

毎年のようにアレコレ「仕様」の変わるJABA広島大会も、数える事56回目を迎えました。


私が観戦するようになった数年間にも、予選リーグの会場が広島県営球場からJR西日本広島グラウンドになり、開催時期もゴールデンウィーク明けからお盆休みに、ついには8月末になりました。


ただこうやって脈々と継続されているのはやはり、積み重ねられた歴史のある大会でもあり、またされだけの要望があるもの、とも考えています。社会人野球部が諸般の事情と環境の変化で、次々に方向転換を余儀なくされる中、今年も無事、12チームが集まって開催される事にただ感謝、です。


とは言うものの、さすがに大阪から、予選会場のJR西日本広島グラウンドへの道程はさすがに厳しゅうございます。広島市内とは言うものの思い切り山奥。かつては宮城県仙台市との「政令指定都市競争」もあったと聞きますが、こんな山奥まで合併をして、政令指定都市になりたかったのかな。


そんな事を考えつつやって来た、久しぶりのJR西日本広島グラウンド。ここが予選リーグの会場になるのも2年連続。慣れ親しんだ私には楽な道程ですが、初めて来る方にはそれこそ苦行。しかしここから、プロ野球選手が、いっぺんに2人誕生した事を考えると、感慨深いモノがあります。


そして大会4日目第一試合は、予選Aグループ最終戦、広島東洋カープ対伯和ビクトリーズです。

まずは広島東洋カープ。



ウエスタンリーグでは長らく首位を走り続けて来ました。その中でサビエル・バティスタ、アレハンドロ・メヒアが支配下登録選手の座を獲得しました。とは言うものの現状の日本人選手は、強化育成途上と言うよりも、一軍の壁に阻まれている者が多数を占めているようにも感じられます。



だからと言っていつ、どんな形でお呼びがかかるか分からない。しっかり成績を残しておけば何て事はないはず。JABA公式の大会に「参加させてもらっている」立場ではありますが、「調整」などと言うお気楽な気持ちでは絶対に足許を掬われるし、それこそ「赤っ恥」につながりかねません。

相対する伯和ビクトリーズ。



「逆襲の紫」なかなか今シーズンは「次の一歩」に踏み出せてない、あとひと押しが足りないような気もします。日本選手権出場の懸かったJABA四国大会がその顕著な例かな、とも思ったり。



しかしながら今大会は、カープと予選リーグで激突する、と言う事で、選手の皆さんはそれぞれ、並々ならぬ意欲を持っておられるはず。オープン戦や交流試合ならいざ知らず、JABAの公式戦で当たるともなると記録にも後々しっかり残ります。カープファンの方にも名前を覚えてもらえる筈。
とにかく個人的に、色々な楽しみが凝縮された2日間の開幕戦でございます。
スターティングオーダー
先攻:伯和ビクトリーズ
1(遊)内山孝起 (掛川工業高校~愛知工業大学)
2(二)池田侑矢 (広陵高校~大阪商業大学)
3(捕)石井大和 (拓大紅陵高校~東京情報大学)
4(指)濱田浩幸 (広島城北高校~近畿大学工学部)
5(一)國嶋一平 (東北高校~日本体育大学)
6(左)後藤大輝 (市立船橋高校~日本体育大学~関メディベースボール学院)
7(右)伊藤 淳 (四日市南高校~大阪体育大学~デュプロ)
8(三)今井翔大 (文徳高校~東京国際大学)
9(中)上田颯人 (柳ヶ浦高校~奈良産業大学)
投:佐原圭亮 (広陵高校~吉備国際大学)
後攻:広島東洋カープ
1(中)高橋大樹 (龍谷大学付属平安高校)
2(遊)木村聡司 (常葉学園橘高校)
3(三)アレハンドロ・メヒア(サン・ファン・バウティスタ・デ・ラ・サジェ高校)
4(右)下水流昂 (横浜高校~青山学院大学~Honda)
5(左)サビエル・バティスタ(サンタルチア中高)
6(捕)坂倉将吾 (日本大学附属第三高校)
7(指)中村亘佑 (横浜消化大が付属高校)
8(二)美間優槻 (鳴門渦潮高校)
9(一)青木 陸 (山形中央高校)
投:高橋昂也 (花咲徳栄高校)
審判員
球審:山本貴彦 一塁:橘修 二塁:南場浩治 三塁:佐藤友徳
打撃成績
1回表



