
さて、セントラルリーグ優勝を何か知らんけどあっさり決めてしもうた広島東洋カープ。
まだクライマックスシリーズ(私はこの制度には未だに反対です)やら日本シリーズやらが残ってはいますが、これから先、セントラルリーグでそれこそ「黄金時代」を築き上げる為には、まだまだせないかん事が山積みかと考えます。喜びに浸っておれるのは2か月か3か月くらい、でしょうか。
まずやらないかん事。日本人中軸打者、特に4番打者の育成と完成。これは急務と考えます。
カープでは(出戻った)新井貴浩、そして栗原健太以来、日本人の4番打者が育ってません。最近は、育ちかけては潰し、芽が出たしたかと思えば引っ込めてしまう、の繰り返し。名前を出すのは申し訳ないですが、岩本貴裕や松山竜平なんかその筆頭格ですよ。正直もったいない話。
広島東洋カープ球団が、4番打者にどのような構想を抱いてるのかは分かりませんが、この数年模索し続けたのは「一発長打」。それを外国人助っ人に求め続けたばかりに、4番打者すらとっかえひっかえの様相。これではチームの方針も何もあったもんじゃないし、勝てるものも勝てなくなる。
かつては江藤智を、鬼畜生のような練習に練習を重ねて一本立ちさせたカープの面影は今の所ない。気持ちは分からんでもないけど、中軸打者の育成を若干怠ってはいないだろうか、と考えます。
一昨年のウエスタンリーグで、高橋大樹がシーズンを通して11本塁打を放ちました。外野守備にいくらかの難はありましたが、大いなる将来性を感じましたよ。けど、その後高橋大樹は鳴かず飛ばず、出場機会すらまともに貰えないような状態。カープとしては、この成績をどう捉えていたのか。
本来ならここで、強化指定選手にして、徹底的に鍛えたら良かったはずなのに、それこそセ・パ交流戦あたりで、指名打者としてフル出場でもさせていたら、よい経験になったはずなのに残念な話。
それもこれも、次々に獲得してくる外(害)国人助っ人のお陰ですよ。
今シーズンで考えると、ジェイソン・プライディ。5000万円を越える年俸を支払っておきながら、未だに出場選手登録は1試合もなし。それどころかウエスタンリーグでの成績もさっぱり。なのにウエスタンリーグでの規定打席に到達していると言う、よく分からない状態。
それこそ、テレビ東京のとある番組のような。
その成績は、育成契約のアレハンドロ・メヒアやサミュエル・バティスタに遠く及ばない。この二人が「当たり」だった事もありますが、あまりにも情けない成績。本人の現在の心境その他、また契約内容までは知り得ませんが、果たして外国人助っ人の「補填」は必要だったのか、とも。
もちろんその裏には、鈴木誠也や下水流昂の大活躍があるんですが、本来試合に出場させて場数を踏ませなければいかん選手を引っ込めてまで、調整起用せないかんかったのか、とすら思います。
同じ左バッターの土生翔平しかり。高橋大樹同様一昨年のシーズンは、規定打席未到達ながら、3割を大きく越える打率を残し、昨シーズンでブレイクしててもおかしくなかった。それこそ今シーズンの鈴木誠也のようになってたかも知れないのに、ですよ。やってみんとわかりませんけどね。
この「やらせてみよう」がまだまだ足りない。土生翔平や、二軍ではもうレギュラーであろう庄司隼人も、もう二軍ではやる事はないはず。菊地涼介も良いけれど、丸佳宏に拘るのも悪くないけど、チームをさらにレベルアップさせるには、一軍レギュラーと言う概念は捨て去るべき、ですよ。
選手の育成、また選手を一本立ちさせるにはそれ相応の時間がかかります。かつての嶋重宣しかり、よその球団で言えばスワローズ高井雄平しかり、ホークス江川智晃しかり。試合に出してやらないと育つもんも育たない。今シーズンのカープ二軍の低迷の一因かも、とも思います。
そして、7月に来日したスティーブ・デラパー。3試合ほど実際の登板を観ましたが、とてもぢゃないけど一軍では使い物にならないようなピッチング内容。きつい言い方になってしまいますが、何でこんな時期にこんなのを来日させたのか理解に苦しみます。
外国人助っ人にアレコレ言うてばっかりですが、要はこんな害酷人助っ人のお陰で、本来なら実践登板させなければいかんはずの若手選手の出場機会が奪われている。もっと極端な話にしてしまうと、確固たるリリーフピッチャーがいつまで経ってもチーム全体で育成出来ない。
一軍ではジェイ・ジャクソン、ブレイディン・ヘーゲンズ(最近は先発)がリリーフのマウンドを任されていますが、それに続く「専任の」日本人リリーバーが出てこない。未だに名前の挙がるのが、永川勝浩だったり江草仁貴だったり。このあたりもカープの育成の遅れが目立ちます。
