

月一回どころの話ではないくらい、ウエスタンリーグ観戦が減ってしまいました。だからと言ってカープを放ったらかしにしてたわけではないんですが、諸般の事情によりこうなってしまった次第であります。


さて、2017年シーズンのセントラルリーグは「無事」広島東洋カープが優勝を飾りましたが、この日の前日、26日に、ウエスタンリーグでも広島東洋カープがリーグ優勝を飾りました。最後まで競り合ったのはホークスでもタイガースでもなく、中日ドラゴンズ。一時は「どん底」に喘いでいましたが、小笠原道大二軍監督の方針がようやく定着してきたのかな、とも。一軍は知ったこっちゃありませんが。


で、阪神タイガース二軍は、早々に掛布雅之二軍監督の退任が発表されました。色々と、ホントかウソかわからんような記事にはなっていますが、そして裏にどんな事情があるのかまでは推測の域を出ませんが、せっかく良い感じで、経験の少ない選手が一軍で活躍出来るようになったのに、よそ様のことながらもったいない、とは思います。どっかアカンところ、あったんでしょうかね。


さらには今岡真訪二軍打撃兼野手総合コーチまでもが退団、と言う話もあり、二軍スタッフが今更ながら「超変革」を求められているような雰囲気。今後の組閣がどうなるかは分かりませんが、「総合コーチ」と言う肩書きである以上、次期監督候補、ではなかったのかなぁ。これまたもったいない話。


とまぁマイナス要素ばかり並んではいますが、それとは関係なくこの試合では、阪神タイガース・狩野恵輔、安藤優也が公式戦最後の出場。開門前に月刊タイガースの中の人と立ち話をさせていただきましたが、安藤優也はバッターひとりの登板、狩野恵輔がキャッチャー、とかなんとか。


そしてカープでは、現役引退を表明した江草仁貴が登板、とか。これもまたカープファン、タイガースファン双方から「ねぎらい」もあろうかと。いずれにしろ、試合の勝敗とは関係ない所で盛り沢山になる事は必至、かと思われます。そして、カープ・水本勝己二軍監督の胴上げはいつ行われるのか。

乞うご期待。
スターティングオーダー
先攻:広島東洋カープ
1(右)天谷宗一郎
2(遊)梵英心
3(左)堂林翔太
4(指)ブラッド・エルドレッド
5(三)美間優槻
6(中)高橋大樹
7(二)木村聡司
8(捕)船越涼太
9(一)青木陸






投:塹江敦哉
△まずカープのスターティングラインアップでどよめきが起こったのが「ショート・梵英心」。なーんと、今シーズン初のショートストップでのスタメン。一軍では2014年のクライマックスシリーズ・セ ファーストステージ以降、ショートの位置には立ってません。深い意味があるのかないのか。
後攻:阪神タイガース
1(遊)北条史也
2(右)エリック・キャンベル
3(左)陽川尚将
4(指)狩野恵輔
5(一)ジェイソン・ロジャース
6(三)今成亮太
7(中)板山祐太郎
8(捕)小宮山慎二
9(二)荒木郁也






投:ランディ・メッセンジャー
△タイガースの先発は、右脚腓骨の骨折からの復帰を目指すランディ・メッセンジャー。ファイターズからルイス・メンドーサを獲得したタイガースではありますが、彼がクライマックスシリーズに間に合うとなると驚異になるのは確か。そして注目の狩野恵輔は4番・指名打者。
審判員


球審:梅木 一塁:松本 三塁:今岡
打撃成績
1回表
天谷 1-0から2球目を打ってレフト前ヒット
次打者梵の2球目にファーストランナー天谷セカンド盗塁失敗



梵 フルカウントから11球目を選んでフォアボール



堂林 1-2から球目を打ってライトフライ
次打者エルドレッドの2球目にファーストランナー梵セカンド盗塁成功



エルドレッド フルカウントから6球目を選んでフォアボール
美間 初球を打ってライトフライ
1回裏
北条 1-2から4球目を打ってピッチャーゴロ
キャンベル 2-2から6球目を見逃し三振
陽川 1-0から2球目を打ってセカンドゴロ
2回表
高橋大 2-2から8球目を空振り三振
木村 2-1から4球目を打ってファーストゴロ
船越 初球を打ってショートゴロ
2回裏



