※表題に深い意味はありません


広島東洋カープがクライマックスシリーズ進出を決めた直後から、広島県どころかプロ野球界が、前田智徳を中心に凄い勢いで回りだしたように思う。楽天イーグルスの初優勝も話題には上るし、おめでたい話ではあるけど、残念ながら私はカープファンの端くれ。どうしても前田智徳に目が行く。

そして29日、満を持してかどうかは知らないけど、前田智徳が「選手」として出場選手登録された。

ブライアン・バリントンが(おそらく)登板機会なしと判断されたのか出場選手登録抹消。これがいいかどうか、と言ったら、あんまり良いとは思えんけど、とにかく「つかの間のリフレッシュ」に入った。

カープは残すところ3試合。昨日ジャイアンツに勝って、タイガースがドラゴンズに負けて、タイガースとカープのゲーム差は3。タイガースの残り試合は6、カープは3。数字的には、まだ2位浮上の目も残っている。そこに、枠を一つ潰してまで前田智徳を「昇格させる意味」は何なんだろう。

クライマックスシリーズ進出は決めたけど、まだ戦いは残っているはず。フォアボールの数をこまめにノートにつけている野村謙二郎監督のことだから、残り試合の計算も頭に入れているであろう。

残り3試合、野村祐輔・前田健太・大竹寛、順番はどうあれこの3人で回すんだろう。ブライアン・バリントンを含め、10勝カルテットで今シーズンの最後を締めくくるにふさわしいメンツですよ。


けど、わざわざそのうちの一角を崩してまで選手として登録する必要はあるかな。

見たいファンの方には申し訳ないけども、実際にどの程度動けるのか。試合前のバッティング練習だけで全てを知り得ないところもある前田智徳の事。本心としては「昇格ありき」だったのか。

「困ったものです。最後までお仕事させていただきます」とは言ってたけど、その「お仕事」は選手としてのものだったのか、それとも(言い方は悪いけど)道化役としてのそれだったのか。

彼特有のジョークかどうかは分からない。けども、まず今持って行ける限りのコンディションでグラウンドに立つ事を考えている前田智徳らしい、と言えばらしい言葉だと思う。

尤も「お仕事」とは言っても、選手であると同時に「打撃コーチ補佐」でもあるし。イメージとは裏腹によう喋る人やから、そして久しぶりに顔を合わすメンツばっかりやろうから、ロッカーであれ、グラウンドであれ、選手とは何らかの話はしようるやろう。それは今いる選手の糧になれば。

要は、もう選手とかコーチとか、そんなレベルでは計り知れないようなレベルの所にいるような気もする。それこそ「前田智徳と言うポジション」。それを失いたくないがためにこの5年間、松田元オーナーは会談を持ち、説得を続け、足止めしてたのんかな。そらぁ「営業面」重視でしょうけど。


残り3試合。出場の場面はあるかな。

正直「楽な場面」で打席には立たせてあげたい。両足、そして左尺骨骨折。もうボロボロですよ。試合前の練習風景が流れてたけど、もう「とりあえずは動きますよ」ってな感じの練習にしか見えなんだ。

ただ実際、「出るんじゃないか」みたいな場面はありましたけどね。

「もう一回ここで熱い勝負がしたかった。巨人を倒したくてやってきた。」試合前のコメントなのか粗青後のコメントなのかはさて置き、もう万全の体調に戻らないもどかしさと、もう戻さなくていい、と言う安堵感みたいなのが、何となくではあるけど感じ取れる。ホッとしたんだろうな。


試合終了後、レフトスタンドに挨拶に走った前田智徳。もう満足に動けない、動かないはずの両足。しかしながらその後ろ姿は、これからレフトの守備位置に就くかのような速さだった。それでも彼はその後に「レフトまで満足に走れなかったらカッコ悪い。その為の準備もした。」とも言ってた。

天才だの侍だの言われる人ではあるけど、そう言う言葉ってのは結局後付け。特にアキレス腱を切った後の彼は「ただただ、その時その時の100パーセントに近い体調で野球がしたいだけ」と言うごく単純な発送の中で試行錯誤を続けたんだと思う。それが一番難しいことだとは思うんですが。

野村謙二郎監督は「どこかで使いたい」と言う意思を示してはいたけど、もう本当に「心底楽な場面」で打席に立たせてあげたい。ここ数年、勝負の行方を左右する、重要な場面で打席に立ち続けた人なんだし、勝負に家計なくアウト一つただでくれてやっていい場面で出してあげてほしいな。

それこそ、局面など考えずに、自分の打ちたいボールが来るまで、心おきなくファウルで粘って(これも難しいでしょうけど)、何分でも何十分でも打席に立って、その時本当に打てるボール、打ちたいボールが来たら全力でスイング。その結果が凡打であろうがなんだろうが、誰も何も言わんでしょ。

それでも、ボールが来たら打ちに行く、でしょうけどね。


過去の引退セレモニーで、泣きながら浅井樹に「抱かれ」、緒方孝市に「抱かれた」前田智徳。自身の引退セレモニーでは、一体誰の胸に顔を埋めるのかと思うと、ドキドキして夜も眠れない。


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2013.09.30 / Top↑
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