ペナントレースも各チーム最終戦を迎えると、どこかしら「引退試合」ってのが行われてます。

昔は引退する選手ってのは、だいたいシーズンが終わって、やれやれと一息ついて、今シーズンの成績を振り返ってみて「あぁ、落ちたな。もうあかんわ(想像)」と言って、シーズンオフに球団に引退を申し出て、翌年のオープン戦、だいたいホームゲームでこっそりバッター一人に投げて終わったり、空振り三振に終わったり、てな感じて流すようにして引退する選手が多かったように思います。

ただ最近は、いつ頃からか分かりませんが、シーズン最終戦、もしくは順位が決まってから、本拠地の試合で行われるのがごく当たり前になってきました。まぁ「興行」としても収入は見込めるし「引退グッズ」もそれなりに売れたりして、立派に「商売」として成り立って来てます。

私が行った引退試合は2回。最初は大野豊投手の引退試合。

140km/hオーバーのストレート連発、打席に立ったベイスターズの中根仁が、初球のストレートを見て「「これは本気でぶつからないと」と思ったのは有名な話。けっきょっくファウルすらままならないまま、フルカウントから空振り三振でしたかね。

その次は佐々岡真司の引退試合。これも偶然か必然かベイスターズ戦。

最後のバッターになるはずの村田修一が左中間スタンドへ容赦ないソロホームラン。尤も「真剣勝負で行く」と言った末の結果、しかもボールカウントが1ストライク3ボールになり、村田修一が「フォアボールではいかん」と考えたしえの結果、ではありましたが。

場内一周を終えようとした佐々岡真司を、ただ一人三塁側ベンチ前で待っていた村田修一の姿が印象的でした。そう言えばこの試合、前田智徳が吉見祐治から顔面にデッドボールを受けてましたな。


今シーズンも、前田智徳をはじめ、スワローズ宮本慎也、タイガース桧山進次郎、ドラゴンズ山崎武司、ライオンズ石井一久などなど、続々と引退を表明、引退セレモニーに臨みました。

しかしながら、これだけセンセーショナルな引退試合もなかったし、もう金輪際ないでしょう。




横浜DeNAベイスターズ小池正晃

都合、4打数3安打3打点3本塁打。こんなことを言うのも何ですが、バリバリのレギュラー選手でもそうそう残せる数字でもない。そうそうホームラン2発も打てるもんでもない。あれだけ打ちまくったチームメイトのトニ・ブランコですら今シーズン3回しか達成してない1試合複数ホームラン。

それを最後の最後にやってのけてしまうってのはやはり尋常じゃない。

そもそも、何で辞めちゃうのかな、などと。

右の長距離砲、とまでは行かないまでもやたらめったら左の強打者ばかりがクローズアップされる最近にあって、ホームランのそこそこ見込めるバッター。20本打ったこともありましたからね。

記者会見のそのまま、だと「走ること、守ること、投げることは、まだまだやれるというのはあります。ただ体は動くけど、バッティングに自信がなくなってきたのが、引退の一番の要因です。また、自信がないのと技術が追いつかないのとは別だと思いますが、最後の最後は両方が合わさってしまい、自分の中では、この時が引退するのは一番良いタイミングなのかな。」と言う事ですが。

一旦記者会見までやってしまうと、気持ちはやっぱり切れてしまうのでしょうか。最後のホームランなんか、乾坤一擲渾身のフルスイングと言った、これまでの思いの全てを凝縮したスイングにも見えました。まだやれるかも、と言う思いを断ち切る意味もあったんでしょうかね。



小池正晃挨拶全文

まず初めに、このような場を与えていただいた横浜DeNAベイスターズ球団関係者の皆さん、監督、コーチ、選手、裏方の皆さん、今日はありがとうございました。

横浜で生まれ、育ち、野球を始め、ここ横浜スタジアムで15年間、野球が出来たことを誇りに思います。また、15年間丈夫な体に育ててくれた両親、ありがとう。そして、一番の良き理解者、ファンであった家族のまき、ゆうり、あいり、じゅり。辛い思いをいっぱいさして今年一年本当に、辛いカッコ悪いパパでしたけど、最後の最後に、かっこいいパパを見せれました。本当にありがとう。

昨年、FAで横浜に戻り、お立ち台に立った時に「夢はひとつ叶いました」と言いました。しかし、もう一つ大きあ夢がありました。やはりここ、横浜DeNAベイスターズで、優勝がしたかったです。その夢は、今ここにいる、若い選手、未来がある選手に託したいと思います。

こんな大した成績も残せず、一、二軍を行ったり来たりした選手ですが、15年間、熱い、熱い声援をありがとうございました。



惜しまれるうちに辞めるのが華、なのかなぁ。


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2013.10.09 / Top↑
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