狩野 0-1から2球目を打ってセカンドゴロ
ロジャース 1-0から2球目を打ってセンターフライ
今成 フルカウントから6球目を選んでフォアボール
板山 初球を打ってセカンドゴロ
3回表
阪神タイガース選手交代






ピッチャーメッセンジャーに代えて望月
青木 1-0から2球目を打ってショートフライ
天谷 2-2から5球目を打ってショートゴロ
梵 2-1から4球目を打ってライトフライ
3回裏
広島東洋カープ選手交代
ライト天谷に代えて下水流昂



小宮山 フルカウントから7球目を打ってレフトへツーベースヒット
荒木 初球を打ってセカンドゴロ セカンドランナー小宮山はサードへ



北條 1-0から2球目を打ってセンター前タイムリーヒット



タイガース1-0カープ
キャンベル 1-0から2球目を打ってショートゴロダブルプレイ
4回表



堂林 1-1から3球目を打ってセンター前ヒット
エルドレッド 0-2から3球目を空振り三振



美間 2-2から7球目を打ってレフトスタンドへ第9号ツーランホームラン



タイガース1-2カープ
高橋大 1-0から2球目を打ってセカンドゴロ
木村 0-1から2球目を打ってセカンドゴロ
4回裏
陽川 フルカウントから7球目を選んでフォアボール



狩野 1-2から5球目を空振り三振
ロジャース 1-1から3球目を打ってライトフライ
今成 2-2から5球目を見逃し三振
5回表
船越 3-1から5球目を選んでフォアボール
青木 1-1から3球目を打ってセカンドゴロセカンドフォースアウト
下水流 0-2から4球目を打ってセンターフライ



梵 2-2から5球目を見逃し三振
5回裏
広島東洋カープ選手交代
ショート梵に代えて桒原樹
板山 1-0から2球目を打ってセンターフライ
小宮山 3-1から5球目を打ってピッチャーゴロ
荒木 フルカウントから8球目を選んでフォアボール
北條 1-2から6球目を打ってセンター前ヒット
キャンベル ストレートのフォアボール



陽川 初球を打ってレフト前2点タイムリーヒット
タイガース3-2カープ



狩野 2-0から3球目を打ってセカンドフライ
6回表
阪神タイガース選手交代






ピッチャー望月に代えて松田
堂林 フルカウントから6球目を打ってサードゴロ



エル 1-2から4球目を打ってショートライナー
美間 3-1から5球目を選んでフォアボール



高橋大 1-1から3球目を打ってレフト前ヒット



木村 2-2から5球目を打ってサードフライ



6回裏開始前の塹江敦哉のピッチング練習の相手に出てきたのは、誰あろう上本崇司。しかしやっぱり無理っぽかったのか、船越涼太の準備が出来ると、逃げるようにベンチに戻って行きました。
6回裏
ロジャース 1-1から3球目を打ってショートゴロ
今成 1-2から5球目を打ってレフト前ヒット
板山 0-1から2球目を打ってレフトフライ



小宮山 1-0から2球目を打ってショートゴロ
7回表
船越の代打中村亘佑 0-2から4球目を見逃し三振



青木 1-2から4球目を打ってライト前ヒット



下水流 フルカウントから9球目を打ってショートフライ
桒原 フルカウントから8球目を選んでフォアボール



堂林 1-1から3球目を打ってライトフライ
7回裏
広島東洋カープ選手交代






ピッチャー塹江に代えて中村恭平
代打中村亘がそのまま入りキャッチャー
荒木 1-0から2球目を打ってセンターフライ
北條 2-2から5球目を打ってレフトへツーベースヒット



