何かこう、ホークスって「契約」でもめることが多いですな。

最近では杉内俊哉に向かって「フリーエージェント宣言しても取る球団何かあるわけなかろうが(誇張)」と言い放った小林至(当時編成育成部長)しかり、小久保裕紀(引退)の不可解なジャイアンツへの人身御供トレードとフリーエージェント復帰、それに伴う井口資仁の意味不明の契約覚書。

チームとしては強いんだろうけど「ホークス球団」としては強いのかな、とすら思います。ビジネスに徹してる感のあるファイターズ、義理人情あふれる契約更改「しか出来てない」カープ、その中間にありそうな感じ、に見えますが、実際はそうじゃないのでしょうな。

そしてまた「事件」。静かにオフシーズンを過ごせんのかここのチームわ。



陽耀勲がチーム帯同ボイコット 米挑戦目指し徹底抗戦 スポニチ

プロ野球は1日、沖縄、宮崎の両県で12球団が一斉にキャンプイン。31日、各球団がキャンプ地入りする中で、ソフトバンクの陽耀勲(ヤン・ヤオシュン)投手(30)は宮崎入りしたチームへの帯同をボイコットした。

今季の契約は未更改のままで、陽耀勲はスコット・ボラス氏(60)を代理人につけ、1年後の自由契約を要求。13年オフの大リーグ挑戦が認められるまで、キャンプへ合流しない徹底抗戦の構えをみせた。陽耀勲は球団の保留選手名簿に記載されており、大リーグを含めて他球団への移籍はできない。

陽耀勲側から球団に連絡が入ったのは、キャンプ地・宮崎へ出発するこの日朝。連絡を受けた編成育成担当によると「契約がまとまるまでキャンプには参加できない」と言ってきたという。球団関係者は福岡空港で宮崎行きの航空券を手に待ったが、出発時刻の午後2時10分が過ぎても、姿を見せることはなかった。

「戸惑っているというのが、正直なところ。きょうも(宮崎に)来ると信じていました。メジャーでやりたいとのことですが、うちも戦力と考えているので保留選手名簿に載せている」と石渡茂編成育成部長。陽耀勲とは30日にヤフードームで交渉し、1年後の大リーグ挑戦を訴えられたという。昨季終盤に先発ローテーション入り。9試合で2勝3敗ながら、防御率は1・48と安定感を見せた。来日7年目で開花し始めた外国人左腕に対し、球団側は2年契約で、昨季の1100万円から総額で1億円を超える年俸を提示していた。

事態が急変したのは1月中旬。陽耀勲は代理人を中国人から、松坂(レッドソックスからFA)らが契約するスコット・ボラス氏に変更した。敏腕代理人の要求は1年後に自由契約となり、大リーグに移籍すること。同じパターンで海を渡った外国人選手の例では、最近では中日のチェン(現オリオールズ)がいる。



いきなり関係ありそうな無さそうな話になりますが、この代理人、スコット・ボラス氏も大変ですな、と言うか、スコット・ボラス氏に関わるとろくなことがないのか、と言うた方がいいのか。

松坂大輔はボストン・レッドソックスからフリーエージェントとなったまま未だ無所属状態。アレックス・ロドリゲスは、試合中のナンパ疑惑に加えて「薬物使用」の話まで。どこまでが「代理人のお仕事」なのか未だによく分かりませんが、頭の痛いところではないでしょうか。

それはそれとして

そもそも、シーズン直前になって「メジャーに行きたい」ってどうなんかね、という話。そして台湾・中国文化大学から直接ホークスに入団した陽耀勲を外国人選手扱いするかどうか、って話。

昨シーズン終了後から、ホークスが前任の代理人とどう契約更改交渉を進めたのか、そして契約合意・サインに至ってないにもかかわらず、なぜ安易に途中で代理人の交代を認めてしまったのか。わざわざ話がこじれるように仕組んだのは陽耀勲側、だとは思うんですが(それを狙ったか)、それを認めてしまったホークスにも、それなりに非があると思いますよ。

同じく台湾人として、NPBからMLBに移籍した選手と言えば、昨年のチェン・ウェインの例があるけど、もしかして触発されたか。だとしたらあまりにも安易だよなぁ。まぁないとは思いますが。

チェン・ウェインの場合、陽耀勲と同様に台湾の学生野球(国立台湾体育学院)からドラゴンズ入団。そこから苦労して苦労して、育成選手にまで下がって、一昨年あたりはもう、セントラルリーグの最強左腕。「メジャーリーグに行っていい」と言う空気を作り出しましたよ。

