8月10日 第16回戦 広島東洋カープ5-5読売ジャイアンツ
前半戦は殆ど見てません。そらぁ甲子園であれだけいい試合をやっておれば、普通皆みなそっちのほうを見ますわ(笑)。11-10の試合がどうこう、言われる方もおられます。この先、どういう組み合わせが生まれてくるかは籤次第ですが、一回戦に限っては今大会屈指の好カードになるでしょう。
で、その結果が11-10。文句言うたらいかんわな。彼らか必死でボールを追っかけて、打って走って守って投げて、錬磨のの技と熱を披露した結果なんだから。
そもそも、学生野球に多くを求めてもしゃあない。一定レベルの目線で野球を見るのも良いことだとは思う。けどそればっかりにこだわり過ぎるのもあんまり宜しくない、とも思うんだ。所詮は高校生のやる野球なんだし下手くそなんだし何があってもおかしくないんだし。プロでもこんな試合はある。
こう言う試合から「感動」ってのが生まれる。彼らは決して「感動を与えよう、与えたい」などとと思って試合なんかしてない。ただただ「勝ちたい」と言う執念で、必死でボールを追っかけてる。そこから生まれる感情は人それぞれだ。感動は押し付けるものじゃない。心の底から生まれるものだ。
漫画「ドカベン」での、土佐丸高校の犬飼小次郎監督のセリフにこんなのがある。
甲子園大会に一回戦も二回戦もない。すべてが決勝戦だ。
たかだか古い野球漫画のひとコマの中のセリフかも知れない。もちろん原作者の水島新司氏の作った言葉なんだろうけど、言い得て妙とはこれ如何に。トーナメントなんだし、負けたら終わりなんだし。
そのあと一歩がホームベースに届かなかったせいで試合に負けたり、あと1cm届かずにボールかセンター前に抜けてタイムリーヒットになったり。皆その一歩だったり1cmの為に練習をしている。
この必死さ、何で皆プロになったら無くしてしまう、と言うか影を潜めてしまうんだろう。
今日の一勝、明日の一敗、そのストライク、その打席に、それこそ生活がかかってるはずなのにな。ごくたまに「何でこの点差でそんなプレイしか出来んのん?」みたいな凡打凡守が見られる。誰ってわけでもなく、カープ全体にそれが見られる。それこそ「なんか切れてしまったよう」なプレイ。
ジャイアンツにマジックが点灯し、具体的に「セントラルリーグ優勝チームはどこ?」と言うフィニッシュテープが朧気ながら見えてきた。到底カープはそれに届きそうにないし追いつきそうにない。
「クライマックスシリーズ争い」と言う言葉でマスコミはお茶を濁そうとしてる。けど、マジックが「ゼロ」になる日までは、数字的には無理なのかも知れんけど、可能性はあるんだし、大差つけられたからって手を抜いたような事をしてては、絶対に肝心な場面でポカをする。そう言う風に出来てる。
全力プレイがどうのこうの、と言う話にもなるけど、普段から、自分が置かれている状況がどんなであれ、しっかり準備をしておれば、自然と結果はついてくるはずだし、数字は残せるはずなんだ。
そうやって、ようやく「9回のマウンド」にたどり着いたのが永川勝浩ですよ。
野村謙二郎監督の就任以来、急方向転換のせいで、完全に9回のマウンドを剥奪されたようなもんだった。悪い数字でもないのに、無意味に二軍に幽閉され、ついぞ昨年は一軍から呼ばれなんだ。
永川勝浩が「9回のマウンド」に上がったのは2011年10月10日、マツダスタジアムでの対ベイスターズ戦。もっともこの試合のマウンドは「3点ビハインド」と言う場面での登板。どっちかと言えば比較的楽な場面での登板、だったとは思う。登板に楽もへったくれもないですけどね。
しかし、それから1年8か月。やっと、9回のマウンドに帰って来た。あれもダメ、これもおらんようになった、と言う様な消去法みたいな感じではあったけど、とにもかくにも9回、永川勝浩だった。
何もかも変わった。大きく足を上げるフォームは、スワローズの小川泰弘に取られ(違)年俸も全盛時の4分の1にまで下がってしまった。そんな中で、ピッチングフォームを一から作り直した。叩き付けるようなフォークボールよりも、スライダーに活路を見出し、昨年は雌伏の時を過ごした。
そして、一軍に戻ってきて、ここまでに残した数字が3勝0敗2.92。
しかし、打たれた。完璧に打たれた。
案の定、なのかも知れんし、打ったホセ・ロペスを褒める声もあると思う。これも致し方ない。打つか打たれるか、そんな場面でずっと投げてきた人だ。ソロホームラン如きであたふたしてもしゃあない。
