北海道日本ハムファイターズからドラフト1位指名を受けていた、花巻東高校の大谷翔平投手が「無事」にファイターズに入団することが決定しました。

何を以て「無事」とするかは人それぞれだとは思いますが、可能性が限りなくゼロに近い状態から「入団」にこぎつけるまでには、本人の葛藤もあろうかと思いますが、ファイターズ球団の「戦略」も多々あったものとも思われます。「投打二刀流」がどこまで本気だったのかは分かりませんが。

いずれにしろ「限りなくゼロ」の状態の選手を「入団」に向けるだけの、実務的になってしまうかも知れませんが、ファイターズ球団の育成システムと管理体制が、大谷投手を動かしたんだと思います。

一時の「夢」だけで「メジャーリーグを目指す」のと、現実的に「プロ志望届」を提出しておきながら、NPB球団は、指名されても一切交渉には当たらない、のはやはり倫理的にはおかしいな、と。いくら「夢」とは言え、プロ野球選手も行き着く所は、故・大沢親分言う所の「職業野球」ですからね。

ただ最近は「目標」と言う言葉を和らげる意味で、やたら「夢」と言い換える傾向にあります。個人的にはこの傾向は気色悪うてしゃあないんですか。夢は叶わなくても「夢に向かってどーたらこーたら」で、美談として扱われます。後一歩で叶わなくても「よく頑張ったね」で済ませてもらえる。

けど夢は夢でしかないし、NPBであれMLBであれ、最終的には「金を稼ぐところ」。野球を仕事とするところですよ。ギャランティーの単位が違うと言われればそれまでですが、手が届くか届かんか分からん所に行くよりも、まず己の力をプロ野球で試す意味でも、日本に残る決断は賛成です。

けどなぁ。ファイターズの「努力」と大谷投手の「決断」を、こう解釈する人がいてました。



仙さん、大谷の心変わりを批判「やっちゃ駄目」 サンスポ

米球界挑戦か、ドラフト1位指名された日本ハム入りか注目されていた花巻東高・大谷翔平投手(18)が9日、岩手・奥州市内で記者会見し、日本ハム入団を表明した。

大谷の決断に対し、国内のプロ野球界では歓迎の声が上がる一方、批判も聞かれた。

中日の中田スカウト部長は「日本ハムに行って良かった。日本の球団に入ってほっとしている」と「金の卵」の国内残留を喜んだ。ソフトバンクの永山スカウト部長は「日本の方が体づくりからきちっとしている」とメリットを指摘。広島の鈴木球団本部長は「こういう前例ができるのは大きなプラス。強行指名する球団が増えるのでは」と、今後のドラフト戦略への影響に言及した。

一方、大谷の心変わりを「やっちゃ駄目」と批判したのは楽天の星野監督。地元東北の逸材だが、メジャー志望表明を受けて指名を断念した。同一リーグの日本ハムが一本釣りする形になり「こんなことをしていたら、ドラフトの意味がなくなる」と手厳しかった。



何でよそのチームの事を「やっちゃダメ」とか言うてるんだろう。

確かに大谷投手はなかなか交渉の席に着かなかったけど、ファイターズ球団側は前々から「ドラフト1位で指名する」と公言してきた。昨年の菅野智之の時は完全に強行指名やったけど、今回は明らかに「戦法」が違った、と言うよりも、ある程度戦法をシミュレーションしてたんだろうな。

最初はスカウトが出て行って、こう来たらこう返して、交渉のこの段階辺りになったら栗山監督が出て行って、みたいな、最初から持久戦覚悟の、熟考に熟考を重ねた交渉だったんでしょう。

その結果が「ファイターズ入団」だったんだから、よそのチームがいちいち口を挟むべきでない。

千葉ロッテマリーンズの林信平運営本部長は「うちはドラフトの時に、決断を尊重して1位候補から外した。球団として今言えるのは、それ以上でもそれ以下でもない。」と言うてる。手を引くか引かないかは球団の判断なのであって、現場監督が口を出すものでもなかろう。

ファイターズは下手したら、2年連続でドラフト1位指名選手が入団しない可能性も無きにしも非ず、と言うギリギリの状態で、正々堂々、正面切って指名した。そこに至るまでには、先に書いたように、交渉の手順やら、提示する内容やら、熟慮されたものがあるはず。それをまず褒めないと。

「メジャー挑戦」と聞いただけで、あっさりと手を引いてしまったイーグルスとは違うんだ。


もしかしてあれか。星野仙一は本当のところ「わしが育てた(かった)」とか言いたいのかな。


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2012.12.10 / Top↑
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