成績で、メジャーに行っていい行ってはいけない、を決めるつもりはないけど、チェン・ウェインの場合「メジャーに行きたい」と言ってから翌シーズン、数字を残した。勝ち負け的には2つの負け越しだろうけど、防御率は2.68。NPB実働5年でも2.59。ドラゴンズは出したくなかったろうけど。

外国人だからいずれ、日本を離れることにあるであろうし、その行き先がどこなのかは分からない。けど、しっかり仕事をした選手が、次のステップを求めるのは自然の流れだろうし、それに相応しい数字を残しておるのならなおさら、ですよ。そして、向こうでも苦労しながら結果を残した。

キャンプをボイコットするんならしてもよかろう。その代わり、チェン・ウェインの前例が頭にあるんなら、2シーズン、誰にも文句をつける隙のないような数字を残すくらいにやるべきですよ。メジャー移籍を、代理人に吹き込まれただのそうでないにしても、ですよ。

意識を高く持つことは悪いこっちゃないと思う。大家友和の例もあるから何とも言えんけど、大家友和の場合はイースタンリーグで最優秀防御率のタイトルを獲得しての「マイナー契約」でのアメリカ移籍。メジャー「移籍」であれ、メジャー「挑戦」であれ、、目に見える形で結果を残さないと。

それにしても、陽耀勲がどう言う意識でNPBに来たのか。ホークスはどういう目的で入断させたのか。これをお互い明確にさせない限り、移籍も出来んだろうし、させてもらえない。

外国籍の選手がドラフト会議でNPBに入団するのには

1.選手契約締結以前に、日本の中学校・高等学校・短期大学等に通算3年以上在学

2.選手契約締結以前に、日本の大学に継続して4年以上在学
3.選手契約締結以前に日本に5年以上居住、社会人野球チームに通算3年以上在籍

やら何やらあります。1に関してはカープでは申成絃、陽耀勲の弟、ファイターズの陽岱鋼、陽耀勲のホークスでの同僚李杜軒、古くは(そうでもないですが)世界の王貞治、がいてます。2では名古屋商科大学の大豊泰昭、奈良産業大学の蕭一傑、近畿大学の林威助。3では、ブラジル出身で5年間、三菱自動車川崎に在籍した玉木重雄などの例があります。

陽耀勲みたいな、他国のプロ野球球団を経ずにNPBに来た選手ってのは、古くは二郭一荘、もう少しあとではタイガースの郭李建夫、あと呂明賜が形式上「ドラフト外」入団、テストで阪神タイガースに入団した鄭凱文の例があります。比較的プロ野球の歴史が浅い台湾の方が多いです。

とりたてて台湾出身選手、と括るつもりはないんですが、他国籍の選手を入団させる場合には、何らかの規約を設けたほうがいいんじゃないかなぁ、とも思ったり。

選手を縛るようなアレになるかもしれけど、最低でも何年かは在籍、あとは球団・選手相互の交渉により移籍は可能、みたいな。日本人選手のフリーエージェント資格みたいな、厳しいものにする必要はなかろうけど、ソレよりも緩和した文言を盛り込むことは出来んだろうかと思います。

言い方は悪いですが、いずれ母国に帰るんだろうし、帰りたくもなるだろうし、何処へ行くにしろ日本を離れるのに変わりはない。しかしながら球団側も、入団させた理由もあろうだろうし、もう少しやれば、と言う思惑もあるだろう。「出来ない」と思っているのであればさっさと契約解除してるだろうし、陽耀勲みたいに7年も在籍させてるってことは、期待値はあるってことですよ。

最初っから助っ人として入団させたのか、外国人を日本人みたいに育てたい、と思って入団させたのか、この辺りがあまりにも曖昧過ぎる。

出身国や所属してた球団が違うから、一概に何とも言えませんが、こんな事象を懸念したのか、先日自殺が報じられた趙成珉は、ジャイアンツと8年契約を締結してた。結局趙成珉は契約を1年残して退団した。ジャイアンツの当初の目的が達成されたのかどうかは推し量れませんが、思い切った契約だったとは思います。それだけ彼に期待してたのかもしれませんけどね。

日本的考えにあるかも知れませんが、陽耀勲のこの成績では、7年間のホークスに対する「義」は果たせてない。と言うか恩義は果たせてない。代理人はあくまでビジネスとして働くだろうけど。


その前に、駄々っ子みたいに引きこもるな、と。どこの誰が「キャンプをボイコットしろ」と言うたのかは知らんけど、30歳にもなって拗ねてる場合じゃない。何もかもを代理人に任せたつもりなんだろうけど、いざ問題が解決してチームに合流、ということになるとこっ恥ずかしいよ。


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2013.02.03 / Top↑
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