正直な話、「色紙その他にサインを書いてもらう風習」が、いつ頃始まったのかは定かではありませんが、始めた人、最初に書いた人って、ただ漠然と「えらいなぁ」と思ったりします(笑)。
やらされファンサービスの不幸 日本経済新聞
どの球団もキャンプでのファンサービスに力を入れ、サイン会に並ぶファンの列を目にするようになった。「今日は誰々のサイン会」と設定し、ファンの便宜を図るのだが、この「やらされサービス」が選手、ファン双方のためになっているかは疑わしい。
選手にとっては練習で疲れきったあとの“残業”。事務的に右から左にサインを書き流し、相手と目も合わせない選手がいる。いまどきは役所の人でも、書類を出したら愛想笑いくらいはしてくれるというのに……。
ソフトバンク時代の城島健司がこどもに声をかけ、頭をなでてやっていたことが、いいサイン会の例として思い出されるが、残念ながら「仕事でやっています」という顔の選手が少なくない。ファンは「こんな人だったのか」と幻滅するばかりだ。
私の経験ではきちんとしたペン使いに、愛想をおまけしてサインできるのは一度に20枚から30枚。だから球団もあまりお仕着せをせず、選手がその気になったときにやらせればいいのではないだろうか。
そもそも今は練習が長く、選手が仏頂面になるのも致し方ない面がある。球団にもよるけれど、かつては大体午前10時から始まり、午後2時くらいには終わっていた。
今はアーリーワークといって早朝練習をしたうえ、暗くなるまでやる。表向きには自主練習とされるメニューでも「みんながやっているから俺も」という感じで取り組んでいる選手が相当いる。
打撃用の手袋やテーピングなどサポート用品の進歩が、長時間練習を可能にし、手のマメがつぶれようが打ちこめるようになった。それも善しあしだ。手だけは手袋で守れても、実は足腰がパンクしかけているかもしれない。
バランスを崩したままむやみにスイングし続けても、悪い癖がつくだけのこと。手の保護が十分でなかったころは我慢にも限界があるし、マメが破れたらおのずとバットをおかなくてはならなかった。
あれは「これ以上やるとまずい。そろそろ休み時だよ」という肉体からの重要な警告だった。練習もサイン会も、自然に任せるのがいいのではないか。
ユニフォームを着てる時着てない時、いつどこで、どうやってサインを貰おうか、と試行錯誤するのはファン心理の最たるものではある、とは思います。そうそう選手との「接近遭遇」はないですからね。
で、どこでサインをもらうか。二軍の話になりますが。
あじさいスタジアム北神戸であれば、試合前に、本球場の横のサブグラウンドでウォーミングアップ中の選手から、ごく稀にもらう事が出来ます。あとは、試合後の移動バスに乗る前とか。
阪神鳴尾浜球場であれば、試合後の移動のタクシーに乗る前。選手は正面から出てきます。ただ、距離が短いので、人気選手はなかなか捕まらないことも多く、かなり難しいかも知れません。
鳴尾浜球場で印象的だったのが、今を遡ること10数年前、同じようにタクシーに乗る直前にサインをせがまれた田村恵(現:九州地区担当スカウト)が、汗だくになって大荷物を抱えながらも、サインを書いて、律儀に頭を下げていたのを覚えてます。今のスカウト業に生かされてるかなぁ(笑)。
ナゴヤ球場であれば、試合後のクールダウンの後とか。ドラゴンズの選手も、ネット越しにボールのやりとりとかしてますからね。中には、誕生日プレゼントを、まるでブーケトスみたいにグラウンドに向かって投げる人とかもいたり。ここが一番「らしいといえばらしい」かなぁ。
雁の巣球場は、球場の選手関係者出入口から、移動用のバスが停ってる場所まで、結構な距離があるので、サインのみならず、記念撮影にも応じてくれる選手もいたりします。
由宇練習場は‥‥そらぁカープの本拠地球場ですから、ぶっちゃけそこいら中にごく普通に選手がいてます。当たり前ですけどね。駐車場から球場までの階段で練習してたり、試合中もスタンド内の「コンコース」を黙々とランニングしてる選手がいたり。一番貰いやすいっちゅうたら貰いやすいかな。