キャンベル 1-0から2球目を打ってレフトフライ
陽川 1-2から4球目を打ってライトフライ
8回表



エルドレッドの代打ペーニャ 0-1から2球目を打ってショートライナー



美間 1-0から2球目を打ってレフトへ第10号ソロホームラン



タイガース3-3カープ



高橋大 1-1から3球目を打ってレフト前ヒット



木村 初球を打ってライトへツーベースヒット



中村亘 1-2から4球目を打ってライトへ犠牲フライ



タイガース3-4カープ
青木 2-2から5球目を打ってファーストゴロ
8回裏
広島東洋カープ選手交代






ピッチャー中村恭に代えて江草仁貴



狩野 1-2から4球目を打ってレフトへツーベースヒット






身を退く者同士の「最後の真剣勝負」は狩野恵輔の勝ち。江草仁貴の方は試合前に「三振を」と語っていたそうですが、そして狩野恵輔はセカンドベースを踏んだ後、自ら歩み寄り、江草仁貴と握手、そして抱擁。互いの「絶頂期」を知っている間柄。思うところは多々あるんでしょうね。



狩野恵輔を別れ、来る日も来る日も投げ続けた甲子園球場のマウンドを降りる江草仁貴。その胸に去来するものは何か。そして堪えきれなくなったのか、佐々岡コーチの顔を見た途端、崩壊。






そして迎え入れる水本勝己二軍監督。球場全体から大声援が送られる中、タイガースガールのお姉さんから花束を受け取り、天谷宗一郎と握手、そして抱擁。もうこれで見ることはないんだなぁ。
広島東洋カープ選手交代






ピッチャー江草に代えてブレイディン・ヘーゲンズ
ロジャース 1-2から4球目を打ってファーストゴロ
今成 ストレートのフォアボール



板山 3-1から5球目を打ってファーストゴロ サードランナー狩野挟殺タッチアウト



小宮山 2-0から3球目を打ってレフト前タイムリーヒット



タイガース4-4カープ
荒木 1-1から3球目を打ってセカンドゴロ
9回表
阪神タイガース選手交代
ピッチャー松田に代えて伊藤和雄
下水流 0-1から2球目を打ってセンターフライ
桒原 2-2から7球目を見逃し三振



伊藤和雄が2死を取ったところで、掛布雅之監督が球審梅木に選手交代を告げ、ボールを受け取る。
阪神タイガース選手交代



指名打者狩野がそのままキャッチャー






キャッチャー小宮山に代えて8番にピッチャー安藤優也
堂林 1-2から4球目を空振り三振






予定通りの1/3イニングの登板を終え、グラウンドを去る安藤優也と狩野恵輔のバッテリー。安藤優也の「引退セレモニー」は10月6日、対ドラゴンズ戦に予定されています。
9回裏
広島東洋カープ選手交代
ピッチャーヘーゲンズに代えて飯田哲矢



北條 2-2から6球目を空振り三振



キャンベル 1-2から5球目を空振り三振
陽川 ストレートのフォアボール






言ってしまえばもうこれは、試合の結果はどうあれ「最後は狩野恵輔で締めてもらおう」と言う、水本勝己監督の「計らい」。ただ、敬遠のフォアボールだと、次のバッターの初球が要注意、と言う事なのか、それともまた別の意味合いがあったのか、佐々岡真司投手コーチがマウンドへ。






狩野 2-1から4球目を打ってセンターフライ
阪神甲子園球場 第29回戦 阪神9勝16敗4分
鯉さんチーム 000 200 020 4
虎さんチーム 001 020 010 4
本塁打:[広島]美間優槻9号(4回表 2ラン 望月惇志から) 10号(8回表 ソロ 松田遼馬から)l
試合時間:3時間9分
観衆:6805人
投手成績
広島東洋カープ
塹 江 6 回 26人 96球 5被安打 4与四死球 3奪三振 3失点 3自責点
恭 平 1 回 4人 13球 1被安打 0与四死球 0奪三振 0失点 0自責点
江 草 0 回 1人 4球 1被安打 0与四死球 0奪三振 0失点 0自責点
平 原 1 回 5人 19球 1被安打 1与四死球 0奪三振 1失点 1自責点
飯 田 1 回 4人 19球 0被安打 1与四死球 2奪三振 0失点 0自責点
阪神タイガース
メッセ 2 回 8人 37球 1被安打 2与四死球 1奪三振 0失点 0自責点
望 月 3 回 12人 55球 2被安打 1与四死球 2奪三振 2失点 2自責点
松 田 3 回 16人 68球 5被安打 2与四死球 1奪三振 2失点 2自責点
伊藤和 0.2回 2人 9球 0被安打 0与四死球 1奪三振 0失点 0自責点
安 藤 0.1回 1人 4球 0被安打 0与四死球 1奪三振 0失点 0自責点
そして、試合終了後のベンチ前でのハイタッチも終え、場内アナウンスに促されるようにカープナインがマウンド上に集合。この後、狩野恵輔の引退セレモニーもあるはずなのに、この場(しかもマウンド上)を提供してくれたタイガース球団に感謝いたします。ありがとうございます。



