

第48回社会人野球日本選手権最終日、優勝決定戦を迎えました。


今年は例年よりもかなり早く始まり、11月中に終了。本来ならこの後、近畿地区では、兵庫県知事杯争奪大学・社会人野球大会等があったりするんですが、今年は日本選手権期間中に終了。JABA公式戦としてはこの試合が本当に最後。2023年の掉尾を飾る試合となります。


相対するは、2大会ぶり3度目の優勝を狙う大阪ガスと、15回目の出場で初優勝を目論むHonda熊本。西日本地区のチーム同士のy対戦。とかく社会人野球は、関東地区のチームがクローズアップされがちではありますが、こう言う試合を通して、もっともっと大きく取り上げて欲しいなぁ、とも。






そして、高校野球や大学野球に比べ、社会人野球は、アマチュア野球では比較的過小評価されがちのようにも思います。人によっては「プロ野球に進めなかった人の集まり」と言う見方もされます。






確かに、高校野球や大学野球を終え、プロ野球ドラフト会議で指名されなかった選手が「社会人野球で力を付けてから」と言う目的で、社会人野球に身を投じる例も少なくありません。ただ、社会人野球は社会人野球で、大変です。朝から晩まで野球をさせてもらえる訳ではない。シーズンオフや大会のない日は通常業務も当然あります。野球以外に覚えなければいけない事はたくさんあります。






怪我をしても、自身で面倒を見なければいけませんし、練習をするにも、コーチが付きっきりと言う事もありません。目標をプロ野球に置いているのであれば、常に意識を高く持っておかねばいけません。そんな厳しい環境を勝ち抜いた者だけが、プロ野球に進めるものだ、と考えています。






社会人野球、特に企業チームの選手の皆さんの「現役生活」は非常に短いです。3年、5年でユニフォームを脱がざるを得ない選手もおられます。その短い間に、如何に光り輝くか。どれだけ、自らの野球への想いをグラウンドで表現する事が出来るか。それが社会人野球の「熱」だとも思います。
スターティングオーダー
先攻:Honda熊本
1(右)山本卓弥 (神村学園高等部~亜細亜大学)
2(中)中島準矢 (鹿島高校~筑波大学)
3(三)稲垣翔太 (明豊高校)
4(一)古寺宏輝 (大阪桐蔭高校~関東学院大学)
5(指)宮川海斗 (佐久長聖高校~上武大学)
6(二)石井 元 (履正社高校~明治大学)
7(左)山本力也 (熊本工業高校~専修大学)
8(捕)丸山竜治 (熊本工業高校~熊本工業高等学校 )
9(遊)井上 剛 (佐 久長聖高校~立教大学)















投:横川楓薫 (日南学園高校~東海大学)
後攻:大阪ガス
1(右)橋本典之 (出雲高校~慶應義塾大学)
2(二)峰下智弘 (佐賀学園高 - 近畿大学)
3(中)清水聖也 (智辯学園高校~東北福祉大学)
4(指)三井健右 (大阪桐蔭高校~立教大学)
5(一)花本太紀 (東大阪大学柏原高校~創価大学)
6(左)山川晃汰 (長崎商業高校~近畿大学)
7(三)吉澤一翔 (大阪桐蔭高校~早稲田大学)
8(遊)髙波寛生 (川越東高校~関西学院大学)
9(捕)高橋佑八 (龍谷大学附属平安高校~関西大学)















