9月10日 第20回戦 東京ヤクルトスワローズ3-9広島東洋カープ


とうとう廻って来たかも知れない、とも思える「記録に花を添えるカープ」の役割。

言わずと知れたウラディミール・バレンティンのホームラン記録の話ですが。

どこの新聞やその他報道を見ても「55号」ばっかりに頭と言うか目がいってしまってる。この試合のテレビ中継でも「日本記録タイ記録まであと1本」とアナウンサーが絶叫してた。

基準としては「まずは55本」なんだろうけど、シーズン55本は既にタフィ・ローズとアレックス・カブレラが達成してる。ウラディミール・バレンティンが達成すれば4人目。ありがたみはあまりない。

とは言うても、40~45本すらなかなか出ないご時世、50本を超えること自体珍しいので、大騒ぎにならない方が可笑しいんだろうけど、どこを見ても「56」の数字が見えない。

アレックス・カブレラの時も、タフィ・ローズの時も、もちろん今回も王貞治(現:福岡ソフトバンクホークス球団取締役会長)の「55本」が「聖域なのかどうなのか」が論議されてる。

記録ってのは抜かれるものなのに。

しかも、上下動のある打率や防御率ならともかく、積み重ねの結果でもあるホームランや打点に「聖域」などあるわけがない。あるとしたら「その選手の努力」だけだと思う。「聖域」を作ってしまっているのは「プロ野球記録でもある55号」としか書かないマスコミですよ。記録は越えるためにある、などと言うけど、どこも「55号」としか書かず、まるで「並ぶことが名誉」みたいな表現で煩わしい。

どっかのお爺ちゃんが「(メジャーリーグで成績を残していない)ポンコツに新記録を作られたくない」とかなんとか言うてたみたいではあるけども、そんなの関係ないですよ。個人の努力の賜物をアレコレ言わないほうがいい。しかもそれを言うたのは「元監督」ってんだから困ったもんだ。

来日する外国人選手が、毎年のように50本塁打記録してようもんなら、そう言う発言も許されるような気がせんでもないけど、50本すらそう出ないこのご時勢、素直に「すごい」と言えぬものか。



この試合の第一打席でのバレンティンのバッティングを見れば分かる。キャッチャーの石原慶幸は明らかにかなり高めに外そうとしてる。先発の前田健太も気を使ってか(多分ミスったんだろうけど)さらに高い球が行った。決して気を抜いて外しにかかったボールを投げたわけじゃないはずですよ。

その上で、あんなクソボールをあそこまで飛ばされたら「もうどこに投げて良いのか分からん」状態になるのも理解出来る。実際打たれた後の前田健太は「うそーん」みたいな顔をしてる。

ゆえに5回裏の、半ば敬遠気味のストレートのフォアボールもシャアナイ。一発食らったら3点差。試合中盤と言う事を考えると、3点差に追いすがられるのは怖いし。つないでつないで、またバレンティンに「どかーん」も怖いし、それが出来るチームがスワローズ、ですからね。

ただ、前田健太の「本心」ではなかったろうな。何とも言えない、苦虫を噛み潰したような顔をしてた。「敬遠」はベンチの指示だったそうですが、前田健太の「プライド」を考えれば勝負しても良かったかも知れない。こんな場面でマウンド上で泣いてた「現・メジャーリーガー」がいましたけどね。

けど今は、選手のプライドを鑑みてる場合じゃない。上位進出がかかってる。「最善の策」をとるのはもうしゃあない。あそこまで石原慶幸が座ったまま外角に外したのも、前田健太のコントロールを信頼してのもんだろう、とも思います。他のピッチャーなら完全に立ち上がってたかも。

それこそ、前田健太のプライドを考えつつ、彼のコントロールを信頼しての「立たないままの敬遠」だったようにも思います。火中の栗を拾う、と言うか、虎穴に入らずんば虎子を得ず、と言うか。

いっその事残り2試合、ソロホームラン2本先にくれてやってさぁ勝負、もいいかと(笑)。


そんなバレンティンを相手に「すごい」ピッチングを見せてくれた永川勝浩。

四者凡退なのは通常営業としても、バレンティンを相手にした時のピッチングはそれこそ「クローザー・永川勝浩」を見たような気がした。ストレートだけでなく、スライダー、シュート、そしてフォークボール。いま彼が投げる事が出来る全てのボールを駆使して、最後は空振り三振。

比較するのは間違いかも知れんけど、またランナー一塁か二塁か、の差もあろうけど、同じ5点差の場面、敬遠策を取らざるを得なかった前田健太と、勝負に行った永川勝浩。経験の差、なのかな。

フォームをアレコレ試行錯誤して、変化球の重きをフォークボールからスライダーにシフトしたのも好影響だったし、それがフォークボールのコントロールにもいい方に影響してるんじゃないかと。

たまに「らしい」所も見え隠れしますが(笑)、もう試合数も少ないし、1イニング限定でしっかりポジションは固定してやってほしい。もうアレコレ試行錯誤している場合じゃない。


そしてこの試合。昨年はタイガース小宮山慎二(チーム内では「コミー」と呼ばれているらしい)に「野球は9回ツーアウトスリーストライクからでも逆転出来る」と言う事を教わりましたが、この試合ではツーアウトランナーなしスリーストライクからでも点が入るって事を教わりました。

と言うか、ほんの僅かの気の緩みかもしれんけど、それが一挙4点につながるんだから分からない。しかもツーアウトからエラーのランナー、そして失点だし、ピッチャーには自責点は一切つかない。付くとしたら中村悠平に「4」か。まぁスワローズに限らず、どこにでもよくある話。明日は我が身。


どんな時も一球入魂。ピッチャーだけじゃなく、ほかの野手も。


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2013.09.11 / Top↑
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