開幕戦が映す勝負根性 日本経済新聞

プロ野球が明日開幕する。開幕戦もこのごろは「長いペナントレースの1試合にすぎない」という考え方が支配的で、開幕投手に執着する投手も見あたらない。しかし、年に1度の特別な試合であるのは間違いなく、そこで打つかどうかで野手の勝負強さを占えると私は思っている。

勝負強さといえばなんといっても長嶋茂雄だろう。計17度の開幕戦の通算打率は国鉄・金田正一に4三振というデビュー戦もたたって2割6分2厘。だが本塁打がすごい。引退する年までの5年連続開幕アーチを含め、10本塁打を放っている。

日本シリーズの開幕戦というのもある。通算12度の日本シリーズ初戦で長嶋は4割2分9厘、4本塁打、15打点。私も4度経験した日本シリーズの初戦で2発放ったが、やはり長嶋にはかなわない。

首位打者を何度も取るような技術のある打者は開幕で無安打でも、最後は帳尻を合わせる。開幕を物差しとしたときに計られるのは技術ではなく、気持ちではあるまいか。

私は17度のシーズン開幕戦で、無安打だったのが5度。通算打率2割7分7厘の打者としては上出来だ。技術でなく「何とか1本」という気持ちで打っていたのだろう。今どき精神論を振りかざすと笑われる。ややもすると体罰問題と一緒くたにされて、心を鍛えよ、というと拒否反応に遭いそうだ。

そんなときだからこそ、気持ちの問題を見直したい。今たけなわの高校野球をみて、全般的にプレーが洗練されて、うまくなったなと思う。一方では下手で不格好でノーセンスなのに、妙なしぶとさだけはある、という「ど根性型」の選手がいなくなった。九回表裏の攻防で4点差、5点差がひっくり返る試合が増えたように思うが、これも崩れ始めたら歯止めがきかない精神面のもろさの裏返しではないだろうか。

開幕は144試合のうちの1試合という思想はプレッシャーからの逃避だ。開幕がすべてというほど自分に重圧をかけ、それに打ち勝っていくのでなければ精神は鍛えられない。



いきなり関係ない話で恐縮ですが

「開幕戦」とは言うても、ウエスタンリーグになるとイベントもさまざま。先日観戦に行った雁の巣球場では、始球式こそあったものの、これと言った目を引くようなイベントは無し。昨年の神戸サブ球場での開幕戦では、バファローブル・バファローベルに加えてスラィリーも来場しでのイベント。

カープも、花束贈呈や新人選手銘板取り付けなど、ささやかながらイベントをやってたそうですが、これってよその球団、取り上げなかったナゴヤ球場は阪神鳴尾浜球場はどうなのかな。球場自体の入場料の有料無料も関係すると思いますが、雁の巣球場の開幕は毎回毎回素っ気ないなぁ、などと。

まぁ周囲が盛り上がっても、特に球団やらマスコミが無駄に煽っても、肝心の選手が盛り上がらなんだら、そして試合に勝てなんだら全くもって話にならんのですが。

反面、毎年毎年カープは「周囲だけは」盛り上がりは異常とも思えます。まだ構造的にスッカスカに見えるMAZDA Zoom Zoomスタジアム広島の「新席種」なんざ恒例行事に近いものもあるし、オープン戦最終戦の「鯉祭り」みたいなのも例年通り、になりつつあるし。

特に今年は、誰が仕掛けたのか分からない、開幕戦を見越したであろう「カープ本」の出版ラッシュ。そんなにやいのやいの言うけど、ブームになるほど強いわけでもないし。

そして、開幕三連戦をテレビで見る限り、ファンの盛り上がりやマスゴミの煽りををよそにものの見事な試合。おそらく皆若い選手だから「開幕戦にそんなに肩入れせんでも」という気持ちはあろうけどそれでも何故か、プレイのひとつひとつに「感じるもの」はなかった。

二言目には「気持ちがどうこう」と言う野村謙二郎監督、にしてはあまりにも淡々とした試合内容に思えた。逆転出来なかった影響、そしてひとっつも勝てなかったおかげもありますが、選手から「執着心」みたいなのも感じられなかった。残念ですけどね。

野村謙二郎監督がそう言う方針なんだろうけど、その結果、まる3年結果が出ていないのに、一向に方針転換しようと言う姿勢が見られないのはなんででしょうかね。「静かに燃える」と言えばかっこいいんだろうけど、結果が出ない事には「何やっとんなら!」てことになる。

毎年毎年選手だけで開幕戦前に「決起集会」をやってるみたいではありますが、それが本当に「決起」につながっているか。ここまで結果が出ていない以上、ただの親睦会にしか見えない。


昨夜、NHKでやってたメジャーリーグ開幕戦の中継で解説の田口壮が「開幕戦で一本打ちたいのは万国共通」みたいなことを言うてましたが「あぁ、やっぱりそんなもんなんかな、とも。

「1本打ちたい」「1点取りたい」「早く1勝したい」と言うのは誰しもが持ち合わせてはいる、とは思いますが、周囲の賑やかさをよそに、カープの試合は最終結果としては盛り上がりに欠けた。

以前にも記しましたが、広島東洋カープってのは、スポンサー企業はあっても親会社がありませn。ゆえに、選手一人ひとりが自覚を持ってプレイしない限り、ゼニ勘定は出来ません。なんぼスポンサーにいい顔を向けても、勝てなんだらそれまで、ですよ。男芸者の舞い踊りを見てるわけじゃなし。

ましてや、グッズ売り上げのための材料でもない。毎年毎年知恵を絞って、飽きの来ないようにさまざまなグッズを発売してます。本来はグッズなんか「後付け」みたいなもんなのに、最近のカープと言えば「まずTシャツ」。未だに釣られる人がいのが不思議でなりません。否定はしませんが。


まぁそれはそれで置いといて

結局今年も、何か粛々とジャイアンツにやられてしまいそうな、そんな予感のした開幕三連戦。

相手が悪かったのか、自分たちが悪かったのか。ベンチ内での表情等を見てても、どっちの監督の方が若いのか、と言うようなありさま。ベンチの空気を作るのは選手なのか監督なのか、どっちかは分かりませが、今のカープは選手が皆萎縮してるようにしか見えない。

もっと言えば、誰を相手に野球を、試合をしてるのか分からない。


以下、どれでもクリックして頂ければ是幸い。これからの励みになります。
にほんブログ村 野球ブログ 広島東洋カープへ にほんブログ村 地域生活(街) 中国地方ブログへ
2013.04.02 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://kugyousou.net/tb.php/1634-b9e0a764