

桜の花も、先週末の強風と雨でものの見事に散ってしまい、春も一段落した所で社会人野球では、都市対抗野球一次予選、そして日本選手権対象大会が始まったりと、観に行く方としては、どの試合を観戦に行くか頭を悩ます季節が始まります。観に行きたいチームが増えるとこれだから困るんです。


月曜日なのでプロ野球もなく、近隣でJABA公式戦もない中、私は、京都府久御山町にあるNTT西日本淀グラウンドに、NTT西日本対Honda鈴鹿のオープン戦を観戦に行ってきました。


今回はどちらのチームを重きに観戦するかと言いますと、Honda鈴鹿。






今年のHonda鈴鹿の話題と言えば、昨年限りで中日ドラゴンズを退団した古本武尊外野手の加入。近年はNPBを退団した選手の社会人野球部への加入が本当に増えています。一時は「国交断絶」みたいな事もありましたが、野球を続けられる、と言う部分ではよい事ではないでしょうか。






もちろん社会人野球ですから、社業優先になる事と思いますが、チーム自体のレベルアップ、と言う面では決して悪い事ではない。パナソニックの梶原康司監督みたいに、選手として加入後、監督にまでなられた方もおられます。トップレベルのノウハウが拡げられるのは本当に良い事と考えます。






さらにもう一つ。昨年まで関メディベースボール学院の監督をされていた井戸伸年さん(総監督であると同時に関メディベースボール学院の理事長!)が、今シーズンから「外部コーチ」として加入されています。どう言う経緯でここに至ったかまでは存じませぬが、関メディベースボール学院での選手育成のノウハウをHonda鈴鹿に注入するのか、企業チームのトップレベルの手法を関メディベースボール学院に持ち帰る事になるのか、Honda鈴鹿のチームの動向と共に、楽しみにしたいと思います。


そして、お迎えするNTT西日本






先の大阪府春季大会では、二回戦で凄まじく打ち込み、準決勝で壮絶に散ると言う、浮き沈みの激しい試合になってしまいましたが、あの大会は「試運転」と捉えればあんなものなのかな、と考えます。






大城卓三と言う主力バッター、そして扇の要が抜け、今後の攻撃陣その他に幾らかの不安もあろうかとは思いますが、その分期待の新加入選手もいます。まだ暫くは「磐石」ではないかなぁ。


NTT西日本はこの後、JABA長野県知事旗争奪大会、さらには京都大会に九州大会、Honda鈴鹿は日立市長杯選抜大会、ベーブ・ルース杯と、立て続けに社会人野球日本選手権対象大会に出場します。両チームとも、それらに向けての最終調整の段階。いかなる試合になりますことやら。
スターティングオーダー
先攻:NTT西日本
1(遊)伊東嵩基 (東大阪大学付属柏原高校~創価大学)
2(二)濱田祥伍 (日本体育大学荏原高校~富士大学)
3(三)仮谷優人 (履正社高校~龍谷大学)
4(指)中西純平 (青森山田高校~亜細亜大学)
5(中)中村篤人 (青森山田高校~亜細亜大学)
6(一)長田涼平 (柳ヶ浦高校~愛知学院大学)
7(左)石山励雄 (京都外国語大学付属西高校~創価大学)
8(捕)北崎寛明 (福岡高校~筑波大学)
9(右)景山拓也 (済美高校~東海大学)








投:濱崎浩大 (北海道栄高校~東日本国際大学)
後攻:honda鈴鹿
1(左)安慶名舜 (興南高校~法政大学)
2(中)中村 毅 (中京高校~亜細亜大学)
3(指)松本桃太郎(北海高校~仙台大学)
4(右)畔上 翔 (日本大学付属第三高校~法政大学)
5(三)石井 元 (履正社高校~明治大学)
6(一)庄司 輔 (修徳高校~國學院大学)
7(捕)柘植世那 (高崎健康福祉大学付属高崎高校)
8(遊)澤田昇吾 (金沢高校~國學院大学)
9(二)河津和也 (日本大学付属第三高校~立正大学)