今シーズンは戸田隆矢や九里亜蓮らが、先発をやったりリリーフをやったりしてましたが、そんなあやふやな起用方で安定した成績が残せるわけがない。一定の成果を求めるのであれば、調整方法を考えて、ポジションは明確にしてやった方がいいんではないかな、と考えますがいかがでしょう。
この辺は現場のコーチや監督が考えるモノでもありますが、同時に球団編成部、特にスカウトがしっかり考えて、どう言った起用方が、その特性を生かせるのか、しっかり見極めるべき。ただ漠然と、ストレートが速いから、変化球がいいから、だけで獲得してもらっても後々選手が困る。
イイモノを持ってるのに、と言われるピッチャーは過去にたくさんいました。しかしながらその中でも長く活躍したのはほんの僅か。本来なら選手獲得ってのはそう言う当たり外れのあるモノだとは思いますが、可能性をある程度見いだすのはチームではなく、球団がまずする事ではないかな。
ちょっとだけ話が逸れますが。
優勝と同時に何が嬉しかったって、安部友裕がグラウンドに最初から最後までいたこと、會澤翼が胴上げの輪の中にいたこと。二人共紆余曲折、苦労しましたからね。安部友裕の本来の守備位置はセカンドでありショートだし。會澤翼なんか、ライトを守らされたことすらありました。
若い選手がどうこう言われるカープではありますが、年齢を考えると、會澤翼は28歳、安部ちゃんは27歳。そろそろ一番力が発揮される年齢だと思うんです。言わば中堅どころになるのかな。松山竜平ももうすぐ31歳だし。彼らがあと5年もすれば、次の世代が出て来んといかんし、出さんといかん。
今の戦力が、ちょっとでもチカラが落ちてきた時に、すぐに「こいつ」ってのを出せる用意をしておかないかん。そうやって「黄金時代」ってのは作られるんだと思う。これまでは「育てながら」ばっかりやったけど、これからは本気で「育てつつ、勝つ」を実行せないかん、と思ってます。
で、ここからは個人的感情がかなり入りますが・・・。
なぜカープ球団は「大卒ドラ1ピッチャー」に過大な期待をかけるのか、未だに分からんのですよ。
確かに「Max〇km/h」とかは魅力っちゅうたら魅力ではありますが、それを学生時代は1年通して発揮する場がない。極端に言えば春と秋のリーグ戦だけだし、暑い夏場を乗り切った事もない。オープン戦などで投げる機会もあろうとは思いますが、それを職業とするとまた話は違ってくる。
例えばホークス。大卒の選手を多数獲得してはいますが、最近はいきなり先発ローテーションに放り込むような事はなかなかしてない。比較的時間をかけて一軍で登板出来るように鍛えている。
これはもう「三軍」の存在なしには語れないとは思いますし、私の選手育成の理想はホークスにあるんですが、過去のカープの大卒ドラ1を見ても、成績に関して8年、10年と続きした例がほとんどない。それこそ、リリーフに徹してきた永川勝浩、そして梅津智弘くらいぢゃないですかね。
話が戻ってしまいますが、これこそスカウト陣の仕事ではないでしょうか、とも思うんですが、獲得する際に、時間をかけたら花咲く、つまりは素材型のピッチャーなのか、すでにプロ野球に順応出来る資質、本当の意味での即戦力なのかを、現場と共に吟味して欲しいんですよ。難しいですが。
選手は強くなりました。そしてチームは優勝しました。時間をかけて力をつけた選手が、優勝の歓喜の輪の中にたくさんいました。絶対にいらない、と言う訳ではないですが、そろそろ、6人も7人も「助っ人」のいる、外国人偏重のチーム編成から脱却してもいいんじゃないでしょうかね。
個人的な理想は福岡ソフトバンクホークスです。金満球団と揶揄されてはいますが、選手獲得にお金をかけている分、選手育成にもお金をかけています。その証拠が、タマホームスタジアム筑後。育成含め(確か)87人の所属選手を鍛え上げるだけの環境を、積極的に球団が整えようとしています。
三軍で選手を徹底的に鍛えて、二軍、つまりはウエスタンリーグで支配下登録への準備をさせる。あのチームだけは「一軍で選手が成長した」と言う事はない。成長した選手が一軍の試合に出ている。
その素地は二軍であり、三軍だと思うんです。そして、選手を含めたチームだけでなく、フロントその他を含めたホークス球団全体で強くなろうとした。その結果がここ数年の強さではないでしょうか。
「黄金時代」とは申しますが、それは過ぎ去ってから思うもの。たった一度の優勝だけで黄金時代は築けません。まだまだ広島東洋カープは、その第一歩が出来つつある、に過ぎないと思っています。
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2016.09.12 / Top↑
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