投:大宮隆寛 (鳥取城北高校~東洋大学)
審判員








球審:堀口 一塁:那須健 二塁:近藤 三塁:太田
成績
1回表




山本卓 1―0から2球目を打ってセカンドゴロ







中島 フルカウントから7球目を打ってセカンドゴロ







稲垣 初球を打ってセンター前ヒット




古寺 1―0から2球目を打ってショートフライ









1回裏







橋本 1―2から4球目を見逃し三振




峰下 2―1から4球目を打ってファーストゴロ




清水 初球を打ってライトフライ
2回表







宮川 1―2から4球目を打ってセンター前ヒット






次打者石井の初球(空振りストライク)にヒットエンドラン失敗ファーストランナー宮川戻れずタッチアウト







石井 2―2から5球目を打ってピッチャーゴロ







山本力 2―1から4球目を打ってショート深い所への内野安打







丸山 3―1から5球目を打ってファーストゴロ
2回裏




三井 2―1から4球目を打ってショート内野安打




花本 1―1から3球目がデッドボール




山川 0―2から3球目を打ってピッチャーゴロ




吉澤 1―1から3球目を打ってセンター前タイムリーヒット
大阪ガス1―0Honda熊本
高波 初球を打ってピッチャーゴロ サードランナータッチアウト




高橋 2―2から5球目を打ってセカンドタイムリー内野安打



大阪ガス2―0Honda熊本




橋本 1―2から5球目を空振り三振
3回表




井上 初球を打ってファースト内野安打







山本卓 2―2から6球目を打ってセンター前ヒット







中島 初球をピッチャー前送りバント








稲垣 初球を打ってライトオーバー3ランホームラン












大阪ガス2―3Honda熊本




古寺 1―2から4球目を空振り三振




宮川 2―1から4球目を打ってサードライナー
3回裏




峰下 1―0から2球目を打ってファーストゴロ







清水 初球を打ってセンター前ヒット




三井 0―1から2球目を打ってセンター前ヒット
花本 初球を打ってセカンドゴロセカンドフォースアウト







山川 初球を打ってセンター前タイムリーヒット
大阪ガス3―3Honda熊本




吉澤 S3―1から5球目を打ってライト前ヒット




高波 初球を打ってセンター前タイムリーヒット






大阪ガス5―3Honda熊本




高橋 1―1から3球目を打って左中間へタイムリーツーベースヒット



大阪ガス7―3Honda熊本



バッターランナー高橋はサードタッチアウト






4回表







石井 1―1から3球目を打ってセンター前ヒット







山本力 0―1から2球目をサード前送りバント




丸山 初球デッドボール







井上 0―1から2球目をピッチャー前送りバント




山本卓 フルカウントから9球目を打って左中間へタイムリーツーベースヒット






大阪ガス7―5Honda熊本




中島 初球を打ってライト前ヒット




稲垣 2―1から4球目を打ってファーストゴロ
4回裏
Honda熊本選手交代















ピッチャー横川に代えて島袋圭亮(沖縄工業高校~九州共立大学)







橋本 1―1から3球目を打ってファーストゴロ




峰下 1―2から4球目を打ってサード内野安打




清水 1―2から4球目を打ってライト前ヒット




三井 初球を打ってサードゴロダブルプレイ
5回表
大阪ガス選手交代



















ピッチャー大宮に代えて宮本大勢(大阪体育大学浪商高校~大阪体育大学浪商高校)




古寺 0―2から4球目を打ってピッチャーゴロ







宮川 初球を打ってセンター前ヒット




石井 0―2から4球目を空振り三振




山本力 2―2から5球目を見逃し三振
5回裏
花本 3―1から5球目を選んでフォアボール
山川 1―2から4球目を打ってライトフライ
吉澤 1―1から3球目を打ってライト前ヒット
高波 ストレートのフォアボール




高橋 1―2から7球目を空振り三振




橋本 3―0から4球目を選んで押し出しフォアボール



大阪ガス8―5Honda熊本










峰下 初球を打ってセカンドゴロ
6回表




丸山 1―2から4球目を空振り三振







井上 2―2から5球目を空振り三振




山本卓 フルカウントから7球目を打ってレフト前ヒット










中島 初球を打ってライト前ヒット ファーストランナーはサードへ




稲垣 1―1から3球目を打ってセンター前タイムリーヒット






大阪ガス8―6Honda熊本








古寺 0―1から2球目を打ってライトフライ
6回裏
Honda熊本選手交代















ピッチャー島袋に代えて片山雄貴(福岡工業大学城東高校~駒澤大学)
清水 0―1から2球目を打ってショートゴロ




三井 2―1から4球目を打ってファーストゴロ
花本 2―0から3球目を打ってセンターフライ
7回表










宮川 1―1から3球目を打ってセンターフライ




石井 1―2から4球目を空振り三振














山本力の代打和田裕生(福岡大付属大濠高校~専修大学) 0―1から2球目を空振り三振
7回裏


Hpnda熊本選手交代
代打和田に代えてセンター北村優(下関工業高校~北九州市立大学) センター中島がライト




山川 2―1から4球目を打ってライトフライ








吉澤 2―2から8球目を打ってセンターフライ




高波 1―2から5球目を打ってピッチャーゴロ
8回表
大阪ガス選手交代















ピッチャー宮本に代えて稲垣豪人(日本文理高校~東京農業大学)







丸山の代打蓑尾海斗(日南学園高校~明治大学) 1―2から4球目を打ってピッチャーゴロ
井上 初球を打ってサード強襲内野安打











山本卓 2―0から3球目を打ってサード後方ツーベースヒット




中島 0―2から3球目を打ってショートタイムリー内野安打






大阪ガス8―7Honda熊本




稲垣 1―2から4球目を打ってセカンドフライ








古寺 初球を打ってサードゴロ
8回裏
Honda熊本シート変更
代打簑尾がそのまま入りキャッチャー







高橋 0―2から5球目を打ってセンター前ヒット







橋本 1―0から2球目をピッチャー前送りバント




峰下 2―1から4球目を選んでフォアボール







清水 0―2から4球目を打ってショートゴロセカンドフォースアウト




三井 初球を打ってセンター前タイムリーヒット



大阪ガス9―7Honda熊本
花本 0―2から4球目を打ってセンターフライ
9回表
大阪ガス選手交代



レフト山川に代えて室屋太郎(鹿児島実業高校)




宮川 1―2から4球目を打ってライト前ヒット
Honda熊本選手交代
ファーストランナーに代えて江﨑大輔(佐賀商業高校~関東学院大学)






次打者の2球目前にファーストランナー牽制タッチアウト




石井 3―1から5球目を打ってセンターフライ




北村 1―2から4球目を打ってセンター前ヒット
簑尾 0―2から3球目を打ってライト前ヒット










井上 1―1から3球目を打ってライトフライ














大阪ガス硬式野球部、2大会ぶり3度目の社会人野球日本選手権優勝!おめでとうございます!