投:瀧中暸太 (高島高校~龍谷大学)
打撃成績
1回表




伊東 1-2から5球目を空振り三振




濱田 初球を打ってレフトフライ




仮谷 2-2から5球目を見逃し三振
1回裏




安慶名 1-2から5球目を打ってファーストゴロ




中村 フルカウントから6球目を打ってレフト前ヒット




松本 0-1から2球目を打ってショートゴロダブルプレイ
2回表




中西 フルカウントから6球目を選んでフォアボール




中村 2-2から5球目を空振り三振 しかしファーストランナー中西セカンド盗塁成功




長田 2-1から4球目を打ってセカンドフライ




石山 1-0から2球目がデッドボール




北崎 フルカウントから6球目を選んでフォアボール




景山 1-2から4球目を見逃し三振
2回裏




畔上 2-1から4球目を打って右中間へツーベースヒット




石井 2-2から5球目を空振り三振




庄司 1-2から4球目を打ってレフト前ヒット
次打者柘植、3球目にスクイズ敢行も空振り、サードランナー畔上挟まれタッチアウト ファーストランナー庄司はサードへ




柘植 フルカウントから7球目を空振り三振
3回表




伊東 フルカウントから7球目を選んでフォアボール




濱田 フルカウントから6球目を選んでフォアボール




仮谷 0-1から2球目を打ってセンター前タイムリーヒット
Honda鈴鹿0―1NTT西日本




中西 2-1から4球目を打ってファーストゴロセカンドフォースアウト




中村 0-2から3球目を空振り三振
長田 1-0から2球目を打ってレフト前タイムリーヒット
Honda鈴鹿0―2NTT西日本
石山 初球を打ってライト前タイムリーヒット
Honda鈴鹿0―3NTT西日本
北崎 ストレートのフォアボール




景山 0-1から2球目を空振り三振
3回裏
澤田 フルカウントから6球目を打ってショートゴロ




河津 初球を打ってセカンドゴロ




安慶名 1-1から3球目を打ってライト前ヒット
次打者中村の2球目にファーストランナー安慶名セカンド盗塁成功




中村 1-0から2球目を打ってショートゴロ
4回表




伊東 2-1から4球目を打ってライト前ヒット




濱田 1-2から5球目を打ってライトファウルフライ
次打者仮谷の2球目にファーストランナー伊東セカンド盗塁成功
仮谷 2-2から6球目を空振り三振
中西 ストレートのフォアボール
次打者中村の2球目にワイルドピッチでセカンドランナー伊東はサードへ




中村 1-2から4球目がデッドボール
長田 1-2から4球目を打ってサードゴロ
4回裏




松本 初球を打ってファーストゴロ
畔上 フルカウントから6球目を打ってファーストゴロ
石井 2-2から7球目を空振り三振
5回表Honda鈴鹿選手交代








ピッチャー瀧中に代えて花城凪都(興南高校~中央大学)
キャッチャー柘植に代えて西川元気(浦和学院高校~東洋大学)
石山 1-2から4球目を打ってライト前ヒット
北崎 初球をピッチャー前送りバント
景山 2-2から6球目を打ってセカンドゴロ
伊東 3-1から5球目を選んでフォアボール
濱田 2-2から6球目を打ってピッチャーゴロ
5回裏
庄司 3-1から5球目を選んでフォアボール
次打者西川の初球(空振り)にファーストランナー庄司セカンド盗塁失敗
西川 0-2から3球目を打ってファーストゴロ
澤田の代打照屋塁(沖縄尚学高校~慶應義塾大学) 2-2から5球目を空振り三振
6回表
Honda鈴鹿シート変更
代打照屋がそのまま入りショート
仮谷 2-2から5球目を空振り三振
Honda鈴鹿選手交代








ピッチャー花城に代えて竹内諒(松阪高校~早稲田大学)
中西 1-0から2球目を打ってレフト前ヒット
中村 2-1から4球目を打ってレフトフライ
Honda鈴鹿選手交代








ピッチャー竹内に代えて柳澤一輝(広陵高校~早稲田大学)
次打者長田の5球目前にファーストランナー中西牽制タッチアウト
6回裏
NTT西日本シート変更






ピッチャー浜崎に代えて吉元一彦(汎愛高校~大阪産業大学)




河津 初球を打ってセンターフライ
安慶名 0-2から3球目を空振り三振




中村 初球を打ってセンター前ヒット




松本 1-1から3球目を打ってファーストゴロ
7回表




長田 0-1から2球目を打ってセンター前ヒット




石山 1-0から2球目をピッチャー前送りバント




北崎 2-2から6球目を空振り三振
Honda鈴鹿選手交代








ピッチャー柳澤に代えて主島大虎(報徳学園高校)
次打者景山の初球前にボーク
景山 1-2から4球目を打ってショートフライ
7回裏




畔上 2-2から6球目を空振り三振
石井 フルカウントから8球目を見逃し三振




庄司 3-1から5球目を打ってセカンドゴロ
8回表
Honda鈴鹿選手交代








ピッチャー主島に代えて松本竜也(智辯学園高校)