そんな姿を12回表のマウンドに上がった今村猛はどう見てたろうな。
ギリギリの勝負の場面でマウンドに上がり続けて164セーブ。現役3位、歴代9位の「スペシャリスト」。一度今村猛は永川勝浩について回ってみてはどうだろう。彼のブルペンでの心構え、終盤のマウンドに上がる為の心身の準備、学ぶ事は多かろうと思うんですがどうでしょう。
もちろん今村猛も、セットアッパーで終わる気もないだろうし、球団も今村猛の「将来」は考えているだろう。試合があるたびにマウンドに上げて「復調を待つ」のもいいだろうけど、投げて結果を出すだけでは治らないものもある。その結果が、長野久義の打席でのボークですよ。
あのボーク、今村猛にとってはプロ入り初ボークだったようですが、それだけ動揺してたって事。これだけは何球投げようが治らない。だいたいからしてそこまでにランナー2人も出してるんだし。
ちなみにこのボーク、一軍二軍通じて「完全なるプロ入り初」。あの前田健太ですら、2007年に二軍で一つ、2008年に一つ、記録してることを考えると、それこそマウンドさばきは一流だった、と言うか昨年はそれだけ落ち着き払ってマウンドに上がってた、今年はそれだけ動揺してる、と言う事か。
「抑えたらきっかけになる」と解説者やアナウンサーはごく安易に言うけど、ここ暫くの今村猛はずっとこんなだ。純粋に打者3人を打ち取った三者凡退は、7月11日以来もう一ヶ月もない。そこからこの試合まで9試合10イニングの間、14被安打8与四球。自責点こそ3点で済んでるけど。
一軍で投げて投げて、きっかけを掴むのを待っている暇はない。何度も何度も書いてるけど、そして今村猛だけが問題じゃないけど、若手選手の成長の為に、1試合を費やすわけには行かない。ペナントレースを犠牲にすえわけには行かない。チームの勝敗に選手の成績もかかってるんだ。
しかし、勝てんで残念がるべき試合なのか、負けんで良かったとホッとすべき試合なのか。
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前半戦は殆ど見てません。そらぁ甲子園であれだけいい試合をやっておれば、普通皆みなそっちのほうを見ますわ(笑)。11-10の試合がどうこう、言われる方もおられます。この先、どういう組み合わせが生まれてくるかは籤次第ですが、一回戦に限っては今大会屈指の好カードになるでしょう。
で、その結果が11-10。文句言うたらいかんわな。彼らか必死でボールを追っかけて、打って走って守って投げて、錬磨のの技と熱を披露した結果なんだから。
そもそも、学生野球に多くを求めてもしゃあない。一定レベルの目線で野球を見るのも良いことだとは思う。けどそればっかりにこだわり過ぎるのもあんまり宜しくない、とも思うんだ。所詮は高校生のやる野球なんだし下手くそなんだし何があってもおかしくないんだし。プロでもこんな試合はある。
こう言う試合から「感動」ってのが生まれる。彼らは決して「感動を与えよう、与えたい」などとと思って試合なんかしてない。ただただ「勝ちたい」と言う執念で、必死でボールを追っかけてる。そこから生まれる感情は人それぞれだ。感動は押し付けるものじゃない。心の底から生まれるものだ。
漫画「ドカベン」での、土佐丸高校の犬飼小次郎監督のセリフにこんなのがある。
甲子園大会に一回戦も二回戦もない。すべてが決勝戦だ。
たかだか古い野球漫画のひとコマの中のセリフかも知れない。もちろん原作者の水島新司氏の作った言葉なんだろうけど、言い得て妙とはこれ如何に。トーナメントなんだし、負けたら終わりなんだし。
そのあと一歩がホームベースに届かなかったせいで試合に負けたり、あと1cm届かずにボールかセンター前に抜けてタイムリーヒットになったり。皆その一歩だったり1cmの為に練習をしている。
この必死さ、何で皆プロになったら無くしてしまう、と言うか影を潜めてしまうんだろう。
今日の一勝、明日の一敗、そのストライク、その打席に、それこそ生活がかかってるはずなのにな。ごくたまに「何でこの点差でそんなプレイしか出来んのん?」みたいな凡打凡守が見られる。誰ってわけでもなく、カープ全体にそれが見られる。それこそ「なんか切れてしまったよう」なプレイ。
