2016年度のウエスタンリーグ公式戦が全て終了しました。

結果は福岡ソフトバンクホークスが5年連続、南海ホークス時代から通算11度目の優勝。もうここまで来たら素直に「参りました」と言う他ありません。ただただ「やっぱり強かった」としか。

ホークスの何が強いって。

一番に挙げられるのはやはり、その絶対的な資金力だと思うんですが、その資金力通りの選手育成をやってのけてる。これは読売ジャイアンツもついて行けてないくらい。他所は真似出来ない。そのt象徴がタマホームスタジアム筑後。お金を持ってるだけじゃない。遣い方も上手ですよ。

三軍で選手を鍛え上げ、色んな所で試合をさせ、一定基準にたどり着いたらウエスタンリーグ公式戦に出場させる。そして明確な結果を残す場を与える。さらに、二軍に定着している選手は、いつ出場選手登録されてもいいように、試合で成績を追い求める。そして晴れて一軍の試合に出る。

ホークスは、通常のチームが二軍でやるべき事を三軍でやってると思うんですが。一軍でやっている事を、ひとつ下の二軍でやっている。だから一軍だけでなく二軍もとてつもなく強い、はず。

シーズン序盤は色んな選手を起用して春季キャンプでどれだけ力をつけたか試し、そしてウエスタンリーグ、そして一軍ペナントレースの中に放り込めるであろう選手を精査する。ホークスがウエスタンリーグの戦いで、シーズン序盤はなかなかエンジンがかからないのは、そんな事情かな、とも。

もちろん、ホークスの試合を全部観たわけではないので断言は出来ませんが、そう言う風に見えるんですよね。選手の鍛え方のランク、と言うかステップが、他所よりひとつ多く設けられている。

二軍で結果を残せなければ容赦なく三軍送り。一軍の試合に出場どころではなくなる、と言う緊張感がチームに定着しているんではないかな、と思います。ワンランク下、とまでは言いませんが。

それが選手層の分厚さを作り上げている。いつ誰が抜ける事になっても「はい次」と言わんばかりに新しい選手が出てくる。

よく一軍の監督が、負傷者が出たり、主力選手が欠けた時に「今いる選手で何とかしないと」的なコメントを残す事がありますが、ホークス・工藤公康監督からはあまり見聞きした事がない。選手層の厚さを一軍監督がしっかり把握出来てる証拠ぢゃないかな、とも考えますが如何でしょう。

いい例が今シーズンの千賀滉大。

攝津正が今シーズン、さっぱりでしたが、そこに千賀滉大がピターッはまった。よく「代役」 と言う単語を使いますが、代役ぢゃないんですよ。攝津正の席を「奪った」んですよ。これこそがよく言われる「新陳代謝」じゃないですかね。しかもそれを勝ち続けながらなし得てる。

さらにホークス。野手に関して外国人選手がハーバロ・カニザレスしかいない。これは特筆もの。

それだけ日本人野手を獲得して鍛えて鍛えている証拠だと思うんです。事実ホークス一軍は今シーズン、ほぼ全試合を「純和製打線」で戦い抜きました。そりゃ2年や3年で帰国してしまう外国人選手よりも、5年10年活躍するであろう日本人選手の方が、戦い方も中長期的に考えられますから。

どこのチームも、複数の外国人選手を抱えるのはごく当たり前になりましたが、その影響で試合に出場出来ない「今、鍛えるべき選手」が出てきてしまっている。これはもう、ウエスタンリーグの「協約」みたいなものから明らかに外れてしまってる。正直大問題ですよ。

いい例が広島東洋カープ。

リーグ優勝で大騒ぎしましたが、そして少し前のウエスタンリーグ公式戦の記事にも書いたような気もしますが、「助っ人外国人選手」であるはずのジェイソン・プライディが、一時的ではありますがウエスタンリーグ打撃成績に顔を出してる。つまりは「規定打席に到達してる」。これはどう考えても異常。その分、打席に立たせなければいけない若手選手ってのはいくらでもいたはず。

広島プライディが退団へ、今季1軍出場せず
日刊スポーツ 2016年9月27日

約5700万円もの年俸を支払っておきながら、そして300近くの打席に立って、と言うか立たせておきながら、二軍の戦力にすらなってない。他の外国人選手との兼ね合いもあったけど、結局呼ばれることもないまま帰国してしまった。正直これは由々しき問題じゃないですかね。来てもらって悪くはないし、人間性としては良かった、だけではもう済まされない所まで来ている、と考えます。

その分、影響を受けた選手は多数いる。過去数年を遡ってみてもそれの繰り返し。これじゃチーム全体のレベルアップなんざまだまだなし得たとは言えんし、育成の球団とは言えない。今年、比較的多くの試合を見せてもらったオリックスバファローズもまた然り。外国人偏重が悪い方に出た、とも。

選手の育成は急務、とどこの球団も考えてはいると思いますが、同時にチームの勝利も考えなければいけない。長期的に考えるか、即効性を求めるかにもよりますが、これをバランスよく成し得たチームって、今の所ホークスだけじゃないでしょうかね。カープなんか、まだまだですよ。緒が掴めた程度。

今シーズン、読売ジャイアンツが本格的に三軍を始動しました。オリックスバファローズも来シーズン、概要は分かりませんが、三軍を設けるそうです。もちろん、ホークスの成功があって、のものだと思います。そして「猿真似」と言われるかも知れませんが、イイモノは真似していいと思うです。最初は皆そうです。そこからオリジナルを如何に作り出すか、は時間がかかると思いますが。

ウエスタンリーグは、選手育成の場であり、実戦の機会です。一軍での活躍を目指す選手たちのナイスプレイには大きな拍手、ご声援をお願い致します。

ウエスタンリーグ公式戦、球場によっては上のような文章が場内に流されます。ただ、実際は「(助っ人外国人選手の)実戦の機会」ばかりが優先されているキライもある。もうそろそろこんな状況を払拭しないことには、叩き上げの名選手、ってのは出てこないような気もせんでもないです。

外国人助っ人は必要かも知れません。ただ、その助っ人の「助っ人」に外国人選手を補強して来るような愚行はもうやめて頂きたい。あくまでも外国人選手は「助っ人」であり、それ以上の何者でもない。特にカープなどは、去年のライネル・ロサリオで学んだはずなのに、まるで成長していない。

アレハンドロ・メヒアらみたいに、本気でイチから「育成」する気ならまだしも、ドラフト会議で指名されて入団してくる選手も、それなりの覚悟でユニフォームに袖を通す。今シーズン、いろんなチームの試合を見ましたが。次々に外国人選手を獲得するのはそれの「邪魔になる」とすら思いましたよ。

カープでは、まずジェイソン・プライディが抜けました。今後どのチームでも戦力外通告等あるでしょう。そして支配下登録枠がいくつか空くとは思いますが、それらをまず外国人選手で埋めるのだけはやめていただきたい。二軍での練習、そしてウエスタンリーグでの実戦も十分「補強」のはず。

選手育成という、時間のかかる補強がいいか、外国人選手招聘と言う、短期的な補強がいいか。その事を考えたら、セントラルリーグ優勝をしたカープも、浮上の目すらなかったドラゴンズもタイガースも、パシフィックリーグでどん底に沈んだバファローズも一緒。やらなければイカン事は山積み。


ただ、各球団に対して、思う所はいろいろあります。それはまた追々。


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2016.09.28 / Top↑
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