伊東 2-2から5球目を空振り三振




濱田 0-2から5球目を空振り三振




仮谷 1-2から5球目を空振り三振
8回裏








西川の代打金子凌也(日本大学付属第三高校~法政大学) フルカウントから6球目を打ってライトへツーベースヒット




照屋 0-2から3球目を打ってセンターフライ




河津 初球を打ってレフト前タイムリーヒット
Honda鈴鹿1―3NTT西日本
次打者安慶名の2球目にファーストランナー河津セカンド盗塁失敗
安慶名 1-2から4球目を見逃し三振
9回表
Honda鈴鹿シート変更
代打金子がそのまま入りキャッチャー
中西 フルカウントから6球目を空振り三振
中村 2-1から4球目を打ってセカンドゴロ捕球エラー




長田 1-1から3球目を打ってショートゴロダブルプレイ
9回裏




中村 2-1から4球目を打ってセンター前ヒット
松本 2-0から3球目を打ってショートフライ
畔上 1-2から4球目を空振り三振








石井の代打古本武尊(福岡大学付属大壕高校~龍谷大学) 2-2から6球目を打ってセンターオーバーツーランホームラン
Honda鈴鹿3―3NTT西日本
庄司の代打大城戸匠理(寒川高校~法政大学) 初球を打ってレフトフライ
10回表 延長タイブレーク
※ノーアウト1、2塁より




石山 0-1から2球目をピッチャー前送りバント
北崎 ストレートのフォアボール




景山 1-2から4球目を空振り三振




伊東 フルカウントから6球目を見逃し三振
10回裏 延長タイブレーク
※ノーアウト1、2塁より




中村 初球を送りバント失敗サードフライ




松本 2-2から5球目を打ってセカンドゴロセカンドフォースアウト
畔上 申告敬遠




石井 2-2から5球目を打ってショートゴロ
NTT西日本
003 000 000 0 3
000 000 010 0 3
Honda鈴鹿
【バッテリー】
NTT西日本:浜崎・吉元―北崎
Honda鈴鹿:瀧中・花城・竹内・柳澤・主島・松本竜―柘植・西川・金子
【本塁打】Honda鈴鹿:古本武尊(9回裏 ツーラン 佃から)

過去に幾度となく、延長タイブレークの試合を観戦して来ましたが、今年度からシステムが変わったとは言え、まさかオープン戦で観る事になろうとは思ってませんでした。両チームとも大なり小なり公式戦を終えてますが、多数の公式戦に向けて経験しておこう、と言う事だったんでしょう。


そのせいか、通常のオープン戦と言えば、球審と一塁塁審は審判の方、それ以外は手すきの選手が両チームから一人ずつ選出される場合が多々ありますが、この試合では四氏審判。延長タイブレークは試合前に、NTT西日本のマネージャーの方がHonda鈴鹿ベンチを訪れて「同点の場合はやりますんでよろしくお願いします」みたいな感じだったかと記憶してます。合わせて先攻後攻も入れ替え。こう言うオプションがどの程度あるのかは分かりませんが、なかなか興味深いものを見せていただきました。


そしてやはり目立ったのは、今年からHonda鈴鹿に加入した古本武尊外野手。ドラゴンズ在籍の頃、春季教育リーグで特大のホームランを目の前で見ました。いずれはクリーンアップか、とか思ってましたが、結局一軍では2014年の3打席のみ。チーム事情あると思いますが、勿体無いなぁ、と。


ドラゴンズからは、一昨年に藤澤拓斗内野手がJR西日本へ転籍して不動のクリーンアップ。そして岩崎恭平内野手がオリックスバファローズを経て今シーズンから日立製作所野球部に加入、早くも成績を残しつつあります。こんな事を言うのも何ですが「安定のドラゴンズブランド」と言う所か。


古本外野手は甲元訓監督に請われての入社。加入後は怪我で少し出遅れてたそうですが、4月に発売された「GLAND SLAM」にもインタビューが掲載されていますが「プロで得た知識を伝えられるものは伝えたい」とか。プロであれアマチュアであれ、志半ばで野球から離れる選手も多い中、形はどうある現役を続ける場があるのは良いことと感じます。ドラゴンズで出来なかった事もあろうかと思いますが、とにかく怪我だけには十分に配慮して、一年でも長く選手生活を続けていただきたい、と心から願います。
2018.04.10 / Top↑
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