内山 1-2から4球目を打ってサードゴロ
池田 1-1から3球目を打ってセンターフライ



石井 0-2から4球目を空振り三振
1回裏



高橋大 2-2から7球目を打ってセンター前ヒット



木村 1-2から4球目を打ってセカンドフライ



メヒア フルカウントから7球目を打ってサードゴロ
ファーストランナー高橋大はセカンドへ



下水流 0-2から3球目を打ってショートゴロ
2回表
濱田 0-2から3球目を空振り三振



國嶋 1-1から3球目を打って右中間へツーベースヒット



後藤 0-1から2球目を打ってレフトフライ
伊藤淳 フルカウントから6球目を打ってキャッチャーファウルフライ
2回裏
バティスタ 初球を打ってショートゴロ
坂倉 2-2から5球目を打ってセカンドゴロ



中村亘 初球を打ってライトへツーベースヒット



美間 1-0から2球目を打ってレフトファウルフライ
3回表



今井 1-2から4球目を打ってサードゴロ



上田 フルカウントから6球目を打ってセンター前ヒット



内山 初球を打ってセンター前ヒット
池田 初球を打ってセカンドゴロダブルプレイ
3回裏



青木 初球を打ってレフト前ヒット
高橋大 フルカウントから7球目を打ってセカンド内野安打



木村 初球をサード前送りバント
メヒア 初球を打ってライトオーバータイムリーツーベースヒット
広島東洋カープ2-0伯和ビクトリーズ
下水流 0-1から2球目を打ってショートゴロ
バティスタ 2-2から5球目を空振り三振
4回表
石井 1-2から4球目を空振り三振
濱田 フルカウントから6球目を空振り三振
國嶋 2-2から5球目を見逃し三振
4回裏



坂倉 1-0から2球目を打ってレフト前ヒット
次打者中村亘の4球目に坂倉セカンド盗塁失敗
中村亘 2-2から5球目を打ってショートゴロ



美間 初球を打ってセカンドゴロ捕球エラー
次打者青木の3球目にパスポールでファーストランナー美間はセカンドへ
青木 2-2から5球目を空振り三振
5回表



後藤 2-2から5球目を打ってレフト前ヒット
次打者伊藤淳の初球にファーストランナー後藤セカンド盗塁失敗
伊藤淳 0-2から3球目を見逃し三振
今井 1-0から2球目を打ってレフトへツーベースヒット
上田 2-2から5球目を見逃し三振
5回裏
高橋大 1-2から4球目を打ってショートフライ



木村 1-0から2球目を打ってセカンドフライ
メヒア 1-0から2球目を打ってセカンドゴロ
6回表
広島東洋カープ選手交代
ピッチャー高橋昂に代えて横山弘樹(宮崎日本大学高校~桐蔭横浜大学~NTT東日本)



内山 2-2から5球目を打ってセカンドゴロ
池田 0-1から2球目を打ってファーストファウルフライ



石井 3-1から5球目を打ってショートゴロ
6回裏



下水流 1-1から3球目を打ってセンターフライ
バティスタ 2-2から6球目を打ってセンターフライ
坂倉 フルカウントから7球目を見逃し三振
7回表
広島東洋カープ選手交代
ピッチャー横山に代えて仲尾次オスカル(カントリーキッズ高校~白鴎大学~Honda)
濱田の代打小原礼史(福岡工業大学付属城東高校~大阪体育大学) フルカウントから球目を選んでフォアボール
次打者國嶋の3球目にワイルドピッチでファーストランナー小原はセカンドへ



