から3球目を打ってショートゴロ




松永 1-2から4球目を打ってセンターフライ




山本 2-1から4球目を打ってサードゴロ
4回裏




岩重 1-2から4球目を打ってレフトフライ








小竹 2-0から3球目を打ってライトオーバーツーベースヒット




瀬戸口 フルカウントから6球目を打ってライト前ヒット






次打者妹尾2球目スクイズ失敗空振りサードランナー岩重飛び出しタッチアウト




妹尾 フルカウントから6球目を打ってセカンドゴロ









5回表
青木 3-1から5球目を打ってレフトファウルフライ
田ノ窪 1-2から4球目を打ってライトフライ
佐々木 フルカウントから8球目を選んでフォアボール
汐月 2-2から5球目を打ってライト前ヒット




田中 1-2から4球目を打ってピッチャーゴロ
5回裏
岩城 1-2から5球目を打ってセンターフライ
五十嵐 1-2から5球目を空振り三振
北川 1-1から3球目を打ってファーストゴロ
6回表~試合終了後の表彰式まで入っています。
6回表
実政 2-2から5球目を見逃し三振
國本 初球を打ってセンターフライ
松永 0-1から2球目を打ってサードゴロ
6回裏




谷 2-1から4球目を打ってセカンドゴロ
丸山 2-2から5球目を空振り三振




岩重 1-2から4球目を空振り三振
7回表




山本 初球を打ってセンターフライ




青木 1-1から3球目を打ってセカンドゴロ




田ノ窪 初球を打ってレフト前ヒット




佐々木 2-2から5球目を打ってショートゴロ
7回裏




小竹 2-1から4球目を打ってセンターフライ
瀬戸口 初球を打ってサードゴロ
妹尾 1-2から4球目を打ってショートゴロ捕球エラー




岩城 0-1から2球目を打ってレフト前ヒット



三菱重工広島選手交代








ピッチャー本間に代えて伊藤一輝(中京大学付属中京高校~中京大学)




五十嵐の代打坂口湧希(神村学園高校~福岡大学) 1-0から2球目を打ってライト前タイムリーヒット









シティライト岡山1-1三菱重工広島



選手交代












ピッチャー伊藤に代えて川本哲也(竹原高校~MSH医療専門学校)




北川の代打原の代打佐々木良輔(福山工業高校~MSH医療専門学校) 1-1から3球目を打ってライト前タイムリーヒット






シティライト岡山3-1三菱重工広島
次打者谷の3球目(ボール)にファーストランナー佐々木良セカンド盗塁失敗
8回表
シティライト岡山選手交代
代打坂口に代えてサード藤本恭平(山口県鴻城高校~吉備国際大学)
代打佐々木良に代えてセカンド菅元隆斗(PL学園高校~徳山大学)
汐月 2-2から5球目を打ってセンター前ヒット




田中 0-1から2球目を打ってライト前ヒット




実政 フルカウントから6球目を打ってショートゴロサードフォースアウト



國本 0-1から2球目を打ってファーストファウルフライ
松永 3-1から5球目を選んでフォアボール




山本の代打渕上大地(日本福祉大学) 2-1から4球目を打ってセカンドゴロ



8回裏
三菱重工広島選手交代












ピッチャー川本に代えて鮫島優樹(神村学園高等部~MSH医療専門学校)
谷 2-2から5球目を打ってファーストフライ
丸山 1-2から4球目を見逃し三振
岩重 2-2から5球目を打ってライトフライ
9回表






もうこの辺りになると、ベンチ周辺はソワソワ。ワンアウトごとに立ち上がる選手が増え、ベンチに待機していたピッチャー陣もベンチに帰ってくる。応援席はザワザワしながら紙テープの用意。
青木 1-2から4球目を打ってレフトフライ
田ノ窪 2-1から4球目を打ってセカンドフライ
佐々木 1-1から3球目を打ってライトへツーベースヒット
汐月 ストレートのフォアボール




田中 2-0から3球目を打ってセンター前タイムリーヒット



シティライト岡山3-2三菱重工広島
実政の代打井口晴樹(四日市工高校~愛知工業大学) 2-2から5球目を見逃し三振
























シティライト岡山硬式野球部、創部12年目、悲願念願の都市対抗野球大会本選出場、本当におめでとうございます!
広島市・三菱重工広島
001 000 001 2
000 000 30X 3
岡山市・シティライト岡山















ついに、中国地区最強の三番手チームが、その分厚き壁をぶち破り、初めて東京ドームへ駒を進めました。しかも広島県の、JR西日本、そして三菱重工広島と言う「両横綱」を連破しての悲願達成。










近い将来、都市対抗野球大会なり社会人野球日本選手権に、確実に初出場を決めるだろうと常々思ってましたが、その過程の2試合を今年、両方とも観戦出来る事になろうとは思いませんでした。








代表決定戦に進出する事、過去に12回とも。いずれも中国地区予選最後の二日間のいずれかで負けてしまい、後一歩、どころかあと半歩、届きそうで届かなかった全国大会への道が、ようやく開けました。勝利の女神への、13回目のプロポーズがようやく実った、とでも申しましょうか。

思えば会社の、今年の野球部に対する力の入れようは半端ではなかったようにも思います。好きな名前を入れる事の出来るレプリカユニフォームの販売なんかその積極姿勢の表れ。先の西日本豪雨で、営業所も甚大な被害を被ったそうですが、まさに自ら、災い転じて福とした、福に変えた形。










実際、自分の名前を入れたユニフォームを着た方も多かったです。まだまだ、関係者など、身内だけのアレかも知れませんが、外部にアピールするには十分のアイテム。「見られること」に対する意識改革は、ツネイシブルーパイレーツに通じるものがありと思います。










第二だろうがなんだろうが、中国地区の代表です。しかも最後は広島県の両横綱を降しての代表決定。二日間積み重ねた悔しさと同じくらい「やっと全国大会に出てくれた」と言う安堵感みたいなのもあります。重ね重ね、都市対抗野球大会初出場、おめでとうございます!


そして、敗けてしまった三菱重工広島。それどころか今年は、都市対抗野球大会のプログラムに「広島市」の文字が載らない、と言う事になりました。ここ数年、三菱重工広島かJR西日本のいずれかが出場していたように思うので、少し寂しい気持ちがありますがこれは仕方ありません。三菱重工広島硬式野球部は強いです。ただ今年は、それ以上に強いチームが出てきた、と言う事。


ただ、勝ち続ける事の難しさもあるはず。敗戦が糧になることも多々あります。勝て、と言うのは簡単です。しかしながらその裏には、フェンスのこちら側の人間が想像出来ない、尋常ならざる努力があることも忘れてはいけない。フェンスの向こう側にいる人達はみなスーパースターなんです。


そして中国地区の社会人野球は、三菱重工広島、JR西日本、JFE西日本、伯和ビクトリーズの「広島県四天王」に、シティライト岡山が加わり、「5強」時代の幕が開いたように感じます。


都市対抗野球大会、社会人野球日本選手権対象大会や最終予選、JABA岡山大会など、今年の秋以降この先の中国地区代表争いその他公式戦は、これまで以上にヒートアップする事になるでしょうし、まだまだ面白くなると思います。楽しみは増える一方です。
2019.06.05 / Top↑
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