さて<中>に来ました。今回は、前半戦のターニングポイントとも言える、4月28日の「あの試合」から続いた、リリーフピッチャーのお話、であります。



<連載:広島カープはなぜ失速したのか(中)> 東京スポーツ

赤ヘル打線は深刻な適時打欠乏症に苦しみ、最後まで貧打を解消できなかった打線に対し、若きコイ投は昨季から格段の成長を遂げた。

前田健は史上74人目のノーヒットノーランを達成するなど、フル回転で球団史上最高の防御率1・53で最優秀防御率のタイトルを獲得。今や球界を代表するエースとなった。野村も9勝を挙げ、新人ながらローテーションの柱として活躍。右肩痛から復活した大竹は3年ぶりに規定投球回をクリアし、カムバック賞を受賞し、今井もシーズン終盤には来季の飛躍を予想させる投球を見せた。

先発陣の充実ぶりは12球団もトップクラスといっていい。救援陣もサファテを中心に今村、ミコライオで鉄壁の布陣となるはずだった。しかし、肝心のサファテが深くて大きな“穴”となった。

 股関節の手術を受けたためオフに十分なトレーニングを積むことができず、序盤から不安定な投球が続いた。そして“事件”が起きる。4月28日のヤクルト戦(マツダ)だ。

1点リードの9回にマウンドに上がったのはサファテではなくミコライオ。しかしバレンティンに逆転3ランを浴びて敗戦。野村監督は「結果的に裏目に出てしまった」と話しサファテに謝罪したが、その後も守護神で起用することはなかった。この一件で2人の信頼関係に大きな溝ができたのは間違いない。

本来なら3人で回すはずの“勝利の方程式”から大事な1人が抜ければ、残り2人にかかる負担は増大する。特に今村へのしわ寄せは大きかった。本来なら勝ちゲームの8回1イニングを投げるセットアッパーを任せるはずが、回をまたいだり、リードを許した場面でも登板した。

結果的に69試合(85回)とチーム最多の登板数となり、シーズン終盤には蓄積疲労の影響で打ち込まれる場面も見られた。常に今村を気に掛けてきた大野投手チーフコーチは「本当なら役割分担ができればよかったが…」と振り返る。救援陣の層が厚ければ、今村に頼りすぎる状況は避けられたはずだ。

球団側は元中日・久本の獲得に向けた調査に動き出しており、今季中継ぎの経験を積んだ福井を本格的に転向させる案も浮上している。充実した先発陣を生かすためにも、救援陣の補強を成功させなければならない。



正直、何が問題かって「選手への信頼不足」ですよね。それプラス「コミュニケーション不足」とでも言いましょうか。ファイターズの栗山英樹監督が、選手に絶対的信頼を置いて戦っているのんとは大違いですよ。それ以上にファイターズが強い理由はあるんですが、まぁこれは関係ないので(笑)。

いくら「野球は人海戦術」とは言うものの、まるっきり思いつきみたいな選手起用で、試合に勝てるわけがない。いくらヘルニアの手術で若干出遅れたとは言え、昨年からしっかり実績を作ってきてたし、最後に投げることを意気にすら感じてたサーフェイトに「仕打ち」とまではいかんまでも、不信感を与えるような投手起用で混乱させてしまった。しかも試合中に突然、ですからね。

「これこれこうだから」みたいな話は試合前に済ませておかねばいけないこと。それを何の前触れもなしに試合中にやられては、キレても仕方がない。後で話し合い持ったみたいではありますが。

そしてその後もサーフェイトは一軍で投げてくれましたが、決して本調子、とはいかなかった。昨年のそれこそ「鬼神」みたいなピッチングは影を潜めてしまったけど、よく投げてくれました。

しかしながらそのサーフェイト、来年の戦力構想から外れ、言わば「自由契約」になるとか。いくら福井優也のセットアッパー構想があるとは言え、まだ実績を残したわけじゃない。

シーズン最終盤、セットアッパーに関してはぶっちゃけ今村猛が一人で投げてたような印象があった。それだけ毎日毎日投げてました。そして、シーズン終盤になって「後ろ」に回った福井優也の登板といえば、9月半ば以降たった4試合。ギリギリの場面で投げることの多いセットアッパーのテストとしては最適だったんじゃないか。ここで何故マウンドに上げなかったのか理解に苦しみますよ。

サーフェイトの処遇が未だ不透明です。タイガースは「(怒ってないけど)撤退」みたいな記事を見ましたが、調子が悪いなりに2.90の防御率を残せるセットアッパーはカープにはなかなかおらん。

これだけの実績を残したピッチャーを、みすみす手放すこともなかろうと思いますよ。福井優也を将来的にどう使いたいのかは知らんけど、せめてセットアッパーとして一本立ちしてからリリースしてもいいんじゃないか。勝手に計算しておいて、みたいなのもカープではよくあること、ではありますが。

記事の最後に「季中継ぎの経験を積んだ福井」とあるけど、まだ実績を残したわけじゃない。もしかしたら、残せないまま来シーズン、終わるかも知れん。配置転換だけして喜んでる場合じゃない。

一年間投げてみて、よかろうが悪かろうが数字を残して、それがようやく「実績」になるんですよ。そのことを考えたら、今シーズンの福井優也のリリーフ登板は「経験」どころか「体験版」ですよ。

福井優也のセットアップが「ダメ」だった時の保険、それこそ「補強」として、サーフェイトを残留させておくのも「作戦」ではあると思うんですがいかがでしょう。しかし、いたらいたで頼りきってしまうのが、ピッチャーにしろバッターにしろ、カープの悪いところではありますが。


それと、記事中にある大野(前)コーチのコメント。

「本当なら役割分担ができればよかったが(ゴニョゴニョ)」

言いたいことは山のようにあったんだろうな、とは思います。あの監督ですからね。このコメントを聞く限り、ピッチャーの役割分担どころか、コーチの役割分担すら満足に出来てなかったんじゃないかな、と言うのが読み取れます。「ヘッドコーチ」の肩書きを外されたのも、あの監督のせいかなぁ。

とは言え、ヘッドコーチって、チーム全体を見んし、戦略云々にも関わってくるだろうから、投手コーチと兼任、はまず無理だろうな、とは思いましたけどね。


どっかでも書きましたが、今シーズン、カープのどの選手からも「監督のおかげ」とかそういう言葉がなかった。この辺にも「監督への信頼度」が表れているのかな。その逆もまた真なり、ですが。


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2012.11.02 / Top↑
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