ジャイアンツにマジックが点灯し、具体的に「セントラルリーグ優勝チームはどこ?」と言うフィニッシュテープが朧気ながら見えてきた。到底カープはそれに届きそうにないし追いつきそうにない。
「クライマックスシリーズ争い」と言う言葉でマスコミはお茶を濁そうとしてる。けど、マジックが「ゼロ」になる日までは、数字的には無理なのかも知れんけど、可能性はあるんだし、大差つけられたからって手を抜いたような事をしてては、絶対に肝心な場面でポカをする。そう言う風に出来てる。
全力プレイがどうのこうの、と言う話にもなるけど、普段から、自分が置かれている状況がどんなであれ、しっかり準備をしておれば、自然と結果はついてくるはずだし、数字は残せるはずなんだ。
そうやって、ようやく「9回のマウンド」にたどり着いたのが永川勝浩ですよ。
野村謙二郎監督の就任以来、急方向転換のせいで、完全に9回のマウンドを剥奪されたようなもんだった。悪い数字でもないのに、無意味に二軍に幽閉され、ついぞ昨年は一軍から呼ばれなんだ。
永川勝浩が「9回のマウンド」に上がったのは2011年10月10日、マツダスタジアムでの対ベイスターズ戦。もっともこの試合のマウンドは「3点ビハインド」と言う場面での登板。どっちかと言えば比較的楽な場面での登板、だったとは思う。登板に楽もへったくれもないですけどね。
しかし、それから1年8か月。やっと、9回のマウンドに帰って来た。あれもダメ、これもおらんようになった、と言う様な消去法みたいな感じではあったけど、とにもかくにも9回、永川勝浩だった。
何もかも変わった。大きく足を上げるフォームは、スワローズの小川泰弘に取られ(違)年俸も全盛時の4分の1にまで下がってしまった。そんな中で、ピッチングフォームを一から作り直した。叩き付けるようなフォークボールよりも、スライダーに活路を見出し、昨年は雌伏の時を過ごした。
そして、一軍に戻ってきて、ここまでに残した数字が3勝0敗2.92。
しかし、打たれた。完璧に打たれた。
案の定、なのかも知れんし、打ったホセ・ロペスを褒める声もあると思う。これも致し方ない。打つか打たれるか、そんな場面でずっと投げてきた人だ。ソロホームラン如きであたふたしてもしゃあない。
そんな姿を12回表のマウンドに上がった今村猛はどう見てたろうな。
ギリギリの勝負の場面でマウンドに上がり続けて164セーブ。現役3位、歴代9位の「スペシャリスト」。一度今村猛は永川勝浩について回ってみてはどうだろう。彼のブルペンでの心構え、終盤のマウンドに上がる為の心身の準備、学ぶ事は多かろうと思うんですがどうでしょう。
もちろん今村猛も、セットアッパーで終わる気もないだろうし、球団も今村猛の「将来」は考えているだろう。試合があるたびにマウンドに上げて「復調を待つ」のもいいだろうけど、投げて結果を出すだけでは治らないものもある。その結果が、長野久義の打席でのボークですよ。
あのボーク、今村猛にとってはプロ入り初ボークだったようですが、それだけ動揺してたって事。これだけは何球投げようが治らない。だいたいからしてそこまでにランナー2人も出してるんだし。
ちなみにこのボーク、一軍二軍通じて「完全なるプロ入り初」。あの前田健太ですら、2007年に二軍で一つ、2008年に一つ、記録してることを考えると、それこそマウンドさばきは一流だった、と言うか昨年はそれだけ落ち着き払ってマウンドに上がってた、今年はそれだけ動揺してる、と言う事か。
「抑えたらきっかけになる」と解説者やアナウンサーはごく安易に言うけど、ここ暫くの今村猛はずっとこんなだ。純粋に打者3人を打ち取った三者凡退は、7月11日以来もう一ヶ月もない。そこからこの試合まで9試合10イニングの間、14被安打8与四球。自責点こそ3点で済んでるけど。
一軍で投げて投げて、きっかけを掴むのを待っている暇はない。何度も何度も書いてるけど、そして今村猛だけが問題じゃないけど、若手選手の成長の為に、1試合を費やすわけには行かない。ペナントレースを犠牲にすえわけには行かない。チームの勝敗に選手の成績もかかってるんだ。
しかし、勝てんで残念がるべき試合なのか、負けんで良かったとホッとすべき試合なのか。
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2013.08.11 / Top↑
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