いずれの場合も「仕事中」ですから、決して無理強いはだめですよ。選手は「朝宿舎を出て、夕方もしくは夜、宿舎に帰るまでが試合であり、プロ野球選手としての使命」なんだし、サインは「書いて当たり前」じゃなく「書いてもらうもの」ですからね。
個人的に、サインをもらったことがあるのは、選手がプライベートの時の方が多いです。
廣瀬君と、上村君、そして昨年引退してしまった長谷川昌幸にサインをもらったことがありますが、廣瀬君はご家族で食事に来られてた時、長谷川昌幸は奥さんと二人で飲みに来られてた時、上村君は「デート中」と言う、何とも間の悪い時。長谷川昌幸と上村君の時は「仲介者」がいてましたが。
それでもやっぱり、どんな状況であれ、ただ漠然と「サイン下さい」じゃちと失礼かな、と。特にプライベートの時なんかは「お休みのところ申し訳ないですが、一筆お願い出来ますか?」くらいの事は言えるようにはなりたいな、と思います。選手とファン、とは言え「礼儀」は弁えたいですよ。
かと言って、ユニフォームを着てるときは、対応は適当でええんか、となればそうじゃない。やはり「お疲れのところ申し訳ないですが」くらいはあってもいい。球場によってはただ「サインちょーだい」と喚くだけのガキンチョもいますが、やはり書いてもらうにも、気持ちよく書いてもらいたいし。
そして、書いてもらったら「ありがとうございます」はあっても当たり前。サインは、手っ取り早い「ファンサーヴィス」ではあるけど、決して「書いて当たり前」「書くのが選手の義務」じゃないですからね。
どっかの監督さんは、誰に言われたんか、練習そっちのけでサイン書きに没頭してますが。
そうやって苦労してもらったサインはやはり幾つになっても「宝物」です。
以下、どれでもクリックして頂ければ是幸い。これからの励みになります。
やらされファンサービスの不幸 日本経済新聞
どの球団もキャンプでのファンサービスに力を入れ、サイン会に並ぶファンの列を目にするようになった。「今日は誰々のサイン会」と設定し、ファンの便宜を図るのだが、この「やらされサービス」が選手、ファン双方のためになっているかは疑わしい。
選手にとっては練習で疲れきったあとの“残業”。事務的に右から左にサインを書き流し、相手と目も合わせない選手がいる。いまどきは役所の人でも、書類を出したら愛想笑いくらいはしてくれるというのに……。
ソフトバンク時代の城島健司がこどもに声をかけ、頭をなでてやっていたことが、いいサイン会の例として思い出されるが、残念ながら「仕事でやっています」という顔の選手が少なくない。ファンは「こんな人だったのか」と幻滅するばかりだ。
私の経験ではきちんとしたペン使いに、愛想をおまけしてサインできるのは一度に20枚から30枚。だから球団もあまりお仕着せをせず、選手がその気になったときにやらせればいいのではないだろうか。
そもそも今は練習が長く、選手が仏頂面になるのも致し方ない面がある。球団にもよるけれど、かつては大体午前10時から始まり、午後2時くらいには終わっていた。
今はアーリーワークといって早朝練習をしたうえ、暗くなるまでやる。表向きには自主練習とされるメニューでも「みんながやっているから俺も」という感じで取り組んでいる選手が相当いる。
打撃用の手袋やテーピングなどサポート用品の進歩が、長時間練習を可能にし、手のマメがつぶれようが打ちこめるようになった。それも善しあしだ。手だけは手袋で守れても、実は足腰がパンクしかけているかもしれない。
バランスを崩したままむやみにスイングし続けても、悪い癖がつくだけのこと。手の保護が十分でなかったころは我慢にも限界があるし、マメが破れたらおのずとバットをおかなくてはならなかった。
あれは「これ以上やるとまずい。そろそろ休み時だよ」という肉体からの重要な警告だった。練習もサイン会も、自然に任せるのがいいのではないか。
