J2鳥取新拠点「YAJINスタジアム」、ほぼ完成 朝日新聞
サッカーJ2のガイナーレ鳥取が、米子市安倍に今春から建設していた「チュウブYAJINスタジアム」が、ほぼ完成した。元日本代表選手の岡野雅行主将(MF)の愛称「野人」を冠した新たな拠点だ。「こけら落とし」の完成記念試合が12月9日に予定されている。
スタジアムは天然芝で、観客収容人数約7400人。この数はJ2基準の1万人以上に達しておらず、夜間照明もないなど課題が残るが、米子はチーム発祥の地。ホームゲームの開催は現在、鳥取市のとりぎんバードスタジアムだが、「県西部でも試合が見たい」などサポーターの声も多く、「サブスタジアム」とする。年間数試合の公式戦の開催を目指し、Jリーグと調整中という。
平地につくると30億~40億円かかるが、小山をすり鉢状に掘って斜面に観客席を設置するといった工夫で、建設費は約3億円。このうち、半分近くはサポーターの寄付や地元企業などの協賛金だ。観客席前列から、試合をする選手までの距離が6メートルほどと近く、試合観戦は臨場感抜群なのが特徴の一つ。隣接地にサッカー場約1.5面分の天然芝の多目的スペースもある。


鳥取県と言えば、印象としては」「東の鳥取、西の米子」でごくわずかな経済圏をわけあっているような印象があります。米子の経済圏、と言うよりも、米子市から鳥取市に行くよりも、西に進んで島根県の松江市や安来市の方が交流が多そうな印象があります。
鳥取駅と米子駅の距離は92.7km。2003年の鳥取県とJR西日本の共同事業による山陰本線高速化事業(最高速度の向上、曲線改良、駅構内分岐器改良、県の一部出資による新製車両投入など)で、JRの特急で1時間前後(最速57分)快速で1時間40分前後(最速1時間27分)。
鳥取県を東西に横断する高速道路はまだなく(山陰自動車道は淀江大山IC以西のぶつ切り開通)、往来は未だに国道9号線とそのバイパス道路、くらいのものでしょうか。
そして鳥取市は人口約20万人、米子市は約15万人。鳥取県が人口約58万人と言う事を考えるとまさに「両極」。県庁所在地が二つあるようなもの。規模は明らか日がしますが、福岡県に福岡市と北九州市と言う「二極」がある、みたいなものでしょうか。
で、その米子市内に建設されるチュウブYAJINスタジアム(やっと本題)。
場所を確認したら、JR境線河崎口駅の近く。パッと見、田んぼと住宅くらいしかありませんが、確かに小山らしいのが。どの程度の小山なのかは分かりませんが、それを削ってのスタジアム建設。
やたら上に向かうバブル最盛期なら、東京ドームみたいなのがドーンと建設されるんだとは思いますが、近年の景気が景気なだけに、地方で100億円とかは投資出来んのでしょうね。
サブスタジアムとは言え、米子市内に建設した、と言うのは、おそらく安来市や松江市、はては出雲市あたりのサッカーファンも考慮してのことでしょうか。島根県内にはまだJFLのチームもなく、デッツォーラ島根と松江シティFCと言う、中国サッカーリーグのチームしかありませんからね。
山を削って、と言う方式でスタジアムまたは野球場等を造る方式ってのは、今年行った球場では、和歌山県の上富田スポーツ公園野球場、高槻市の高槻萩谷総合公園野球場、廿日市市の佐伯総合スポーツ公園野球場があります。もっとも、何処へ行くにも大変ではありましたが(笑)。

上の写真は、今年5月に、上富田スポーツ公園野球場に行った時のもの。バックにテニスコートが写り込んでますが、このさらに山側にサッカー場がありました。ちょうどこんな感じで山を削ったような感じで作られていたように覚えています。なかなかよく考えてるな、とは思いました。
ただ、このチュウブYAJINスタジアムみたいに、都市近郊の小山を削る、と言う発想に基づいた球場は、どこにもなかったように思います。もっとも都市近郊では、ちょっとした小山でも、住宅地にしてしまう傾向があるゆえ、もったいないといえばもったいない。
また、萩谷球場の外野席、上富田スポーツ公園野球場の芝生席は、いずれも外周道路から少し下がったところにありましたが、内野席はいずれもコンクリート造り。観客席全てが外周より下、と言う訳ではありませんでした。佐伯総合スポーツ公園野球場では、削った山肌に登ってた方もいたし。
マツダスタジアム建設の際に「プレキャスト工法」と呼ばれる、事前に成形されたコンクリート部材を組み合わせて建設し、球場本体の建設費を90億円に抑制した話はそこそこ知れ渡ってますが、この、穴掘り工法と言うか何と言うかで建設したらいくら位になってたでしょうな。
もっとも、直径250mくらい、深さ60mくらいの穴を掘るのにナンボほどかかるんかは分かりませんが、2万人前後収容規模のスタジアムを建設しようとするんであれば、何らかのヒントになるんではないでしょうか。ただ、どこにでも、これだけ適度に削れる小山がある、とは限りませんが。
今後、サッカーや野球に限らず、スタジアム建設の何らかのヒントになろうかとは思います。野球場にするのであれば、あとはフェンスで囲んで、そこにスポンサー名を入れればいいだけの事だし。その分、グラウンドに面したフェンスは無地にする、とかいろいろと応用は効くと思います。
あとは、こう言う所って水はけだけかな。それこそ「豪雨の翌日にスタンド崩壊」とかなったら笑うに笑えんし。もっとも、座席を設置してしまえば基礎工事も出来るから、どうにかなるかな。
そして、ここに照明塔を立てて完成。照明塔1本建設するのにどれくらいかかるのかは分かりませんが、それでも通常のスタジアムを建設するのよりも、遥かに安価になるでしょうね。
この発想、ホント全国に広がらんかな。
とは言うものの、旧広島市民球場跡地サッカースタジアム構想には使えんとは思いますが。
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2012.11.28 / Top↑
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