豊田泰光さんの現役時代と今。プロ野球選手の「資質」はどう変わってるんでしょうか。



自ら学び、育ってこそプロ 日本経済新聞

キャンプインの報が届くと、若かりしころのキャンプの思い出がよみがえってくる。坂の上にあった球場まで、ボールやバットなどの用具を担いで登ると、もうへとへと。これではただの雑用係、いつになれば野球をさせてもらえるのか、と思うばかりの日々だった。

(中略)

手取り足取り教えてくれるような先輩ばかりでは、今の私はなかった。コーチ時代の経験も含めて言うと、伸びるやつは勝手に学び、ひとりでに育つものだ。教えられて伸びるやつはまずいない。

昔の突き放したやり方は随分乱暴だけれど、個人の才覚を自然と引き出していた。同時に、人間トータルの器を測るテストになっていた。理不尽な関門とはいえ、そこをくぐり抜けた者は確かにレギュラーを取っていた。

プロには「教える」「育てる」はない。「学ぶ」と「育つ」があるのみ。何でも自分で考え、実践しなくては。プロの一歩を踏み出す新人たちに、その覚悟をしておいてほしい。



よくスポーツ新聞等で、監督やコーチが身振り手振りどころか、足の位置までわざわざ手を添えて支持指導してる写真が載ってたりしますが、あれって何となく気色悪いなぁ、などと思います(笑)。

気色悪い、と言うたら語弊がありますが。「プロ野球選手の指導に、そこまでせんならんか」と思うんですな。「手取り足取りの熱血指導」とは言うけど、ホンマに手も足もとってどうすんねん、と。

そんなことはシーズンオフの「野球教室」でやってくれ。

昔は、選手間で教えを請うときにも「勝手に盗め」だの「自分で考えれ」みたいなのが普通に横行してたように思います。阪急ブレーブスの立光宏投手と山田久志投手のうやりとりとか有名ですわな。

特定の変化球を教えて回る「臨時コーチ」みたいなのが流行りだしたのんって、いつ頃からでしょうね。あんなの、正式に契約してる投手コーチへの侮辱以外のナニモノでもないと思うんですが。

実際、キャンプとかに入っても、伝わってくる記事ってのは「○○が早くも柵越え×本」だの「△△が早くもブルペンで●球」だのと言った記事が大半ですよ。

そらぁ、新聞は売ってナンボやから、派手に書き立てたくなるのも分からんでもないですが、キャンプで何本ホームランかっ飛ばそうが、ブルペンで何球投げようが、一銭にもならんっちゅうねん。



前の記事で、大絶賛フォーム改造中の今村君の記事を取り上げましたが、本来こう言う事を取り上げたほうがいいと思いますよ。ただでさえ勘違いする首脳陣の多いチームやのに(笑)。

さらに言うてしまえば、キャンプに「練習メニュー」なんかいらんのですよ。皆「プロ」なんだから、せんならんことは承知してるはず。自分で考えながら、試行錯誤しながら、あーでもないこーでもない、と言いながら頭抱えながら練習したらいいんですよ。コーチはその「手伝い」程度でいいんだ。

みーんな悩んで大きくなった! 野坂昭如

投げたい奴は納得するまで投げればいいし、バットを振りたい奴は朝から晩まで振ってればいい。もちろん、それをやる為の「ぶっ壊れない体」が出来上がっておれば、の話ですが。

選手は多かれ少なかれ「こうなりたい」と言う願望は持っているはず。しかしながら、野村謙二郎カープは、何となしに「無理やり首脳陣の考え通りの選手を作ろうとしてる」ような気がしてなりません。

伸びたい方向に伸ばす、そして伸ばしてやる。放っていおたらいいんですよ。コーチの指導なんざ「1から」じゃなくていいんですよ。7~8くらいの所で、「切っ掛け」を示すくらいでいいんですよ。

雑草は勝手に根付いて勝手に日のある方向に伸びて、勝手に花を咲かして、勝手にまた種を落とします。言い換えれば、選手が自ら学んだこと、それを他の選手が勝手に取り込んで自分のモノにする。そして花を咲かして、それを他の選手が真似をしてまた育つ。これが大事だと思いますよ。

「芸のためなら女房も泣かす」てな歌の歌詞がありましたが、「成長の為なら先輩も騙す」コレくらいの「ズル賢さが欲しい、それもまた「競争」と思うのはちょっと強引すぎますかね。

ぶっちゃけ、選手同士仲の良いこと、これは大変良いことだとは思いますが、それは「人間同士」の上での話。もっと「プロ野球選手同士」の、ギラギラしたような切磋琢磨、も足りない気もします。


何にしろ、安易な妥協だけは、すべきじゃないですよ。


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2012.02.04 / Top↑
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