ユニフォームを着てる時着てない時、いつどこで、どうやってサインを貰おうか、と試行錯誤するのはファン心理の最たるものではある、とは思います。そうそう選手との「接近遭遇」はないですからね。
で、どこでサインをもらうか。二軍の話になりますが。
あじさいスタジアム北神戸であれば、試合前に、本球場の横のサブグラウンドでウォーミングアップ中の選手から、ごく稀にもらう事が出来ます。あとは、試合後の移動バスに乗る前とか。
阪神鳴尾浜球場であれば、試合後の移動のタクシーに乗る前。選手は正面から出てきます。ただ、距離が短いので、人気選手はなかなか捕まらないことも多く、かなり難しいかも知れません。
鳴尾浜球場で印象的だったのが、今を遡ること10数年前、同じようにタクシーに乗る直前にサインをせがまれた田村恵(現:九州地区担当スカウト)が、汗だくになって大荷物を抱えながらも、サインを書いて、律儀に頭を下げていたのを覚えてます。今のスカウト業に生かされてるかなぁ(笑)。
ナゴヤ球場であれば、試合後のクールダウンの後とか。ドラゴンズの選手も、ネット越しにボールのやりとりとかしてますからね。中には、誕生日プレゼントを、まるでブーケトスみたいにグラウンドに向かって投げる人とかもいたり。ここが一番「らしいといえばらしい」かなぁ。
雁の巣球場は、球場の選手関係者出入口から、移動用のバスが停ってる場所まで、結構な距離があるので、サインのみならず、記念撮影にも応じてくれる選手もいたりします。
由宇練習場は‥‥そらぁカープの本拠地球場ですから、ぶっちゃけそこいら中にごく普通に選手がいてます。当たり前ですけどね。駐車場から球場までの階段で練習してたり、試合中もスタンド内の「コンコース」を黙々とランニングしてる選手がいたり。一番貰いやすいっちゅうたら貰いやすいかな。
いずれの場合も「仕事中」ですから、決して無理強いはだめですよ。選手は「朝宿舎を出て、夕方もしくは夜、宿舎に帰るまでが試合であり、プロ野球選手としての使命」なんだし、サインは「書いて当たり前」じゃなく「書いてもらうもの」ですからね。
個人的に、サインをもらったことがあるのは、選手がプライベートの時の方が多いです。
廣瀬君と、上村君、そして昨年引退してしまった長谷川昌幸にサインをもらったことがありますが、廣瀬君はご家族で食事に来られてた時、長谷川昌幸は奥さんと二人で飲みに来られてた時、上村君は「デート中」と言う、何とも間の悪い時。長谷川昌幸と上村君の時は「仲介者」がいてましたが。
それでもやっぱり、どんな状況であれ、ただ漠然と「サイン下さい」じゃちと失礼かな、と。特にプライベートの時なんかは「お休みのところ申し訳ないですが、一筆お願い出来ますか?」くらいの事は言えるようにはなりたいな、と思います。選手とファン、とは言え「礼儀」は弁えたいですよ。
かと言って、ユニフォームを着てるときは、対応は適当でええんか、となればそうじゃない。やはり「お疲れのところ申し訳ないですが」くらいはあってもいい。球場によってはただ「サインちょーだい」と喚くだけのガキンチョもいますが、やはり書いてもらうにも、気持ちよく書いてもらいたいし。
そして、書いてもらったら「ありがとうございます」はあっても当たり前。サインは、手っ取り早い「ファンサーヴィス」ではあるけど、決して「書いて当たり前」「書くのが選手の義務」じゃないですからね。
どっかの監督さんは、誰に言われたんか、練習そっちのけでサイン書きに没頭してますが。
そうやって苦労してもらったサインはやはり幾つになっても「宝物」です。
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2012.02.24 / Top↑
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