水本勝己監督(公称102kg)の胴上げ。優勝と言う事実を考えれば、ウエスタンリーグが前期後期制をとっていた2003年前期以来(ただしこの年は総合優勝を逃しました)16年ぶり、フルシーズンを考えれば1991年以来26年ぶり。どちらを優先するかは個人に裁量かと思いますが、とにかく・・・・
広島東洋カープ、ウエスタンリーグ優勝!

さらには江草仁貴の胴上げ開始。この後、動画にもあるように、タイガースナインからの胴上げもありましたが、残念ながらここで「バッテリー切れと言う名のバッテリーミス」。



カープナインの輪が解けた後は、狩野恵輔の引退セレモニー。それを見守るタイガースナインの輪の中には、残念ながら捉えきれてませんが、脳腫瘍からの復帰を目指す横田慎太郎の姿もありました。
2009年には127試合に出場。この当時まだ26歳。翌年にシアトルから釣り人が移籍はしてきましたが、この先10年、15年はタイガースのキャッチャーは安泰だろうな、とは思ってました。しかしそこに降りかかった椎間板ヘルニア。どっちが彼の運命を左右したかは分かりませんが、34歳での引退はあまりにも早すぎる。しかしながら、引退発表記者会見では涙にくれてはいましたが、むセレモニーではむしろ明るく去っていこうとする彼の姿を見て「これでいいんだ」とも思いました。





セレモニーのラストは花束贈呈。タイガースからは、これまたユニフォームを脱ぐ掛布雅之監督。そしてカープからは江草仁貴。何とも言えぬ良い笑顔でした。




最後は狩野恵輔の「宝」でもあろう、5人のお子さんも登場(奥様は登場せず)。この子らを養うためにもこの先、良きパパとして、人生を歩んでいただきたい、と思います。



フィナーレ。胴上げ慣れしてないのか慎重なのか、あまり上がらず・・・。

そして水本勝己監督、ウエスタンリーグ優勝おめでとうございます。1989年、松下電器(現:パナソニック)野球部からドラフト外でカープ入団、現役こそ2シーズンで終わりましたが、それ以降一度もユニフォームを脱ぐことなく、ブルペンキャッチャーからとうとう二軍監督、そして胴上げ。これはもう「人徳」以外の何者でもないと思います。もしかしたらカープ球団は、選手の実力云々よりも、周囲に気配り出来る、などの指導者的要素を見抜いていたのかも、とすら思います。


水本勝己監督の試合前の様子を見ていると、カープの選手だけでなく、対戦チームの選手にも気兼ねなく声をかける場面も見られます。それどころか選手の方から挨拶に行くシーンも多々見受けられます。やはり上に立つ人ってのは、過去の実績だけでは計り知れないものがあると思います。

チームの勝利、そして選手の育成、そして出場選手登録を抹消された選手の再調整、一軍以上に二軍では為さなければいかん事がたくさんあると思います。ご苦労もあるとは思いますが、これから先も「若い衆」の事をよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました!


そして私の、2017年度のプロ野球公式戦観戦は全て終了です。また来年も、これからのプロ野球を支えるであろう選手の活躍を、出来る限り見届けたいと思います。またどこかでお逢いしましょう。
2017.09.28 / Top↑
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