Honda熊本
003 201 010 7 H19 E0
025 010 01X 9 H14 E0
大阪ガス
試合開始13:07 試合終了15:42

両チーム合計33安打。予想通りの「殴り合い」になりました。取れば取り返す、取られれば取り返す。息詰まる投手戦もいいですが、今年最後の、たった2チームしか立つ事の許されない、社会人野球日本選手権優勝決定戦の舞台。両チームとも、思う存分、戦えたんではないかと思っています。



毎年のようにプロ野球選手を輩出しているにも関わらず、安定した戦力を誇る大阪ガス硬式野球部。ここ5大会で3度目の優勝。チームの強化策、そして練習内容共に、群を抜いている存在。



もちろん、まだまだこの先も「黄金時代」は続くものと思われます。大阪府のみならずm、近畿地区、そして全国での「目標」であり、最大のターゲットになるのは必至。ただそれが、大阪ガスと言う会社内だけのモノになりつつある事は少し残念。社会人野球の先頭に立つチームとして、強いだけでなく、もっともっと盛り上げ役にも徹して頂きたい、と考えていますがどうでしょう。



そして、一昨年の都市対抗野球大会に続いての準優勝に終わってしまったHonda熊本硬式野球部、ですが。その強打豪打は全く衰えていませんでした、これもまたチームの方針化と思いますが、そして負けてはしまいましたが、野球は点を取ってナンボ、を改めて認識させられました。






何かと、関東地区のチームが引き合いに出される事も多いです。なかなか九州。熊本まで観に行く事は叶いませんが、いつかこのチームが、日本一になる所を見たいです。それが九州の、そして西日本の社会人野球の活性化に繋がれば。そして、中国地区の刺激になれば、と考えています。
閉会式








賞状とダイヤモンド旗授与 受けるのは公家響主将。




佐伯達夫杯授与 受けるのは秋山遼太郎副主将。




大阪市長杯授与 受けるのは室屋太郎選手。




来年の社会人野球日本選手兼までユニフォームに付ける事の出来る優勝エンブレム授与 受けるのは髙波寛生選手。




ダイヤモンド旗は返還せねばいけないのでチャンピオンフラッグ授与 受けるのは三井健右選手。




準優勝盾授与



優勝・準優勝両チームに贈られる大阪シティドーム賞




優勝メダル・準優勝メダル授与






最高殊勲選手賞は大阪ガス・稲垣豪人投手。




敢闘賞はHonda熊本・片山雄貴投手。




首位打者賞は大阪ガス、三井健右選手。成績は18打数9安打。




打撃賞はHonda熊本・井上剛選手。成績は三井選手と同じ打率5割ながら、ヒット数が三井選手の方が多かったから、とか。
応援団コンクール表彰 今年から設定されたそうですが、こう言う事は事前に公表しておいた方がいいと思いますが如何でしょう。




最優秀賞は大阪ガス応援団。




優秀賞はENEOS応援団。








戦いは終わりました。緊張感はいつの間にか霧散し、歓喜の声を上げる選手、悔し涙に暮れる選手。悲喜こもごもではありますが、どの選手にも今年1年間を走り切り、最後まで試合をする事が出来た、と言う安堵感のようなものを感じました。これもまた、アマチュアスポーツの良さかな。








個人的には、Honda熊本の優勝が観たかったな。特に、一昨年の都市対抗野球大会優勝決定戦を見ているだけに「どうにかして勝たせてあげたい」とは思ってました。残念ながら準優勝に終わりましたが、中国地区への思い入れとはまた別に、このチームが一番になる所を見たい、と思いました。








大学の先輩後輩、高校の先輩後輩、チームの枠を越え、健闘を称え合う選手。「次当たった時は負けないよ」とも言ってるのかな。こう言うシーンも、アマチュア野球ならでは。あえて申し上げるなら、優勝したチーム、準優勝のチームからも「勇退者」が出るのはちょっと寂しいですけどね。


今年も無事、1年が終わりました。個人的ではありますが、今年「も」よい1年を過ごさせていただきました。こうやって無事、五体満足で、一年の締め括りの試合を観戦出来た殊に感謝。そして来るべき2024年が、どんなシーズンになるかを楽しみにしながら、今年の野球観戦はすべて終了です。
2023.11.23 / Top↑