國嶋 1-2から7球目を打ってセカンドフライ
後藤 0-1から2球目を打ってレフト前ヒット



伊藤淳 初球を打ってサードゴロセカンドへ悪送球タイムリーエラー
広島東洋カープ2-1伯和ビクトリーズ
今井 フルカウントから6球目を空振り三振
セカンドランナー後藤はサード盗塁失敗
7回裏
伯和ビクトリーズ選手交代
ピッチャー佐原に代えて田村凌太郎(大田高校~大阪体育大学)



中村亘 1-0から2球目を打ってショートゴロ



美間 1-2から4球目を打ってセカンドフライ
青木 フルカウントから6球目を選んでフォアボール
高橋大 2-1から4球目を打ってライトへタイムリーツーベースヒット



広島東洋カープ3-1伯和ビクトリーズ
送球の間に高橋大はサードへ



木村 2-1から4球目を打ってライトフライ
8回表
広島東洋カープ選手交代
ピッチャーオスカルに代えて飯田哲矢(藤沢翔陵高校~亜細亜大学~JR東日本)
上田 2-2から5球目を打ってレフト前ヒット



内山 2-0から3球目を打ってセカンドゴロ ファーストランナー上田はセカンドへ



池田 1-0から2球目がデッドボール
石井の代打伊藤陽一(北照高校~東京国際大学) 2-1から4球目を打ってセンター前ヒット
小原 フルカウントから6球目を打ってセカンドゴロセカンドフォースアウト
サードランナーホームイン
広島東洋カープ3-2伯和ビクトリーズ



國嶋 2-1から4球目を打ってセカンドゴロ
8回裏
伯和ビクトリーズ選手交代
代打伊藤陽がそのまま入りキャッチャー






ピッチャー田村に代えて川野友耀(広島商業高校~広島経済大学)
メヒア フルカウントから6球目を空振り三振
下水流 2-2から5球目を空振り三振



バティスタ 1-0から2球目を打って左中間へソロホームラン



広島東洋カープ4-2伯和ビクトリーズ
坂倉 初球を打ってレフト前ヒット
次打者中村亘の4球目に坂倉セカンド盗塁成功



中村亘 フルカウントから6球目を打ってファーストゴロ
9回表
広島東洋カープ選手交代
ピッチャー飯田に代えて藤井皓哉(おかやま山陽高校)



後藤 1-1から3球目を打ってレフト前ヒット



伊藤淳の代打藤澤直樹(伊那弥生ヶ丘高校~日本体育大学) フルカウントから6球目を打ってサードゴロ ファーストランナー後藤はセカンドへ
今井 2-2から5球目を空振り三振
上田 2-2から6球目を空振り三振
伯和ビクトリーズ
000 000 110 2
002 000 11X 4
広島東洋カープ
試合時間:2時間48分

まずはカープ。一軍と遜色ないクリーンアップで、サイドスローともアンダースローとも取れる、伯和ビクトリーズ・佐原投手を如何にして攻略するか、が個人的見所ではありましたが、ぶっちゃけ打ち崩した、までには至りませんでした。むしろ手こずったとすら。実際問題プロ野球には、この手の変則フォームのピッチャーって随分減りましたから、よい経験になったんではないでしょうか。
かたや伯和ビクトリーズ。こちらもまた、思ったように攻撃のリズムが作れなかったようにも感じます。比較的打順がコロコロかわるチームではありますが、そして、クリーンアップを終えて再度の「一番打者」と考えたら納得出来ますが、何とか後藤選手の3安打を生かす術はなかったかな。いずれにしろ、得点を見れば分かるように、互角の勝負が出来たて思います
実際のところ、この大会ってのはどのチームも、予選リーグであれ優勝決定トーナメントどあれ「カープと試合をしたい」と言う目標みたいなのがそこはかとなくあると思います。二軍ではありますが、そうそうたるメンバーはいます。プロチームとあたる事で、現在の力量を推し量るには絶好の機会。この経験を、日本選手権最終予選に生かしていただければ、と思います。
2017.08.30 / Top↑
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